表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

面接?




 自転車を漕ぎたどり着いた喫茶店。

 バイトの面接とはいえ、正装の方がよかっただろうか?しかし突然こいという指示があったのに、正装というのは少々理不尽だろう。

 喫茶店の外から窓ガラスを使って、乱れた髪を多少直す。そして喫茶店の中に入って気がつく。


 えっと、誰だよ。面接官!!


 気がつかなかった俺もなかなかの馬鹿だと思うが、面接対応の女も相当バカである。落ち合う場所をきめときながら、集合場所にいる誰が目的の相手かわからないとは、間抜けにもほどがある。


 今この喫茶店内にいる女性客は4人。スーツ姿でメイクをかっちり決めた、若い女性客。しかし、彼女は雑誌を読んで音楽を聴いていた。バイトの面接をする直前に、音楽聴いて雑誌読んでるなんてさすがにないだろう。

 次に40代ぐらいの女性二人、しかし2人で仲良くお話しているところをみると、こちらでもないだろう。というか、40代の女性が「ボクっ子」とか嫌過ぎる…。

 すると最後に残るのは、窓際に座っている若い、というか大学生ぐらいにしか見えない黒髪ショートカットの女。女の姿はジーンズ地のパンツに、なぜか様々な色で薄汚れた白衣。これも…とても面接官とは思えないのだが…。


 だが俺は、白衣の女性の前に進んだ。


 理由その一。他の女性客は違うと状況が告げている。

 理由その二。電話で聞いた声、そして「ボクっ子」それらの要素が彼女にぴったりと当てはまる気がした。…つまりは勘だ。




「久世浩也です」


 俺が白衣の彼女に名乗ると、彼女はゆっくりと微笑み、


「ああ、どうもこんにちは。初めまして久世さん。バイトの募集をしてました大橋かなえです。どうぞよろしく」


 そう言った。




 俺の勘は正しかった。正しかったが、彼女が面接官とは、怪しかったバイトの雲行きが、さらに怪しくなってきた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