第67話~変態は必ず脱いでくる~
「本当によかったの?」
ネムがセレジアに問いかけるが、表情は変わらずふて腐れたままだ。
「あんな奴、置いていって当然よ」
「でも、今まで一緒に頑張ってきたんでしょ?助けられたこともあるんじゃない?」
その言葉を聞いた刹那、セレジアがネムに目線を移しだ。
「そんなこと・・・・・・あるわけないじゃない」
「ほら、もっと自分に正直になんなきゃ、ね!」
ネムがセレジアの肩を鷲掴みにし、元気づける。
「ネム」
セレジアがネムの手を掴む。少し力の入った握り。
「アタシ、サイジのこと、好きなのかな」
「自覚無かったの?」
「うん」
顔を赤らめるセレジアに対し、したり顔のネム。
「じゃあ、ハッキリ言えば良いじゃん」
「いや、アイツのことだから、どうせ茶化されて終わりだし・・・・・・」
「でも、本気で言った言葉は本当に伝わるものだよ、たぶん」
「まるで知ったような口振りだね。経験者は語るみたいな?」
「さ~ね」
二人はサイジの元へ引き返す決断をするのであった。
その刹那、二人を衝撃波が襲った。その力で、思わず尻餅をついてしまった。
「痛っ!!」
「ちょっと、一体誰の仕業?」
「ハハハ!思い知ったかセレジア!」
目の前に現れたのはマンキニ姿のサイジであった。
「う・・・・・・嘘でしょ?」
セレジアは呆気にとられ、立ち上がれずにいる。その姿を見かねたのか、サイジがセレジアの元へ駆け寄り、手を取る。
「失礼しました、お嬢様」
「ちょっとアンタ、アタシをバカにしてるの?」
「いいえ、真剣です」
手を取られるがままに立ち上がったセレジアに見えたのは、サイジと、あの変態紳士の姿だった。




