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僕…後に…



「ふう……」


周りを見渡す。僕を中心として、壁にめり込む者、地面に突き刺さる者、うつ伏せに倒れてる者など多種多様なポージングをしている人たちがいる。


「うん」


やっちまったあああああぁぁ!!


フルボッコだよ!いや、いくらルナをバカにされたとはいえやり過ぎてしまった。でもあんなこと言われたらしょうがないよねうん。野郎どももうちのルナを邪な目で見ていた節もあったしここで懲らしめてやろうという目的もあったわけで別にただ単に僕がキレてこんなことをしたわけではなくあくまで目的を持った上での蹂躙違う見せしめだよマジで。


ああぁぁぁぁけど、どうしよう。


完全に印象が最悪だよね。


でもさ、そんなに僕ってもやしに見えちゃうのかな?ステータスは高くても筋肉はムキムキじゃないしな。

でも脱いだらアレだよ?腹筋割れてるよちゃんと?

見る目がなかっただけじゃないのか?


はあ、せめて回復しておくか。


「エリア・ハイヒール」


自分を中心としてエリア内の奴らにハイヒールをかけるという魔法。優しい緑色の光が辺りを包み込みとても幻想的だ。


「キレイ…」


ん?今のは失礼な受付嬢かな?


「う、ううん?」


「身体が……」


一斉に立ち上がる冒険者たち。なんだかゾンビが立ち上がってるみたいでちょっと面白かった。


「ありがとう、まさか回復魔法まで使えるとはな。腕試しについて来てみたが正解だったね」


立ち上がった冒険者の1人が近づいて来てお礼を言う。 男の冒険者でイケメンだ。なんというかムカつく。


「というか腕試しだったのかよ…。てっきり僕たちが気に入らなかっただけかと……」


「ははは、まあ何人かはそういう人たちがいるみたいだけど僕を含めて殆どの冒険者が腕試しだと思うよ」


そう言われて周りを見る。


「くうぅ、コテンパンにやられちまったな!」


「まさかアイテムボックス持ちで剣の腕もある上に魔法まで使えるとはな!」


「あの年でここまでなんてな……」


意外と清々しい表情を浮かべながら仲間の冒険者たちと話していた。


「けどなんで来るときあんなに険しい顔してたんだよ?」


「そりゃ…こう、なんていうのかな。強い人には独特の雰囲気を感じるんだよ。それが見たこともない新人か発しられていてね。それに緊張したんだよ、僕はね」


ふむ、そんなものがあるのか。それより、自分が思っていたよりもみんなへの印象が良くて安心した。仮にギルドに入れたとしても仲が悪かったらやりにくいからな。


「ふざけんな!何かズルしたに決まってんだろ!」


なんて思っていたらそんな声が上がった。アレは最初に絡んで来たチンピラか?


「もう1人の女がそいつに強化魔法をかけてたに違いねえ!じゃなきゃ俺様が負けるわけねえんだ!」


なんだあいつ?割と最初の方でやられていたし、実力も言うほど無いと感じたが何かあるのか?


「あぁぁ、またか。彼は少し前に来た冒険者でね、辺境の方から来たらしいんだ。そこでは結構な実力者だったらしいけど、辺境と此処じゃまるでレベルが違うからね。実力もないのに威張り散らしてるんだよ」


解説どうも。なるほどな、ちょっと調子に乗ったしまったおっさんなのか。


「ま、今はどうでもいいだろ。それより早く登録を済ませたい」


「そうだね。彼は合格でいいかい!?」


「あ、はい!もちろんです!」


「よかったね。よし、ならこう言うのがお決まりでね」


『ようこそ!我らの冒険者ギルドへ!!』


みんなから歓迎され、俺は冒険者ギルドに入った。










「ちなみにルナもいいよね?魔法の腕は僕よりもだいぶ上だよ」


「もちろんです!」


ルナは試験なしで登録できた。

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