予知夢
横断歩道の信号待ちをしていたら、青いトラックが突っ込んできた。気がついたときにはトラックは目の前で、避けることもできなかった。
俺は、衝撃と共に跳ね飛ばされた。
「――夢か」
(あー、やな夢だった。明日から期末テストだっていうのに幸先が悪いったらありゃしねぇ。)
そう思いながら寝汗をシャワーで流した後、仕度を整えて学校に向かった。
学校の帰り、信号待ちしているときにふと気がついた。
(そう言えば、ここだったな。そうそう、あっち側からトラックが突っ込んで来たんだよな。)
そう思って交差点の方に顔を向けると、こちらに向かって右折している1台の青いトラックが目に入った。まさかと思っていると、みるみる近づいてくる。
「やばっ」
あわてて後ろに飛び退くと、そのトラックがさっきまで自分のいた場所を通り過ぎ、ガードレールにぶつかって白煙を上げていた。
(うわっ、危機一髪。夢で見た通りじゃん。って、もしかして今朝の夢って――予知夢?)
俺は制服についたホコリを払いながら、ほっとすると同時に予知夢という可能性に胸を高鳴らせていた。
明くる朝、テストの夢で目が覚めた。
(よし、はっきり覚えている! 今日のテストは、これでバッチリだぜ。)
昨日とは打って変わって高揚した気分で学校へと向かった。
学校に着くと俺は席について今朝の夢を忘れないように反芻していた。
そして、テストが始まった。開始の合図と同時に問題を確認した俺は、
(よっしゃ、夢で見た通りの問題だ!)
と、思わずこぶしを握り締めガッツポーズをとっていた。しかし、そのこぶしに込めた力はすぐに行き場をなくしてしまった。
「あ、答えまでは分かんねぇや……」




