71話 5.世の中は狭く、やることはめちゃくちゃ多い
#独かくライブスタジオ
[独角特集Special] (★歴代級★) 今日は伝説になるだろう (★見ないと3代後悔ボット★)
現在19,465人が視聴中 • ストリーミング開始:7分前
Nightbot✓
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タイトル煽りひどすぎwww
資本主義が生んだ怪物そのもの
見ないと後悔が子孫代々まで受け継がれるってか?
パパ、、私の名前はどうして後悔ボットなの、、?
2万人が釣られたから失敗ではないですね。この家は煽り商売が上手いね
そりゃ独角様が先日からもったいぶって、歴史になるだの何だの言うから気になって来た人も多いでしょう
兄貴が義理で一日だけ見てやるぞ、独角
今日何もなければ即損切りするからな ㅅㄱ
本当にすごいことじゃないとやばいぞ。ライブすっぽかしておいて、もっとすごいものを見せると豪語したんだから
ㅜㅜ独角様を信じてます
お、始まる
果たして
??? 独角様どこ行った?これ何?
何だよ;生放送じゃないのか?ずる賢いㅡㅡ
ちょっとこれ、パンギョじゃない?
パンギョだね。パンギョテクノバレー
マジか ㅅㅂ ちょっと待って ネ??
マジで狂ってる 兄貴 独角兄貴 これ何だよ 兄貴
3代後悔ボット認定 レジェンドを撮った
☆ジョー★様☆登★場☆
ジョー様!!
チャット欄の速度ㄷㄷ 上がる速度ヤバすぎ
~同時接続10万人突破~
[ベスト] リアルタイムで歴代級コンテンツをぶっ放したユーチューバー。 link
(匿名) │ 20xx. xx. xx.
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コメント (+30341) おすすめ 4701 反対 15
- 独角:すまない。これを見せるために煽ったんだ。。魔術師王のテラフォーミング、魔界の戦いレベル。マジか? 本当に世界観最強者たちの戦いだ。。
- [速報] 独角これ終わってチャンネル登録者数500万人達成
↳ - 人生マジ一発逆転だな
- やっぱりジョーの国 ジョー大韓民国…… 6分の動画で一人の人生すら変えてしまうとは
↳ - 知ったかぶり乙; 陛下は国内向けじゃないんだよ。外国人まで加わってるから500万人達成したんだよ。あれはランカーじゃないとあんなチャンネル登録者数絶対に出ない
↳ - 上のコメントはただただすごいって言ってるだけなのに、なんでそんなに過敏になってるの
↳ - ジョー大韓民国じゃんㅡㅡ 「ジョー球」なのに
↳ - まさか、、地球、、ジョー球、、?
- 画質と距離感がクソなのに実況で見ると、 言葉が出ないな。あれは、人ですか?マジで。
- これもMAD動画案件
↳ - もう「パンギョ無双」って上がってる
- 「ジョー」再生数何十億ビューは軽く超えるだろうな。バロック狩りのジョーのビュー数がもうすぐ80億じゃなかったっけ
- ジョー中毒とか全部抜きにしてマジで鳥肌なんだが。魔界ゲートを一人で食い止めたんじゃない?
- 正直、パンギョに銅像建てても認める? おー認める
↳ - ㅆㅇㅈ
↳ - 私たちも感謝しないと。テクノバレーにあるIT企業と情報ギルドがいくつあると思ってんだ
↳ - もう国民のサイバーマネーまで救済してくれるゴッドジョー キングジョー 光ジョー……
- パンギョ住民です。ジョー様のファンクラブ入会する方法知ってる方? 非公開会員制で運営されてるらしいんだけど、どうしても見つからない ㅜㅜㅠ!!! なんでファンクラブの敷居がこんなに高いんだ
↳ - ジョー虫があまりにも悪いことばかりしてるから
↳ - 学生さん、書き込み消して。こんなところでジョー虫を召喚しちゃダメだよ
↳ - (通報により非表示になったコメントです。)
↳ - (通報により非表示になったコメントです。)
- ハ…… 魔法使い無双マジか…… マジで生まれ変わって魔法使いキャラ作りたい。ゲームだったらすぐにメインキャラ捨てて魔法使いのサブキャラに乗り換えるわ
- 隣の席のやつ、魔侠会員なんだけど、今日肩にめっちゃ力入ってたわ。パワーショルダー装着したのかと思った
↳ - 魔法使いどももマジで面白いのが、自分たちがジョーと何か縁があるわけでもないのに、代理人、キメてるの
↳ - 何の縁もなくても韓国人だから代理人、キメてる私たちもいるじゃないですか
↳ - (パサッ)
- これ見て涙が出ることって普通だよね? 国籍ガチャめっちゃ成功したみたい。大韓民国の国民である自分がとても愛おしい (家に太極旗を掲げた写真)
- ところで、動画で顔が出てた男ってペク・ドヒョンってマジ?
