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あなたを知らない世界  作者: ピングイン
記憶をなくした男
5/7

アトランタの森 その1

森の手前で馬車を止め野営の準備をする

イカロス曰く、何かあったらとりあえずここまで戻ってきな

だそうだ

一通り準備が終わると森へ入っていく

森の中はひんやりとしていて、朝日が木々の間から照らし込み

それほど暗くないといったところだ。


「あまり深くは入らねぇが用心だけはしろよ、特に亜人族にはな」


(亜人族……。)

今朝初めて知った”銃”と同じく初めて聞く内容だ


「すまないが詳しく聞かせてくれないか」


少々驚いた顔したがいイカロスは話し出した


「どこから説明すればいいかわからんが、この森周辺にいる亜人族はゴブリンだ。

奴らは知性は低いが知能は人間と大して変わらない、だから集団行動もするし

下手をすれば芋づる式に仲間を呼び、瞬く間に大軍を呼びやがる。

ま、それほどいればの話だがな。」


 亜人族、ゴブリン、二つともやはり知っているような気配がない

おそらくそのほかにいるであろう他の亜人族もだろう。

そしてイカロスの話し方。

声こそ陽気だったが顔つきはそうではなかった

それから察するに遭遇するとそれほど面倒なのであろう。


「まあ、町や都内に行けば人間と同じ生活をしてるゴブリンもいる、

この辺にいるのは社会性が欠落した蛮族どもだ。それにゴブリンを

狩ったとしても大して金にならんから無視するのが一番だ。」


話し終えてすぐに正面の茂みから気配を感じる


「く…。」


とっさに二人は後ろに飛ぶ

茂みからは二足歩行赤黒の肉食恐竜の小型種が飛んで噛みつこうとしてきた


「おぉっと、これは早速良い獲物だ。」


周りからさらに二匹出てくる、集団戦法としては立派だ。


「資料にあった怪物の一種であっているか」


「あぁそうだ、こいつらは小柄だから皮ははぎ取れねぇが牙と爪ははぎ取れる

それほど強くもない、いっちょ一人でやってみるか?」


いいだろう、その提案乗ってやる


「分かった、ひとまず後ろに下がってくれ」


イカロスはそのまま下がる

短刀を抜いて構える

右手で短刀を握り前に、左手は添え両足は肩幅前後に開き全方向に気を張る


小型恐竜の一匹が飛びかかって来る、それをバックステップでギリギリでかわす。

すかさずもう一匹が踏み込んで右から噛みこんでくる、それに対して大きく踏み込み

懐から顎の下を右前腕でかち上げる。そのまま喉へ短刀を差し込み抜きながら左踵で回し蹴り

唸り声をあげながら向こうへ吹っ飛ぶ。顎が砕ける音がしっかりと聞こえた、しばらくは起き上がれないだろう。


「ほぉ、きれいな一撃だ。」


すかさず三匹目も後方から噛みこんでくる、それを回転しながら左前腕で顎の付け根をはじき

喉元へ一撃。その瞬間短刀がらカタカタと揺れる感触が伝わる。

すぐさま喉から抜き確認する。確かに震えている、幻覚じゃない。


最初の一匹が無視をするなと言わんばかりに飛び込んでくる。

体制を低くしながら小型恐竜が落下してくる場所に移動し、そのまま右後ろ蹴りを腹に決める

軸足と蹴り足が一直線上にあるきれいな後ろ蹴りだ。

恐竜の体重に加えけり込んだ力、そして地面の抵抗力が加わった蹴りは

まさしく槍に刺さったかのような恐竜の内臓をグチャグチャニした。


「全て急所を一撃か……。全くその若さでどんな修羅場を潜り抜けてきたのやら。」


やれやれと言いながら近づいてくる

突如現れた三匹の小型恐竜を無駄なく一撃で倒す

果たして彼はいったい何者なのか、イカロスは思うのであった。

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