鑑定2
「よっ!ほっ!であああ!」
掛け声とともに魔物の血が舞う。剣で、魔法で、身体で魔物を殺していく。
村から離れるにつれて魔物が強くなっていった。ゴブリンからボブゴブリンになり、ゴブリンエリートなどの進化系が混じっていき、グリズリーベアーや、オーガなどもいた。
スライムもいて、物理攻撃無効スキルを持っていてすごくめんどくさかった。
魔物を鑑定してみると当然のように名前に『ザ・〜〜』が入っており、称号にも『原初の魔』を持っていた。…あと、名前もカッコよかった。
バンバンレベルが上がっていくが、500上がるにつれていっきにレベルが上がりにくくなる。ただ、500の壁を超えると劇的にステータスが上がる。
僕の場合はその分を好きなところに振れるので、早く移動したいときは素早さにステータスポイントを振ったり、何かを作りたいときは器用さにステータスポイントを振る。割とチートだ。
そしてステータスを詳しく調べてみた。メニューによると、HP 、MP 、攻撃力 、防御力 、魔力 、速力は自分のステータスをわかりやすく、簡易的に表したものらしい。例えば、攻撃力は体の筋肉、攻撃の仕方、骨の作りなどを計算して表したもの。魔力だったら、魔力操作の上手さや、精神力、魔法スキルの強さなどによる。幸運だけは例外。
一番気になったのが魅力だった。魅力…ステータスを好きにいじれる僕だったらイケメンになれるんじゃないか!?そう思い、やろうとしたらメニューに『死にたいんですか?』と言われた。そりゃ魔物がいるところで戦闘力を下げたら死んでしまうか…。しょうがない後でやろう。僕は諦めない!
幸運だけはいじれなかった。ただ、幸運スキルというものがあり、幸運を上げたい場合はこのスキルを獲得すればいいだけなので問題はない。
「うおっと!」
危ない危ない。今は戦闘中だ。余計なことを考えている場合じゃないな。
思考を切り替え戦闘に集中する。クマ型の魔物が爪で切り裂こうとしてくるが、腕をかいくぐり、勢いを利用して腕を切断。だが、切れた腕を再生しようとしてくるので、火魔法を使い切断面を焼く。これで再生はしない。回し蹴りを放ち吹き飛ばす。
間髪入れずに狼型の魔物が噛み付いてくる。横にかわす途中で空気に触れると爆発するポーションを置いておく。狼がポーションを噛み砕き、口の中で爆発が起こり頭が無くなる。
と、このように戦闘を開始して体感では数十分かかって魔物を殲滅した。
「お疲れ様兄さん」
「おう」
僕をねぎらいながらタオルを渡してくれる。ちなみにタオルは生産チートで作りました。どうやったのかは後日話すとする。
「ありがとう」
最初の戦闘とは違い、なれたので血にも当たらないようにしているので、拭くのは汗だけだ。
「さて、行きますぬお!?」
歩き出そうとすると何かにつまずき転んでしまう。あぁぁ、服に血が…。というか何だ?
「石?」
ちくしょう!たかが石につまずいたのか!屈辱だ!
「ぷ、くくくく…!ぬおっ!?って…!」
ルナが笑ってる!?しかも涙目になって笑いをこらえている!そんなにツボったのか!恥ずかしいぃ!こんなことで爆笑されても嬉しくないぞ!
恥ずかしさをごまかすため、あるいは八つ当たりで石を蹴る。
「おらっ!っ!?!!?いってええ!?」
痛いいいいいい!
指が!!指がああ!魔物をも粉砕したぼくのゆびがあああ!
「あははははは!アッハハはははは!」
笑わないでルナ!
くそおおおおお何だこれ!
「鑑定!」
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アダマンタイト
世界最高峰の鉱石。その硬さはオリハルコンをも上回る場合がある。主に重量級の武具に使わる。重く、魔力伝導率が悪い。だがその特性を生かし、対魔法用の防具を作ることもできる。
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「は?」
鑑定の結果がよくわからない。バグったのだろうか?
『鑑定に異常は見られません。状態異常でもありません』
ーーーじゃあ何か?この道端に落ちていた石ころがアダマンタイトだと?
城で読んだ本に国宝級並みの鉱石って書いてあったぞ。
『イエス。としか言えません』
…鑑定。
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アダマンタイト
世界最高峰の鉱石。その硬さはオリハルコンをも上回る場合がある。主に重量級の武具に使わる。重く、魔力伝導率が悪い。だがその特性を生かし、対魔法用の防具を作ることもできる。
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やっぱりか。
だとしたら凄いぞ。その辺に珍しい鉱石が落ちてるかもしれないんだろ?よし、片っ端から鑑定していこう。