7/10
独白
新章突入!
『君の人生はつまらないね。』
『友情も私情も愛情も心情も無い。劇的でもなく、奇異さも欠ける。思ったことはないかい?もっとこの世界が、異常だったならって。』
『それは君が平凡であるという、最も明確な理由だよーー嗚呼。』
『君は本当につまらないね。』
机に腰掛け、大仰な仕草で両手を広げて見せる彼女。その口元が意地悪く吊り上げられて、真っ赤な目が私を見る。
私は彼女を知っていた。うんざりするくらい、私は彼女を知り尽くしている。そして彼女もまた、私を知り尽くしているのだった。
何故なら私はーー否。彼女は、私の。
「ワタシと同じくらい、君はつまらない人間だよ。」
異体同心、なのだから。