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赤執事 ~Scarlet's Butler~  作者: 鬼姫
【赤執事】紅霧異編
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Ep.7 夕陽

 斜陽がまぶしい。

 かれこれ数時間鬼ごっこに時間を費やしたようだ。





 俺はこの数時間で、子供の遊びはなんとハードなのかということを思い知らされた。


 子供は元気なものだ。

 特にこの幻想郷、ゲームもテレビもない世界では外の遊びこそが遊びなのから。友達とゲームに明け暮れていた俺のような子供とは違う。



 ・・・そもそもチルノやフランたちは人間じゃあないか。



 つまり、何が言いたかったかというと、ほとんどの時間を鬼としてチルノたちを追い回していたのだ。


 俺が飛べないという理由から、飛行禁止というルールはもうけられたが、所詮俺は人間、相手は妖怪(妖精)。体力が大きく違う。

 

 たまにルーミアやチルノが木にぶつかって伸びているところを捕まえても、その数分後には逆に捕まえられるというエンドレス。


 後半になるとふくらはぎが悲鳴をあげて、俺は途中でリタイア。見学してることになった。



「しかし、ああやって遊んでいる姿を見ると、フランが吸血鬼であるということが嘘のようだな。」



 フランの今の姿が姿のため、チルノたちと遊んでいる光景は、違和感ハンパなかったが・・・。





 今現在フランは遊び疲れたのか、チルノたちと木陰ですやすやと寝息をたてている。


 俺の足はまだじんじんしている。



「フランお嬢様。そろそろ帰宅いたしましょう。」

「ん・・・、ああ、・・・もう日が沈んでいるのね。」



 眠そうな目をこすってフランはつぶやいた。




 帰り際チルノたちと別れるとき、フランがとても悲しそうな顔をしていた。


 初めてできた友達だが、お姉さんであるレミリアの目を盗んで出てきてしまった。だから、そう度々遊べる訳ではない。




 紅霧異変が起こるまで、あと少し。多分それまでは、彼女があの暗い牢獄から本当の意味で解放されることはないのだろう。





 ここからは、その後の話だ。



 紅魔館に帰ったときのこと。

 フランを連れ出したため、屋敷内が騒然としているはずだと覚悟していた。


 しかし、実際のところはいつもとかわりない時間が流れていた。

 美鈴は門の前で寝ていたし、メイド妖精も掃除をしたり、遊んだり・・・。フランがいなくなったということさえ気付かれていないようだった。



 フランをこっそり地下の部屋へ移動させた後、報告のためにレミリアの部屋へ行った。



 案の定、レミリアにはフランを連れ出したことは気づかれていた。


 部屋に入って早々、鳩尾を殴られた。突然の痛みに悶えていてはっきりとはしないが、目尻に涙を溜めていたように見えた。



 その後、俺はあるがまま伝えた。


 話している間、レミリアはそっぽを向いたままひとことも話さず、一通り報告を終えた俺はすごすごと退散することとなった。

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