81話 6.石橋も叩いて見て渡らないで
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ダビデ:それで……そこでコヤ姉さんがそこで一気飲みをかました。
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ダビデ:恥を知れとばかりにバー!って言ったら、ガキどもが みんなビビってブルブル ブルブル
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ダビデ:片方ではうちのチサンさんと獅子の子どもたちがどっしり座って、何の文書みたいなのを検討しながら
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ダビデ:「外部人ではなく、ギルド長対ギルド長の約束で来たんだ」
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ダビデ:クハ
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ダビデ:キャ クゥゥ~!!!
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アン・チサン:代表、僕はあんな言い方してません。本当です。
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ダビデ:この野郎ㅡㅡ かっこよかったって言ってるんだよ。腰巾着どもは褒めてやるとそのまんま受け止めやがって
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ダビデ:とにかくまあ、そうなった。
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ダビデ:見てるか?
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ダビデ:お前だろ?
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ダビデ:私がちょっとスマートな外面とは違ってド阿呆だから、あの時お前が何言ってるのかちゃんと理解できなかったんだけど
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ダビデ:そうだろ?お前じゃなきゃ誰が銀獅子とコヤ様を同時に呼べるんだよ
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ダビデ:ありがとう
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ダビデ:ㅎㅎㅎ
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ダビデ:サンキューな
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チョン・ヒド:さっきから一人で何を言ってるんですか一体
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ダビデ:お前は知らなくてもいいんだよクソガキ 消えろ
「こいつマジで……。」
レビュー書く腕がマジでヤバい。ネットショッピングモールだったら即座にポイントめっちゃあげちゃうレベル。
「すぐに生き返ったのを見ると……。透き通ってる、透き通ってるよ。」
ソウルへ帰る高速バスの中。
フッと笑ったジオが窓際に寄りかかって顎を乗せた。まあ、うまく解決できたならそれでいいかと思いながら。
* * *
ビバ(Viva)、文明!
ごきげんよう、俗世!
どんよりとした空、醜悪なほど真っ黒な塔、鼻を突く排気ガスの匂い。
「う…… 今すぐにでも短命になりそうな感じ。細胞の先から響く健康赤信号。」
君と僕の首都、ソウルだ。
荷物を降ろすや否や飛び込んだベッドダイビングも束の間、キョン・ジオはサンダルを引っ掛けてバタバタと飛び出して行った。
「どこ行くの?」
「糖分チャージ!」
ジオは鼻歌を歌いながらコンビニの冷蔵庫を開けた。私のハーゲンダッツ、ハーゲンダ…… え?
「すみません、店員さん。ハーゲンダッツ全部なくなっちゃったんですか?」
「ああ、それ。はい。さっき、ある方が全部買い占めていかれて。そんなに時間経ってないんですけど…… 申し訳ありません。」
「いえ……。」
ちょっと気が抜けるけど、他の店で買えばいいし。コンビニがここだけにあるわけでもないし。
間違いなくジオはそう思っていた。
「全部なくなっちゃったんですか?」
「申し訳ございません、お客様。」
ここも。
「一つもないって?たった一つも?」
「本当にさっき全部なくなって……。」
あそこも。
近所のコンビニ5軒全てが焦土化。町から少し離れた所まで来たのに全滅だ。
キョン・ジオは考えた。
「これは…… 陰謀だ。」
間違いない。純粋なマンチキンを狙う黒幕の仕業に違いない。
「誰だ?誰なんだ?」
候補がマジで多すぎる。あの亀の子か?もしかして回帰者野郎?それとも私からおやつを完全に奪い取るための白米狂いの策略?
