47話
バベルネットワーク - ワールドサーバー
《新規ランキングアップデート!》
《新しいランカーたちがランキングに続々参入します!》
バベルネットワーク - ローカルサーバー
[国家 大韓民国 ━ バベルの塔 第40回チュートリアル最終終了。]
[バベルの塔 階層別入場制限が解除されました。]
[ローカルランキングが大規模アップデートされます。]
始まりはバベルネットワーク、ワールドアラーム。
そして相次いで鳴り響くローカルチャンネルアラームまで。
韓国バベルの塔、第40回チュートリアル最終終了。すべてそれに伴う結果報告だった。
皆何度も見てきたせいで慣れるほど慣れてしまった、だから大したことないように軽く一度見て通り過ぎるメッセージたち。
しかし今日は違った。
慌ただしく道を歩いていた人々の足を止め、また各自仕事に集中していた人々の注意を呼び起こしたのは。
すぐに続いたファンファーレの音。
バスの中の誰かが呟いた。
「マジか......」
鐘でもなく、バベルでラッパが鳴る時はただ一つの場合だけだ。
バベルネットワーク
[おめでとうございます、韓国!]
[国家 大韓民国にS級覚醒者が誕生します。]
[ローカルランキング ━ 最上位10位圏 新規初進入!]
折しもバスが彼らが降りるべき停留所に止まった。
パタッ、スリッパが床を踏みしめた。
江南大路の横断歩道前。皆が一つの場所へ向ける視線。
ジオの視線も自然と彼らを追った。
降りるや否や見えた正面の電光掲示板のニュース速報。
そしてその後ろ、空へそびえ立つ黒塔と塔の黒い外壁を包んだ魔力文字。
「マジで何なんだ......? 五番目のS級誕生も驚きなのに、デビューするや否や天上界進入とは。」
「おい、おい、これ魔術師王以来初めてじゃないか?」
「え?まさか。バンビと夜食王がいるじゃん。あいつらも最初の順位すごく高かったのに。」
「違うよ。」
チェ・ダビデも、バンビも、ファン・ホンも皆最初の進入順位は10位圏外だった。
すでにその時は1世代と2世代覚醒者たちが全部ランキングに落ち着いた後のことだから。
だからこれは彼女がデビューして以来、「初」が正しい。
ざわめく市民たちの中でジオは目に魔力を加えた。バベルの塔を見つめた。
[Rankings] ローカル ━ 大韓民国
《 1 》 ジョー • 非公開 -
《 2 》 ウン・ソゴン -
《 3 》 アルファ • ジョン・ギルガオン -
| 4 | 白い鳥 • ハヤンセ -
| 5 | バンビ • キョン・ジロク -
| 6 | 夜食王 • ファン・ホン -
| 7 | 虎 -
| 8 | ダビデ • チェ・ダビデ -
| 9 | ギュニギュニ • キム・シギュン -
| 10 | ペク・ドヒョン NEW!
「ヒュー。まさしく超新星誕生だな。」
見た目とは違って最初からすごく熱いな。やっぱりおとなしそうに見えても回帰者は回帰者ってことか。
あの時体の使い方を見た感じでは一目置くようだったけど、これはジオの予想をはるかに超える水準。
「ペク執事のやつ、思ったより大物だったんだな。」
うーん。ううむ。若干千年の情が冷めるんだけど......
急に初めて会った時の衝撃が思い出されて気分が悪くなる。
キョン・ジオの顔色が急激に曇った。持病であり不治の病である面倒なことアレルギー反応だった。
「ウッ......あの失敗ウンニャンウンニャンタイトルが思い浮かぶ。」
火星での監禁期間が終わったらアイスクリームスプーンでも持って訪ねて行こうかと思ったすべての意志がぼんやりと消え去った。
好感度ゲージ 急降下。
株式投資家が見たら、こ、これは一体どうしたことだと驚愕するほどの暴落だった。
「やっぱり人は第一印象だよな......」
第一印象が悪かったやつで良かったやつはいない。
「どうして?お姉ちゃん、知り合いなの?」
「違うよおおお。全然。初めて会う人。完全に、ジオ、知らない人。でもすごく嫌な感じ。すごく面倒くさそうなスメルぷんぷん。」
グッバイ、ペク執事。アディオス!
しらじらしいキョン・ジオがこれまでのすべての縁を否定した。きれいに畳んでひらひらさせた。
断固たるその否定にグミが電光掲示板をもう一度見つめた。
「そうかな?印象すごく良さそうだけど。晴れ晴れとした綺麗な景色。 久しぶりに他人にイケメンだと感じたのは久しぶりだ。」
「違うよ。近くで見たらきっと目がすごくキラキラしたワンコみたいで嫌な感じだよ。」
「......?」
「そばにいたらなんかちゃんと生きなきゃいけないような気分になるし、一生懸命生きなきゃいけないような気分になるし......何それ超怖い。とにかくやっぱり嫌。うん。」
......それすごく良いことじゃない?
