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人間に寄生しました

 発熱でオークを倒した事で、今後の方針を迫られる。

 選択肢はオークの死体に留まるのと、新たな宿主を探すのと、二択だ。

 これって人化を目指すに、どっちを選ぶのが正解なんだろうね?


《回答:一長一短です》


 ほう?

 その心は?


《オークの死体に留まる事で、さらなるスキルを取得出来る可能性があります。

 他方、新たな宿主に寄生する事で、さらなる突然変異を目指せる可能性があります》


 ふむ……。

 その二択なら、圧倒的に新たな宿主に寄生する方がお得なのだが、果たしてその言葉通りに捉えて良いのだろうか?


 今まで細胞を摂取しても使えないとか言われたりして、糠喜びになる事が多かったからなぁ。

 ちょっと慎重になってしまうよ。


(……んで……奴が……だよっ!!)


(こうなった……の所為だっ!!)


 うん? 何だ?

 外部から何かくぐもった声が聞こえた気がする。

 これは……誰かがここに近づいて来ているのか?


(大したモンスターは、いねぇんじゃなかったのかよっ!!)


(あ、あ、あの女は化物だっ!!)


 あーいや、これ完全にオークの死体の傍に誰かが居るわぁ。

 しかもこれ、人間の声だよね?


 って言う事はさっき感じた人の声や足音は、やっぱり気のせいではなかったんだな。

 よく聞こえないからわからんけど、この人達は誰かから逃げているように感じる。

 誰から逃げているのだろう?


 冷静に考えればこの世界や神殿の事など、あんまり詳しく知らないんだよなぁ。

 もしかしてこの神殿は、かなり危険な場所なのか?


(は、早く逃げるぞっ!!)


(お、おうっ!!

 こんな場所とはさっさとオサラバだっ!!)


 うむむ。

 どうしようかなぁ。

 オークの死体に留まるのか、新たな宿主を探すのか、今決めなければいけない。


 いや、ちょっと待てよ?

 僕ってウィルスだし、本体は新たな宿主に寄生して、分体をオークの死体に留まらせるって方法も、可能なんじゃないか?


《回答:はい。可能です》


 おお!

 じゃあ母体は人間に寄生して、分体をオークの死体に留めよう。

 今現在、分体の数は1万体だから、とりあえず半分の5千体程を母体と一緒に連れて行けば良いかな?


《承諾。成功をお祈りします》


 よし。

 そうと決まれば早速動かねば。


 浮遊のスキルを使用して、オークの体外に脱出する。

 ふう。久々の外だな。

 さてさっきの人間は何処に行ったのだろうか。

 既に周囲に人影は無く、急いで彼らを追わなければならない。


「ちょ……待って……置いて行かないで……」


 耳を済ませてみると、上階から声が聞こえる。

 ふむ。右か。

 せっかく人間に寄生出来るチャンスなんだ。

 逃さないよ?


 分体をわらわら引き連れて、声の聞こえる場所に移動する。

 オークの体に残した分体には、新たなスキルを習得出来るか、色々試すよう指示を与えておいた。

 本当なら分体の方でも増殖しておいて欲しいのだが、増殖は母体でしか出来ないので、こればかりは仕方がない。


「くそっ!!

 これ、さっきの地底湖じゃねぇかっ!!」


「な、何だよそれっ!?

 元の場所に戻って来たって事かっ!?」


「ふ、ふざけんなっ!!

 どうやったら外に逃げられんだよっ!!」


 あ、いたいた。

 さっきの声の人たちだ。

 数人の人影が、大きな地底湖らしき場所で右往左往しているのが見える。

 と言うか、神殿内に地底湖とか、凄い場所だなここって。


 しかもこの地底湖、綺麗な水なのかなと思いきや、まるで蛍光塗料をぶち撒けた様なまっ黄色の水だ。

 どう考えてもこれって猛毒だと思う。

 鉱水なのかなこれって?


「そ、そうだっ!!

 思い出したっ!!

 外に出るには、こっちの道を行けば良いんだっ!!」


「くそっ!! 早くここから離れるぞっ!!

 こんな場所には1秒とて居たくねぇっ!!」


 うーん……?

 でもこの人達、何でこんなに焦っているん?

 まるでパンドラの箱を開けてしまったが如く、何かに怯えているみたいだ。

 まさかこの神殿、相当強いモンスターが潜んでいるのか?


「糞糞糞糞っ!!

 何で俺がこんな目にっ!!」


「簡単な依頼だと思ったら、全然違うじゃねぇかっ!!」


「殺すっ!! 絶対にギルド長の野郎、殺してやるっ!!

 俺達をこんな依頼を紹介して、生きておけると思うなっ!!」


 うわぁ……。

 柄が悪いなぁ……。


 この人達、顔に深い切り傷があったり入れ墨をしていたり、完全にアンダーグラウンドな方々じゃん。

 何者なんだろ?


「おい、逃げるぞっ!!」


「お、おうっ!!」


 おっと。

 このままでは彼らが逃げてしまう。

 早く彼らに寄生しないとな。


「ぐ……ゲホッ!? ゴホッ!?

 ゲホゴホガホグホッ!?」


「お、おいッ!? いきなり何だっ!?」


「の、喉に何かが絡んで……ゲホゴホガハァッ!!」


 寄生完了ぉ〜っ!


 よしよし。

 これで新しい宿主に寄生する事が出来た。

 一時はどうなるかと思ったけど、まあ順調かな?


 ……順調だよね?




お読み頂き有難うございます!

お気に召しましたらブクマ・評価をお願いします!


次の更新は来週日曜日になります!

どうぞ宜しくお願いします!

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