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55 第4の国の災厄

 魔法陣はある国に現われた。




 そしてその中にクラリス達4人は転移し、その国の風景を目にした。




 質素な家がポツンポツンと建てられていて、人口は多くないようだった。




「お嬢様。田園地帯ですね。見事な農地が広がっています、農業国でしょうか。」




 メイにそう聞かれて、クラリスが答えた。




「私はこのような風景が大好きです。心が落ち着きます。」




 アーサーが想い出した。




「わかりました。この国はファーム王国です。防衛戦争を戦った時、ゴード王国の軍のために穀物を売ってくれた国です。相談役のショウが、よくこの国のことを言っていました。」




 ただ異常なことがあった。




 住民達はみな暗い顔で下を向いて仕事をしていた。




 そして、栄養が足りないようで顔色がとても悪かった。




 クラリスが心配した。




「風景は大好きなのですが、働いていらっしゃる住民の方々の様子はとても心配です。もしかしたら、悪しき心を映す世界の侵略が始まっているのかもしれません。」




 メイナードが聞いた。




「アーサ王子様。この国に魔族がどのように侵攻しているのか、どうやって調べましょうか。」




「まず町を目指しましょう。食事をとらなければなりません。それに、宿泊場所を探す必要もあります。」




 大きな道は、人や物が集約される町に続く。


 4人は比較的大きな道を歩き始めた。




 クラリスが魔眼で、歩く方向の遠くに何があるのか探査した。




「みなさん。ここから歩いて半日くらいかかる場所に、町らしきものを見つけました。しかし不思議なことに、昼間というのに外を歩いている住民がほとんどいません。」




「どのくらいの広さの町ですか。」




「かなり広い町です。普通、このくらいの規模であれば1万人くらいの住民が住んでいますは。それにメインストリートには活気があるはずです。数人が歩いていますが………… 」




 クラリスの探査結果を聞いてアーサーが言った。




「郊外の農産地帯といい、町の様子といい、何かとても異常なことが起きています。注意しましょう。」








 4人は半日かけて、大きな町に着いた。




 町の入口にある関所にはこう書かれていた。




「この町では美しさだけが価値。美しくないものはできるだけ外を歩くな、やむを得ず歩く場合は顔を下げて目立たないように歩け。《領主、審美男爵ピエール》 」




 クラリスは怒りを込めて言った。




「なんでしょうかこれは、私は絶対許せません。それぞれの人々にはさまざまな価値があります。このような極端な考えができるということは、きっと魔族か魔族に変りつつある人でしょう。」




 その時、関所から守備兵が数人、走り出してきた。




 みんな背が高く美形だった。




「お前達、今、領主様の御命令に反することを言っていただろう。」




 クラリスが凜りんとした口調で言った。




「はい。私が申しました。」




「ひっ捕らえよ………… 申し訳ありませんでした。」




 守備兵達はクラリスを見ると、最初の勢いは全て亡くなり、全員が地面にひれふした。」




「あなた様のような絶対的に美しい方、最上位の方はこの世の中でなによりも尊い。どうぞ、この町にお入りください。最高特権が与えられます。御滞在中は思う存分、お楽しみください。」




 それから守備兵は続けた。




「美しき御令嬢、あなたの家臣達はだめですよ。美しくないものは、この町には入れません。」




 そう言いながら、他の3人をクラリスから引き離し追い立てようとしてが固まってしまった。




 アーサーを見た


「あっ!!! なんて美形な男性でしょう。最上位の美しさは、そこにいるだけでオーラーを感じます。御令嬢に釣り合うようなパートナーですね。失礼しました。」




 さらに、メイとメイナードを見た。




「すばらしい! 御令嬢とパートナーの侍女と従者様ですね。美しさは上位に位置されるでしょう。」




 4人は通行許可証を発行され、町の中に入ることができた。








 町に入った後、アーサーが言った。




「クラリスさんが言ったのと同じで、私もこの町が嫌いです。でも、苦しんでいる人々のために情報を得なければなりません。ぞの前に食事をしましょうか。かなり歩きましたから。」




 4人は町の中で食堂を探した。




 ところが、どの食堂も飾り立てうわべの美しさだけが目立ち、は入りずらかった。




 しばらくして、1件の入りやすそうな店をみつけた。




 とても地味で全く飾り気のない店だった。




 4人が中に入ると、ふっくらした店主が驚いたような顔をして迎えた。




「いらっしゃいませ。お客様方は外から来られ方ですか、よく、このような汚い店をお選びいただきありがとうございます。このように、全ての席が開いていますので、好きな場所にお座りください。」




 メイナードが聞いた。




「メニューはありますか。」




「はい。あります。今、お持ちします。」




 やがて、小さな女の子が使い古したようなメニューの冊子を持ってきた。




 その子は、天使か妖精のように大変に美しい顔をしていた。




 女の子はクラリスにメニューを渡した。




「どうそ。絶対的に美しい方。」




 クラリスがメニューを開くと、半分以上が消し線が引かれて消されていた。




「店主様、消し線はどういう意味ですか? 」




「はい。つい6か月前までは正式な人気メニューで、毎日たくさんのオーダーをいただきました。しかし、王都で開かれた会議に領主様が御出席され、帰られてから様子が全く変わりました。」




「どうなったのですか? 」




「国王陛下が、美しきものを最大限にたたえなければならない法律を創られました。それが全国に発令されたのです。料理についても、見栄えが美しくなければ提供できなくなりました。」




「そうですか。できれば、私はこの消された魚のあらの煮込みリゾットをいただきたいのですが。」




 その時、女の子がとても厳しい目をしてクラリスににらんだ。




「絶対的に美しい方が、なんでそんなに見栄えが悪い汚い料理をほしがるのですか。私にはあなた様の美しさがこの世で至高のもの、何か特別なエネルギーを感じるのです。止めてください!!! 」

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