「犯人、この白米狂い野郎……。」
カフェの方へ歩きながらジオが携帯電話を取り出そうとしたその瞬間だった。
「携帯電話…… なくさなかったんですね。」
耳元を這い寄る陰鬱なうめき声。
な、何?ジオがハッとして周りを見回した。すぐ隣の路地、電柱の陰だった。
新聞紙で顔を隠した男がもう一度呟いた。
「携帯電話があるのに、なぜ出ない……。」
「ハッ。」
その親しみやすく、どこか安心感のある体つき。ジオの目が記憶しているシルエットだ。そして同時にパッと下がる新聞紙。
「な、なぜ…… 一体なぜ!」
「えっ。」
「一体なぜ携帯電話の電源を切っておられるんですか!」
見ない間にすっかり老け込んでしまった印象、ひどくやつれた顔色のチャン局長……。
韓国覚醒者管理局局長チャン・イルヒョンが涙ぐんだ顔で叫んだ。
「長く家を空けておられ、ソウルにいらっしゃらなかった…… ジオさんの行動パターンを分析した結果です。特定のブランドのアイスクリームに対する執着が強い方なので、近所のコンビニを全て回られた後、それでもなければ高い確率でこのカフェに入られると予想しました。」
よくいらっしゃるカフェですから。
チャン・イルヒョンは満足そうな顔でグラスをすすった。おじさんらしくなくアフォガートだった。
「つまり私は、ハーゲンダッツでおびき寄せられて、チャン・イルヒョンという待ち伏せに引っかかってしまったってことね。」
まるでドラマのセリフのような言葉を吐きながらジオが頷いた。
「データの勝利ですね。」
「褒めてないんだけど、この出っ腹おじさん。今、人に会いたいからって近所のハーゲンダッツの商圏をめちゃくちゃにしたんでしょ。死にたい?」
「じゃあどうしろと?連絡もつかないし、お母様にバレるのが怖くて家の近くには行けないし。」
チャン・イルヒョンがぼやいた。
キョン・ジオとの面会は、普通に考えても簡単ではなかった。まず第一法則からして母親に必ず秘密にすることだったから……。
韓国センターを代表する人物であるだけに、チャン・イルヒョンは対外的に顔がよく知られている。
ジオが幼い頃は「トラウマ治療支援」だとか何とか言って、よく会っていたけれど、覚醒者でもない一般人を彼が頻繁に会う理由なんて一体何があるだろうか?
ジオはチャン・イルヒョンが会おうと言うと、とても嫌がった。バレたくて気が狂ったのかと言いながら。
当の本人がそう言うので、直接連絡は無理で、一度会うには必ず周りの誰かを経由しなければならなかった。
例えば〈銀獅子〉の虎だとか、実の弟キョン・ジロクのような……。
しかし今回はそのキョン・ジロクもいなくて、虎はひたすら待ってろ、ちょっと待ってろという感じ。
結局、気が気でなく家の近くでずっと張り込んでいたのだった。
「携帯電話の電源を切っておられたので、どれだけ焦ったかご存知ですか?使わなくてもいいので、電源だけは切らないでくださいって言ってるのに……。私たちの唯一の光と希望ではありませんか。」
「おじさん、大げさなこと言ってないで。」
乙の愚痴は聞いてるとキリがない。ジオはスーパー甲らしく冷静に遮った。
「何の用があって探したの、それで?」
「……本当にご存じないんですか?」
「はあ?質問に質問で返すのね。」
あら、大きくなったわね。チャン・イルヒョン。
今、その局長の席に座らせてあげたのが誰だか忘れたのか?
久しぶりに甲の力をフル装備したキングジオが足をふてぶてしく組もうとした頃、それでもチャン・イルヒョンはただただ呆然とした顔つきだった。
「どこか江原道の山奥に行かれていたというのは、銀獅子の副代表から聞きましたが……。」
「このおじさん、一体今回は何を頼もうとこんなに丁寧に前置きしてるんだ?」
「いや……。」
カフェの中。チャン・イルヒョンはジオの背後の窓際の方を指差した。
「あれが本当に見えませんか?」
ジオがその指を追って体を向けた。視線をずっと辿っていくと……。
「……マジか。」
あれは何?
繁華街方面の大型広告板。花を持った金髪の西洋人イケメンが広範囲公開プロポーズを仕掛けていた。
[ZIO、絶対に見逃さない!]
「何のCMだよ、マジで。」
すぐに税務調査入れ、あの外国人。




