第23話~ジャモリスカへようこそ~
宿で叫び倒した3人は、目を腫らしたまま、再び馬車へ乗り込み、ジャモリスカへと向かう。
「もう朝か・・・・・・」
ジャモリスカに向かって走り出した馬車に、朝日が差し込む。
「また馬車に乗って、あんな場所に行かなきゃならないのか」
セレジアが、物憂げに外を窓から眺める。
「仕方ないよ。全国制覇しないとこの旅終わらないし」
その言葉を聞き、セレジアは大きな嘆息をする。
「そんなに落ち込まなくてもいいじゃないですかぁ~!慣れればどうってことないですよぉ」
「いい加減その喋り方止めてくれない?」
セレジアが目覚めの悪そうな目つきでミツキを凝視する。だが、特にそういう空気的なものに感心を寄せようとしないミツキは、何も省みること無く再び同じ口調で言葉を発し始める。
「魔法少女はこういう話し方なんです☆(きらり」
「そうだよね。魔法少女って話し方もそうだけど、変身するとき無駄に裸になるしね。みんな露出狂の変態なんだよね」
「露出狂じゃないですぅ!あれは変身する上では必要なことで・・・・・・」
「だったら更衣室とかで戦闘服着込んで、その場でパッと早着替えすればいいじゃない」
「それだとファンの皆さんが喜んでくれないんですよぉ~」
「アンタのどこにファンがいるってのよ」
「・・・・・・」
セレジアの言葉責めに、ついにミツキは二の句が継げなくなった。
そんなくだらない応酬をしているうちに、『ジャモリスカ』に到着した。一応村までは一本道が通っており、森に入ってから約1時間で着くことが出来た。
辺り一面太古から生えているような巨大な大木に囲まれ、今にも何かやばい怪物が飛び出してきてもおかしくない、鬱蒼とした雰囲気である。
村の前には門があり、怪しげな格好をした衛兵が近づいてきた。
「おい!そこの変態共!止まれ!」
その衛兵の姿は、ブーメランパンツである。
「へ、変態?」
「まさかミツキのこと言われてるんじゃないの?」
「ち、ちがいますぅ!別に変身もしてないですし」
「おい、貴様ら!抵抗するのか!」
衛兵が更に馬車に近づいてきた。
「ま、待ってください!私たちは旅の者でして・・・・・・」
「なんだ、旅人か。よし、ならこれに着替えろ」
衛兵に渡されたのは、黒いブーメランパンツ1着と白いビキニ2着であった。
「え?まさかこれに着替えろと?」
「当然だ。これが我が街の正装だ。下着以外の衣服を着ること、これすなわち相手への辱めに値する変態行為である」
まさか服を着ていることをこの年になって責め立てられるとは全く思っていなかった。
「さあ、馬車から降りて、更衣室で着替えなさい」
半ば強引に、三人は馬車から降ろされ、門の前にある簡易的な更衣室で、ジャモリスカの『正装』に着替えることとなった。
ブーメランパンツ。まるでそれは穿いているか穿いていないか分からないほどのフィット感。締め付けられているという感覚が、私の力をみなぎらせる。
「意外といいかもしれないな」
「よくないわよ」
ブーメランパンツに半ばご満悦していた私の前に、セレジアの眩しいぐらいのプロポーションが現れた。
「足長いんだな、セレジアって。似合うじゃん」
その言葉に思わず顔が紅潮する。
「ち、ちょっと!恥ずかしいこと言わないでよ!!!」
どこに隠し持っていたか分からないムチが、私の臀部にダイレクトアタックされた。
「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そんな快感の雄叫びを上げている最中に、ミツキも大きく実ったたわわな果実を携えてやってきた。
「よし、じゃあ行くか」
「ミツキにはかわいいとかいってくれないんですかぁ~」
「はいはい、かわいいかわいい」
「ちょっと、よそ見しながら言われてもうれしくないですぅ」
無事に着替えを終えた3人は、門番に導かれ、『ジャモリスカ』に入っていった。




