アトランタの森 その3
イカロスと別れて数時間、森の中枢まで来ただろか
三匹の恐竜と戦闘を行った場所と比べて薄暗く、湿度の高いじめじめとした匂いが漂い
辺りを見回すと荒々しく生えた木々が不規則に、歪に並ぶ
野草は伸びまくり、木の根には青や茶色のようなキノコが生えていた
(このキノコがあるという事はファンゴの生息域に入ったという事か)
ファンゴが好んで食べるキノコは様々で、少々の毒素が入っているような物が多く
人間が生で口にするには少々難がある、しかし火を通せば食すこともできる
レーゲンはあたり一面のキノコとを集め
大きな葉を数枚重ねた皿の上に乗せて、信号弾を取り出す
信号弾の弾頭を小刀で切り中の火薬をキノコに欠ける
その後信号弾の雷管を使って発火させる
たちまち燃え上がりキノコは勢いよく燃え上がる
レーゲンは続けてキノコの下に敷いていた葉や木々を上からふんだんにくべる
火はさらに燃え上がる
そのまま待つこと十数分前の刺激からガサガサと聞こえてくる
その音は次第に大きくなっていく
(資料通りにやったら本当に来たな)
さっき燃やしたな葉や木々はアトランタの森でしか取れない「アトランタの木」の葉っぱと小枝である
この木は森の名前の由来で中枢で比較的多く生えていて、この木はとても香りが良い
水分が比較的少なく可燃性が高い、それでいて燃やしたときその香りは強くなる
この木は毒消しの成分を微量に含んでおり、ファンゴが腹を下さないようにキノコと一緒に食すのである
レーゲンは小刀を腰から抜き取り構える
足を肩幅に開き前後に出す
右手は胸の高さで正面に突き出し、小刀は地面と水平
左手は右手に添える
草むらファンゴが現れる
鼻息はとても荒く、相当頭にきてるようだ
自分の縄張りを荒らされ、大事な食料を燃やされているのだから
(それにしてもでかいな、あのおっさんの2、3周りはでかいな)
そんなことを思いながらも心は非常に落ち着いている
自分よりもはるかに大きな相手を目の前にして落ち着いているのだ
とても不思議な感覚だ、このまま何もなかったかのように歩き出せる
負ける気がしない
ファンゴは前足で地面をけりながら鋭い眼光を向けてこちらを威嚇してくる
そんなプレッシャーを跳ね除けほくそ笑んだ