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469話

「ハンターパッチ」 ブライド・ウォー D-1 裏話あれこれ



1. 歴代級の売上を記録したバベルトト、アウサル(どうせ優勝はサロメ)で決まりかと思いきや、やはり早合点は禁物?彗星のごとく現れた我が家のS級夜叉!



もはや鉄板予想はなくなった。


泥沼の戦いが濃厚になるこの時点で、賭け事好きなら一番気になるあの男、トップランカーJ。


しかし彼をよく知る側近の話によると、運が良いことで有名なJが今回ピックした候補は、ドラゴンドでも夜叉でもないとか?



2. 女装参加という破格の行動で全世界を騒がせたイギリス出身のハイランカーR。



このニュースを聞いたRの元恋人が暴露を準備中だとか…そしてそのスキャンダルの相手は、ずば抜けた美貌と実力で圧倒的な人気を誇る韓国のトップランカーG君?



3. 秘密裏に新居を構えたという噂以降、再び目撃談がキャッチされたランカーH君と超新星Nさん。おしどり夫婦のようにぴったり寄り添っている二人の姿に、もはや公認の仲ではないかと関係者たちも噂しているとか



4. 世紀の花婿ランカーB、彼の隣の席を射止めようと全世界から花嫁候補たちが押し寄せているのに、あまりにも無関心に見える花婿候補。この歴代級のイベントは実は彼の密会相手を隠すための煙幕だという噂も…?



9. いつも話題を呼ぶワールドスターアイドルLさん、今回は車の中で死体が発見されたというニュース。しかし変死体の身元がどうしても特定できず、一部ではかまってちゃんで有名なLさんの自作自演ではないかという疑念も持ち上がっているという噂。



- 何が裏話あれこれだよ、ただの証券街のチラシのパクリじゃん


- パパラッチにチラシに、本当にgazigazi


- もう、どうでもいいから、ジョン・ギルガオンは誰を選んだんだよ!!!!!!


クォン・ララの車で発見された変死体一体。

なぜそこにいたのか、どうしてそうなったのか誰も知らなかった。


血まみれになった車の中の様子とは正反対に、水分一つなく干からびたミイラのような死体からは、何の証拠も痕跡も得られなかった。



「これはダメですね。完全に空っぽです。文字通り、ただ空っぽなんです。血液も、魔力も何も残っていません。」


現場でできることはもうない。

国科捜研に送り、詳細な鑑定が必要だと科学捜査隊は舌打ちした。


「珍しいこともあるもんだ。」


ポリスラインが張られた後ろ。

ジオと一緒に遠くから現場を見守っていたジョン・ギルガオンが呟いた。


「使えるかどうかは別として、普通は付いているはずの魔力が………………」


覚醒者であろうと非覚醒者であろうと、全ての人に付いているのが魔力なのに。


個人から生じる「霊力」や「聖力」とは根本的に異なっていた。


魔力の基本範囲は「世界魔力」。


存在を悟ることによってその力を使えるかどうかの違いがあるだけで、その力は常に傍に存在し留まりながら、万物の重要な部品の一つとして世界を支えている。


だから完全犯罪など、もはや昔の話。


固有魔力の痕跡を除去するアイテムが闇市場に出回っているが、その除去効果を除去する装備も存在する、というのが現代魔道工学の現状だった。


「ジ- コホンッ。お前も何も感じないか?」


習慣的にジオを呼びそうになったジョン・ギルガオンが、周囲を意識して慌てて呼び方を変えた。


「さあ、どうでしょう。」


ジオはそっけない顔で答えた。もちろん…………。


「そんなわけないだろ。」


感じないわけがない。


極少量と呼ぶのも申し訳ないほどの量だが、誰を騙せるだろうか。めちゃくちゃよく感じられた。あまりにもよく。


だから……問題といえば問題。


「…ハ、マジで狂いそう。」


キョン・ジオ、二十年の人生、生きてきて今ほど表情管理に力を入れたことがあっただろうか?


「悲しいことを考えるんだ、悲しいことを………ポーカーフェイス絶対死守。」


肝に銘じろ、キョン・ジオ。


ここで一歩でも間違えたら、そのまま地雷、食物連鎖逆転ボタン直行だ。


「どうしたんですか、戦略的提携パートナー様。どこか具合でも悪いんですか?」


「えへへ。全然?へへへ。私は~幸せです。幸せです〜。」


ある野球チームのファンたちのように菩薩のような笑顔を浮かべたジオが、さらに平然を装って鼻歌を歌いながら腕を組んだ。


よりによって隣にいるのは、忠誠心ゼロで計算力MAXのこの界隈の一番の商売人。



現在、このジョン・ギルは「おとりとしてクォン・ララを使い、敵がおとりにかかれば直接潜入していたキョン・ジオが一網打尽にする」までしか知らない状態だった。


ところが実はその敵はこの身のアバターたちで、奴らを始末するには殴り合って戦わなければならないから、フューチャーショーはおそらくめちゃくちゃにめちゃくちゃになるだろうと打ち明けたら••••。



「百パーセント打ち切り確定!」


虎から聞くに、フューチャーショーのためにジョン・ギルガオンが引っ張ってきた(会社のお金以外)自身の私財だけでなんと60億ドルだと言った。


バレたら終わりだ。


「×バ••••••悲鳴が聞こえた時、知っている声だと慌てて駆けつけなければよかった。」


ララ・クォンは私の仇…!


夜叉 in the War!が出た時から、あ~今日はついてないな~と悟って帰宅していればどれだけよかっただろうか?



「そうすればアリバイでもできたのに!」


そうだ。

身元不明のミイラに、埃一粒ほど残っているあの慣れ親しんだ••••慣れ親しんでいるという言葉ももったいないほどの魔力••••••!


