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赤執事 ~Scarlet's Butler~  作者: 鬼姫
【赤執事】紅霧異編
5/65

Ep.5 外出

「思ったよりすんなり出れたね!」


 傘を片手に嬉しそうな顔をする。



 フランと俺は俺の記憶を戻すために外へ赴いた。


 ちなみに、簡単に紅魔館を抜け出せたのは、それはもう、門番の美鈴さんが昼寝の真っ最中だったからである。咲夜さんに怒られなければいいが。


「私も外ってはじめてだから、どこにいけばいいかわかんないけど。とりあえず、適当に散歩してみましょう。」

「ええ・・・。」


 すでに出てきてアレなのだが、今ごろ俺たちがいなくなっているのに気付かれて、騒ぎになっているんじゃないだろうか?


 多分、帰ったらレミリアに折檻されるんだろうな・・・。



 そう考えながら少し歩いていくと、うすら霧がかかった湖にでた。

 多分ここが霧の湖という場所なのだろう。


「ひろっ!!?」


 まさしく、琵琶湖並みの広さはあるんじゃないだろうか?

 俺は何度か琵琶湖に行ったことがあったので、外の世界とこの湖が重なってみえた。


「すごーい!これが湖ってやつなのね!」


 フランも驚きを隠せないようだ。これが湖だと思うということは、何かの本でこの湖、この幻想郷についての知識はいくらかもっているのだろう。



「どう?何か記憶にビビっとこないかしら?」

「うーん・・・、だめですね(ということにしておく)。」


「そうなのね。まあ、ここは人里から離れているらしいし、仕方ないわね。」


 残念そうにフランはため息をつく。


 心の底では、できれば恩人たちを欺きたくない、と思うのだが、立場からして正直に話すわけにはいかない。

 俺にできることは、嘘をつきつづけることだけなのだ。

 そう、考えていた。



「でも、外の世界って気持ちいいね!空気も美味しいし、なんていっても綺麗だし!」

「吸血鬼がそういう発言するのはありなんでしょか?」

「あら、悪魔でも綺麗なものを好むものもいるわ。いいんじゃないかしら?」


 なるほど。

 そういえば、レミリアのほうもよくテラスで紅茶を嗜んでいたな。



「あれ?なにかしら?」


 純白の長手袋をした指が空をさす。


 黒い点?が近づいている?

 目を凝らして近づいているものを見てしばらくして、何が来ているのかわかった。


(あれは、チルノだろうか?)


 背中に氷のようなはねをまとい、見るからに(物理的に)冷たそうな見た目の少女として、記憶にあるのはチルノだけだ。


「やい、あたいのしめなわにはいってくるのはおまえらか!」

「それをいうなら、縄張りだろう?」


 チルノだ、絶対こんな見るからにガキ大将のようなしゃべり方するのはチルノだ。


「ええっと・・・、この湖の主はあなたが取り仕切ってるの?」

「ふふん、そうよ!でも、あたいをしらないなんて、さてはあんたたちはしろーとね!」


「うん、私は今日初めてお外に出たわ。」


 今のフランは見た目に反して少女口調なので、かなり違和感がある。

 いや、この赤いドレス吸血鬼の原作からして「~じゃ」とか古めかしい話し方に比べれば、違和感はないか。


「ふーん。そっちのよわそうなのは?」


 弱そう・・・。まあ確かになんの能力もない俺からすれば、見た目少女でジャイ○ン口調の妖精も脅威だ。

 ここは素直に従っておくべきだ。


 もし何かあれば、フランに任せればいいし。


「俺も初めてだ。」


 少女はまじまじと俺たちの顔を見る。


「あたいのなわばりにはいってきたのは、ゆるしてやるわ。そのかわり・・・。」



「あたいのこぶんになりなさい!」


 ああ、やっぱり考えてることは⑨なんだな。


(どうしますか、フランお嬢様?)

(よくわからないけど、この子についていけば何か記憶の手がかりでも見つかるんじゃないかしら?他にあてもないし。)

(・・・わかりました、そのように進めましょう。)


「私たち子分になるわ、ええっと、私はフラン・・・、貴方は?」

「あたいはチルノ。じゃあ、フランとそこのよわそうなの、さっそくいくわよ。」

「どこに?」

「それはもちろん、あたいのほかのこぶんとかおあわせするのよ!」


「いっておくけど、あんたたちはいちばんしたっぱだから!あたいたちとっぷのいうことはぜったいなのよ!」


 やれやれだぜ。


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