崩壊と、それから
母親はストレスからかうつ病とパニック障害になってしまい、酷い時はパブロンを1瓶飲み、頭を掻きむしりながら暴れたり、妹の首を絞め殺そうとしたり、私には「殺されたいのか」と包丁を振り回してきたり、あまりにも酷い為、強制的に精神科に入院する事になった。
お爺ちゃんお祖母ちゃん、母親の兄には大変お世話になりながら、妹はとても環境の整った施設に預ける事になり、母親は退院し、回復は徐々にしていき、暴れる事もなくなった。
2人での生活にはあまり最初は慣れないままだった。
そんな中、私は小学6年くらいの時だろうか、小さないじめを受けた。
よくある手紙が回ってきて「渚ちゃんの事嫌いになったから、話しかけないで!」等といった内容だ。
当時泣き虫だった私は、担任の先生に相談したのをよく覚えている。些細ないじめだったが、最後は何事もなく小学校を卒業した。
妹は現在、成人施設に入り、ごく普通の生活をしている。
環境の良い施設で育ったからなのか、6歳程度の知的指数だが1つの事をこなすのが得意だという。我ながら自慢の妹だ。
実の父親はというと、離婚して今年で15年になるが、1度も会っていない。会いたい気持ちなど、今更になっては無いのだけれど。
母親と私は仲がいい。そんな母親も、9年お付き合いしている彼氏がいる。
その人の事を私は父親だと思っている。
同棲してもう6年になるのだから、そのまま籍を入れればいいのにと、会うたびに言っている。
母親は「脊柱側弯症」という、背骨の曲がる病気で手術をし、身体障碍の手帳を持っているが、相変わらず元気に車に乗ったり、彼氏と旅行を楽しんでいる。
そんな母親を見て私は微笑ましく思う。
過去に色々されては来たが、過去は変えられない。
だから、今更責めるつもりもない。
私の一人の母親として、長生きしてほしいと願う。