↳ - 誰それ
↳ - ???インターネット今日開通したののに知らないの?ペク・ドヒョンを知らないなんて
↳ - 現在ランキング10位ですよ。バビロンS級スーパールーキー
↳ - 100億の超新星
↳ - それデマだよ。ある記者が契約金100億もらったルーキーがいるってイニシャル記事を書いたんだけど、それがペク・ドヒョンだとコミュニティで噂が広まったんだ。
↳ - なぜ?
↳ - 今回のシーズンに契約金100億もらうルーキーなら、正直一人しかいないってみんな知ってるんじゃない?
↳ - ちょっと待って; うちのチョ・ヨン姉さんを無視するんですか??
- ジョーが誰かと一緒に目撃されたのって初めてじゃない?
- 10年ぶりに側近が初登場。あいつを暴けばジョーの正体も明らかになるんじゃないか
- 側近とは、、陛下、、まさか私たちと同じHUMANだったとは、、、小人、恐れ多いです、、
- 皆さん。ジョー人間説とは。不敬すぎてとてもコミュニティを一緒に走れません。書き込みを消してください。今、ゴシック体です。
- 何の側近が初めて、表に出てるのだけ見て言ってるけど、銀獅子だけでもジョー関連の仕事をしてきた年月があるのに、知らない仲だなんてありえないでしょ。みんな知らないふりしてるだけでしょ
- いや、マジでジョーは欲がないみたい。今回のパンギョの件だけでも、私だったら大統領表彰もらって記者会見開いてVlogを何百個も撮るのに、いつも救済逃げするんだよな
↳ - それが「KING」だから (うなずき)
- 人がどっしりしてるんだよ。もともと空っぽの荷車ほどうるさいっていうじゃん。陛下ほどの地位なら、私でも物欲とかそんな些細なことにはこだわらないと思う。
- この時代の真のダークヒーロー…… 虫にはセスコ…… ゴッサムにはバットマン…… 韓国には 〉 ZIO
- どっしりしてて謙虚で、、ジョー、、あなたは、、一体
* * *
胃が痛い。
どっしりとして謙虚なジョー、キョン・ジオ(現ワールドランキング1位)はお腹を抱えた。痛恨の涙をポロポロとこぼした。
「クソ、私の残業手当……。」
マジでもったいない。もったいなくて死にそうだ。
懐から離れていった竜の卵の温もりに、心が凍てつくほど寂しかった。
「2匹ドラゴンできたのに……。」
右(右)ニーズヘッグ、左(左)ベビー妖精竜。
一瞬でも二(2)匹ドラゴン実現化を夢見た図々しいキョン・ジオが涙を拭った。
何も残せずに去っていくかと思った妖精竜。その卵が誕生したのはタイミングの魔法としか言いようがなかった。
折しもユン兄弟が掴んだ命綱が魔術師王であり、折しも心が弱くなったジョーが契約まで譲り渡し、また折しも強い契約者に出会った妖精竜が契約者の魔力を借りて遺志を残していったのだ。
妖精竜アンピトリテとの契約、そして死亡。
それらがジオに及ぼした影響は、決して小さくはないだろう。
小さくは不快な不快感から、大きくは一時的な魔力制限ペナルティまで。
しかし、最後の契約者だったため、ジオは新たな誕生を告げるメッセージも聞くことができた。
もちろん、完全に新しく生まれ変わったので、以前と全く同じ自我、同じ名前ではないだろうが……。
それでもまあ、不快感を軽減する程度にはなるから。
[あなたの聖約星、「運命を読む者」様が、楽しく、クールで、セクシーな対処そのものだったと褒めスタンプを持ってきて押します。]
