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青春18勇者  作者: 天川 榎
第3章:魅惑の森 ジャモリスカ
33/75

第33話~ふたりとひとり~

「必殺スメルロマンス!!」

 シャリオットが突然目の前から姿を消した。

「どこにいるんだ?」

「こちらですよ、お嬢さん」

 セレジアの呼びかけに、シャリオットは顔面に股間を近づけて応えた。

「ヒィィィィィィィィ!!!」

 思わずセレジアは腰を抜かしてしまった。

「ほらほら、どうしたんですか?お楽しみはこれからですよ?」

 セレジアにシャリオットは手を差し伸べる。

「ちょっと!!これ以上近づかないで!!!」

「口がそう告げていても、貴女の体はそうとは言っていませんよ」

 そうシャリオットが呟いた通り、セレジアの体が意思に反してシャリオットの方へ導かれる。

「え?何これ?」

「我が輩のボディの虜になってしまったのかな?良いんだよ、体の求めることに素直になっても」

 体を這いずらせ、セレジアは腰を8の字に回すシャリオットの方へ引き寄せられていく。

「ダメっ・・・・・・ダメだと思っても、か、体が」

「ちょっと!そんなへんたいに惑わされちゃだめですぅ~」

 ミツキはステッキを振り回し、セレジアの変態の呪縛から解き放とうとする。

「恋の魔法はすぐには解けませんよ」

 シャリオットがミツキに向かってウインクをする。しかし、ミツキはそれを受けても微動だにしない。

「な、なんだと?」

「そんなことしても、女の子はおとせないよ!」

 ミツキがセレジアに駆け寄り、体に触れる。すると、セレジアに掛けられていた変態の呪縛は一瞬で解かれた。

「そんな馬鹿な!!」

「これ以上、お前の好きにはさせない」

 セレジアは押さえきれない憤りをムチに込め、低い姿勢で構える。

「ホウ、SMプレイをご所望かな?」

「SMプレイよりもっとキツいかもよ」

 セレジアはミツキに目配せをする。その視線に微笑みミツキは体を宙に少し浮かせ、シャリオットの背後に回る。

「くらえ!ヘンタイ!」

 ミツキが呪文を唱え杖を振ると、杖の先が太陽のように光り、シャリオットを見えない膜で包み込んだ。

「なんだこれは!?窒息プレイか?」

 シャリオットの体に合わせピッタリと覆った膜は、身動きの自由を奪い、呼吸ですらも満足に行えないものであった。

「いつの間にそんな魔法を・・・・・・」

「毎晩練習した成果だよ」

 セレジアが親指を立ててうれしそうに笑う。

「なら、こっちだって!」

 私は『サンパリーツ』を抜き、気合いを溜める。

「ちょっと、何するつもり?」

「え?何って、シャリオットにトドメを刺そうと思って」

「大丈夫。アンタの出る幕なんて、もう無いわ。アタシ達でなんとか出来るもの」

 セレジアは、剣を抜こうとする私を制止し、ムチを空高くまで振り上げた。

「喰らえ変態!サンダーウィップ!!!」

 そう叫ぶと、ミツキがセレジアのムチに雷の魔法を掛けた。そのムチをシャリオットに振り下ろす。

「ギュアムロオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 シャリオットは電撃を含んだムチに悶え苦しみ、絶頂を迎える。

「叫び声もおぞましい・・・・・・」

 セレジアは後ずさりを始め、その場を立ち去った。

「まったくこれだから、へんたいさんは」

 ミツキはシャリオットに張った膜を取り除く。シャリオットはとても幸せな顔を浮かべ、気絶していた。

「もう、いらないかもな」

 私が居なくとも、戦闘で勝てるようになっている。セレジアとミツキだけで立派に戦闘をこなせるようになっている。二人は日々技を磨いていたのだ。

 私は一体、今まで何をしていたのだ?『サンパリーツ』を手にして、調子に乗っていたんじゃないのか?もうこれさえあれば、敵を倒すのなんて余裕!なんて思ってたんじゃないか?


 本当に、勇者になれたのか?

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