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青春18勇者  作者: 天川 榎
第5章:火山の街 ドンガマク
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第67話~変態は必ず脱いでくる~

「本当によかったの?」

 ネムがセレジアに問いかけるが、表情は変わらずふて腐れたままだ。

「あんな奴、置いていって当然よ」

「でも、今まで一緒に頑張ってきたんでしょ?助けられたこともあるんじゃない?」

 その言葉を聞いた刹那、セレジアがネムに目線を移しだ。

「そんなこと・・・・・・あるわけないじゃない」

「ほら、もっと自分に正直になんなきゃ、ね!」

 ネムがセレジアの肩を鷲掴みにし、元気づける。

「ネム」

 セレジアがネムの手を掴む。少し力の入った握り。

「アタシ、サイジのこと、好きなのかな」

「自覚無かったの?」

「うん」

 顔を赤らめるセレジアに対し、したり顔のネム。

「じゃあ、ハッキリ言えば良いじゃん」

「いや、アイツのことだから、どうせ茶化されて終わりだし・・・・・・」

「でも、本気で言った言葉は本当に伝わるものだよ、たぶん」

「まるで知ったような口振りだね。経験者は語るみたいな?」

「さ~ね」

 二人はサイジの元へ引き返す決断をするのであった。

 その刹那、二人を衝撃波が襲った。その力で、思わず尻餅をついてしまった。

「痛っ!!」

「ちょっと、一体誰の仕業?」

「ハハハ!思い知ったかセレジア!」

 目の前に現れたのはマンキニ姿のサイジであった。

「う・・・・・・嘘でしょ?」

 セレジアは呆気にとられ、立ち上がれずにいる。その姿を見かねたのか、サイジがセレジアの元へ駆け寄り、手を取る。

「失礼しました、お嬢様」

「ちょっとアンタ、アタシをバカにしてるの?」

「いいえ、真剣です」

 手を取られるがままに立ち上がったセレジアに見えたのは、サイジと、あの変態紳士の姿だった。

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