「ハハッ、そうだろ。そうだろ。」
そうやって、ちょうど1番だけで済むはずなのに、聖約星が2番、3番までお世辞を言いながら帰っていく途中。
ずっしり、ジオの足が止まる。
家まであと少しの道だった。住宅街近くのカフェの中、見慣れた人影が見えた。
「な、何……あれは何だ!」
衝撃を受け止める暇もなかった。和やかに会話をしながらカフェから出てくる二人。
ジオはさっと路地裏に身を寄せた。
通り過ぎる人々が怪訝な顔で見てきたが、ただ私は電柱だ、というマインドで体を隠した。
「じゃあ、韓国にもう数日いるのは間違いないんだね?」
「うん。時間を作るのは難しくなると思うけど。会えなくても私がここにいるだけで嬉しいでしょ?」
「……何言ってんだ。そんなこと言ってないから。」
「照れてる?」
「そんなこと言ってないって、クソ野郎。」
シニカルにキョン・グミが言い放った。とにかくまあ、それならいいと言い、別れの挨拶もなしにそのまま体を翻す。
くるりと振り返ったその動きに合わせて揺れる細いチェーンネックレス。
彼は目に見えないよう笑った。
「またね。」
そして。
トボトボ、トボトボ。
「何してるの?」
壁を突く腕。
自然に見下ろす構図になる。頭上に垂れ込めた影にジオが顔を上げた。
影の中で光を放つ、狼の灰色の瞳。被っているのは狐の毛皮。
グイード・マラマルディが笑った。
「かくれんぼ?」
「……。」
「今日は君に会いに来たんじゃないんだけど。それでも……嬉しいよ、会えて。」
いかにも親しげに上体をかがめる。
彼が羽織っているシャツのサラサラとした感触と、イヤリングに埋め込まれた宝石が何であるかまで確認できる距離だった。
両腕の中に閉じ込めた女。
気に入った。
キッドがさらに体を近づけた。
ジオは一瞬ドキッとした。うなじに彼の息遣いが感じられた。
浅く息を吸い込んだ彼が呟いた。ねっとりとした声だった。
「病院に行ってきたの? 体から痛い匂いがプンプンするね。……ここだけを除いて。」
ここだけ違う匂いがする。
そのまま滑るように傾く顎。
刹那だった。反応する間もなく唇がかすめるように触れたかと思えば離れていく。
キッドが囁いた。
ハッカ……。
「ハッカの匂い。」
目を合わせながら笑う。
「……狂ってる。」
「ああ。狂人曰く、今度からはこんな姿勢でじっとしてちゃダメだよ。」
睨みつけるその顔をキッドは片手でそっと握ってみた。このまま力を入れたら粉々に砕けてしまいそうだが……。
「ダメだよ。」
彼の心臓が泣いていた。
久しぶりに聞く自分の心臓の音だ。
キッドはジオの耳たぶをそっと撫でた。うーん、こいつ耳たぶも可愛いな。
「離さないの?」
「俺を見ると気分がおかしくなるのはわかるけど、それを全部抜きにして……君は女で、俺は男で、俺たちは異性関係じゃないか。違う?」
「クソ野郎に性別があるかよ? この変態クソ野郎。」
「むくれるな、ダーリン。どうせしばらくは会えないだろうから。」
触れていた体が離れる。踵を返すギッドの背中にジオの声が響いた。おい。
「お前、グミとどういう関係だ?」
グイード・マラマルディは振り返った。
唇、耳たぶ。スキンシップ混じりのあらゆる口説き文句をぶち込んでも、微動だにせずに見つめてくる顔がある。
彼に気になるのはそれだけだという表情で。
「ひどいな。」
「……闇仲間?」
「何言ってんだ?」
さあ。意味不明な言葉と笑顔を残して、悪役はそうして消えていった。




