第25話~戦え!未来のために~
「という訳で、あなた方には是非我々『下着保守派』に加勢して欲しいのじゃ」
「いや・・・・・・、そう突然言われても困るんですよね」
この依頼は引き受けるべきなのか。しかし今の状況が状況だ。既に服などは回収され、強制的にブーメランパンツ・ビキニの格好にさせられている。このままでは『下着保守派』のこの村長の言われるがままの状況を構築されてしまっている。
だが待て。私たちのそもそもの目的は何だ?街のボスを倒し、魔王と戦う権利を得ることではないか?この街にもボスとやらが目の前に・・・・・・
「居るじゃん、ボス」
「今頃気づいたの?」
セレジアのしたり顔が鼻につく。
「でも、その人が本当に村長かっていう保証はどこにもないよぉ」
ミツキが真剣な表情を浮かべ、語り出した。
「珍しく正論言うな、お前」
「えっへん」
「それで威張られても」
困ったものだ。いわゆるボスという存在が今この街には二人存在する。どちらを倒せばよいものか。まあ、ここでいくら考えても無駄なことだ。この戦いに身をゆだねて、その中で判断しよう。
「分かりました。協力しましょう」
「本当ですか!?」
村長は目を丸くし、私の膝にすがりつく。
「ただし、条件があります」
「何ですか?」
「もし、あなたの勢力が勝利した場合、村長の座を明け渡してはくれませんか?」
その言葉に、思わず村長から息が漏れ出す。
「それは、どういう意味ですかな?」
「言葉通りの意味です」
村長は黙考し始めた。
「・・・・・・ちょっと、いくら何でも話が急過ぎない?」
セレジアが私の耳元で囁く。耳にかかる息がこそばゆい。
「どちらにせよ倒す相手なんだ。最初に話しておいて相手の出方を見なきゃ」
「相手がそのまま従うか、それとも反抗するか」
三人に緊張が走る。村長の一挙手一投足が気になって仕方ない。
「分かった」
突如、村長の重たい口が開いた。
「受け入れよう。もし我が村が勝ったなら、村長の座をそなたに譲ろう」
村長の言葉に側近が慌てふためく。
「静まれ!!」
村長の怒号が飛ぶ。
「こやつらに賭けてみようではないか。この村の未来を。これだけの覚悟がおありのようだ。任せてみようじゃないか」
村民の声が、一気に歓声に変わる。
「そなたたちに預けたぞ。ブーメランパンツとビキニの誇りを守るのじゃ」
「「「はい!!!」」」