姉を見下ろすグミの顔が気まずかったが、ジオは一人真剣だった。
何度かコクコク首を縦に振り続け、ぶつぶつ呟いて。
「あ!」
感嘆詞を叫びながらポケットをまさぐった。
あれがインベントリを開ける行為だとグミも分かった。キョン・ジオはポケットに物を入れて持ち歩かない人間だから。
「さっきあげようとしたのがあれのせいでタイミングを逃したな。はい、これ。」
「何これ?」
「持ってて。いや、つけてて。アクセサリー着用、学校にその何だ、校則に反するかな?違うな。反しても付けてね。」
チャラチャラ。
キョン・グミは渡された物を持ち上げてみた。指の間をネックレスが線を引いた。
細い銀色のチェーンネックレス。
装飾としてはコインほどの大きさの小さなペンダントが付いていた。
詳しく見てみると......何やら文字が刻まれているようだが。
「何て書いてあるの?ルーン文字かな?」
「それよりもはるかに古い文字。」
行き交う車両たち、笑って騒ぐ人々。
日常的な都市風景を見つめながらジオが詠んだ. 静かで淡々とした声で。
「[汝は我として、我は汝としてここに見て。互いを危機と苦難から守り。] 」
「......」
「[死の前にあっても決して目を背けはしない。] 」
「......」
「昔々、三つ子の古代神の誓いだったそうだ。だから戦争の中でも同じ日に一緒に旅立つことができたと。」
「ああ......」
「してくれるよね?」
いつの間にか手の中にネックレスを握っているグミ。
答えはそれで十分だった。
ジオはキョン・グミ 近づいて行った。かかとを上げて立ってこちらに身をかがめる末っ子の首に三戒命をかけてあげた。
[本アイテムは着用時、永久帰属されます。]
[該当ユーザーに指定しますか?]
[聖なる者との三戒命]
[- Third User: キョン・グミ]
「情報ウィンドウ出た?」
「うん。」
「グミ、君が嫌がるから言葉だけで何でもしてあげる、みたいなことはもう言わないよ。代わりに本当に危ないと思ったら、え?」
「分かった。これ壊せばいいんだよね?」
「そう。」
もちろんそんなことは全くないのが一番だけど。
保険をかけておいて損はない。
誰が何と言おうとこのバベル時代。
私たちはあんな奇怪な黒い塔が空を覆い、昼間でも星が浮かんでいる奇妙な世界で生きているのだから。
横断歩道の信号が変わる。緑色。
ジオは背伸びをしながら手を差し出した。自分よりもずっと大きくても、まだずっと幼い妹に。
「行こう、うちの末っ子。お姉ちゃんとご飯食べに。」
* * *
審判の剣座よ。
悪から秩序と正義を守る星の眷属となった者よ......!
どうして聖なる誓いを破り、汝の星を見捨てようとするのか?
■■■の時計は貴様のために用意されたものではない。
「見捨てたことはありません。■■■も同意しました。■■■■よ。」
愚かだ。
貴様はまだ失敗していないのだから、帰って使命を果たせ。
「失敗の基準は何ですか?使命は何ですか?私には何も残っていません。」
審判せよ。
「ふざけたこと言うな、クソ!審判?私が断罪したり守り抜かなければならなかったすべてのものがすでに過ぎ去ってしまった時間の中にある!だからこんなクソみたいな様子を見ながらここまで必死に這い上がってきたんだ!」
残された使命を果たせ。
「黙れ!残ったのは後悔と憎悪だけだ!お前こそやるべきことをやれ!■■■■!」
何も残ってない。
何も残ってないんだ、私は......
「度胸がいいな。居眠りまでして。」
ギイ。
鉄製の椅子が床を擦る音。
ペク・ドヒョンは閉じていた目を開けた。明るい照明が先に見え、順番に......
「五番目のS級だからってことか?未練なんてないってことか。形式的でも面接は面接なのに。」
「......」
「まあ、ただの五番目じゃないからな。」
初進入で10位とは。
は、これは俺もできなかったことなのに。
「言葉がないね。どうして?」
「......」
「キョン・ジロクと一対一で対面したい......そう要請したのはそちらじゃないですか?」
嘲笑うように笑う特有のシニカルな笑顔。
くねくねした黒い癖毛、独特な唇のホクロ。
自分の領土を確保した若い支配者というよりはむしろアンダーグラウンド退廃ロックバンドのビジュアルボーカルの方に近い顔。
しかし目の前のこの青年こそ韓国5大ギルドの首長たちの中で最も若いリーダー。
〈バビロン〉のヤングボス、キョン・ジロク。
「望み通りに来てあげたじゃないか。ここに、こうして。」
そして帰還前の彼は......
ペク・ドヒョン、彼のたった一人の義兄弟でもあった。