「間違いなく私のじゃないかあああ・・・!」


『最高管理者。バベルが間違っていたと謝ったのに••••このような危機的状況でも相談なしに単独行動をなさると、少し困り-』


「私じゃないって、クァクさん。空気を読めよ?」


こんな卑怯な偽物たちを見たことがあるか?


誰の分身たちでもないのに、手口がとても悪賢くて卑怯- 徹底的に容赦がない。


最初からこっちに社会的抹殺への近道を敷いてくれるとは?


「うっかりしたらそのまま殺人犯になる。」


「いや、本当に顔色が悪いけど。もしかして気分が悪い?それでも見た目は二十歳の赤ちゃんなのに、このおじさんが配慮が足りなかったかな?」


「あの、おじさん。見た目だけが二十歳じゃなくて、マジで二十歳なんです。そうじゃなくて…………ただ、手ごわそうだと思って。」


「ああ。」


ジョン・ギルガオンがちらっとジオを振り返った。


いつの間にか再び落ち着きを取り戻した幼い顔がそこにある。


チェ・ダビデの参加で一瞬動揺はしたものの、これは暇つぶしのゲームなどではなく、ちゃんと敵が存在する戦場であることを忘れてはならないから。


事件発生後から時間がかなり経ったにもかかわらず、現場を離れずに騒ぎ立てている人だかり。


騒がしくて複雑で、さらには姿まで隠していたが、魔法使いの目は簡単にその中から望む顔を区別した。


ナ・ジョヨン、ファン・ホン、白鳥、


そしてチェ・ダビデ………………


視線が短くはない時間留まってから離れる。


ジョン・ギルガオンはどこを見ていたのかとわざわざ聞かなかった。勘が良く社交性も高いこの男には、それくらいは基本的なマナーだった。


代わりにジョン・ギルガオンは別のことを聞いた。


「あの文句。どういう意味か知ってるか?」

「……」


ジオは彼が顎で示した方を見た。

ポリスラインの向こう側だった。


ドアが開いた車の内側とアスファルトの地面にまたがって、赤い血で書かれた一文。

「ああ。知ってるよ。」


Cry 'Havoc!'and let slip the dogs of war.

‐ 「破滅を叫べ!そして、戦いの犬たちを放て。」-



かつて恋人のものであり、今は星座の所有物となった図書館。


全知全能のライブラリー。

もう一つの名前は「アカシックレコード」。


全ての記録を引き出して使うその能力の効率的な使用のために、化身時代のキョン・ジオは、神話と伝説を勉強することだけは怠らなかった。


だから知っているしかない。


ジュリアス・シーザーJulius Caesar。

帝国を作った、ローマの偉大な征服者。


「カエサル」の最期で、大文豪シェイクスピアがこれから訪れる血と暴力の時間を予告して書いたあの台詞を。


「その意味は.......?」

キョン・ジオは無表情に赤い文字の警告文を見つめた。




☆☆☆


「破壊せよ。戦争の犬たちを放て。」


低く響くハスキーな声と共に空間が一変する。



チャラララララック-

どこからか聞こえてくる本のページをめくる音。

目を瞬くと再び「現実」だった。


「…ゴホッ!」



自我を持つアバターとして、本神と強制的に繋がる感覚はあまり愉快ではないが、今回だけは例外。


そうでなければ「時空の向こう側」から抜け出すことは容易ではなかっただろうから。



ザーーーーーー!

黒赤く染まった洗面台が真空に吸い込まれるように、あっという間に綺麗になる。


洗面台を掴んだまま男は鏡に映った自分の姿を点検した。首に残っている手の跡が鮮明だった。


やはり「古いもの」・・・・・・。

侮るべきではなかった。


大幅に削られている精神力に、思わず作り笑いが出た。いや、無防備な状態でそれと向き合ってこの程度なら、まだマシな方か?


「手荒いな。」

容赦がない。


大人しくしているとは思っていたが、大韓民国、その領域を踏むや否や押し寄せてくるとは想像もできなかった。


「もしかしたら過小評価しすぎていたのか?」



トントン。

- 「大丈夫ですか、ドンDon?外で皆が待っています。」

「ああ。出る。」




☆☆☆



「おい、高等生物!大丈夫か?」


「……離せ。気持ち悪い。」


いくら本人にその意思がないとしても、一応「審判者」は、世界が指定したキョン・ジオの対抗者だ。


変数は予測不可能なので、傍で密着監視する方が良いだろうという番人の親切なアドバイスによって誕生した•••


2人1組の根拠のない組み合わせ。

監視者ジン・キョウルがうんざりしたように手を払った。


「少しは離れろ。お前と組むのがなぜよりによって私なんだ。」


「仕方ないじゃないですか。事情を全て知っている人がごく少数なんです。誰が好き好んでこんなことしてると思ってるんですか?」


監視対象ペク・ドヒョンがぶつぶつ言った。



「とにかく心配してやっても恩を-••••え?ちょ、ちょっと待ってください。あなたの手がどうしたんですか?」


ジン・キョウルは神経質そうに髪をかき上げた。


粉のように崩れていく彼の手を見て、ペク・ドヒョンが気絶しそうな顔で指差したが無視したまま。


時空間の向こう側を彷徨っていると、格が少し崩れることもあるだろう。


彼には大したことでもなかった。

それよりも。


「首をへし折ることができたのに。」


本当に紙一重だった。

ジオの計画通りに合わせてやることにしたが、ただ手をこまねいて遊んでいるつもりもなかった。



キョン・ジオが外に出た間、太古の悪魔は沼のワニのように時空間の向こう側に染み込んでいった。


無形の非物質として静かに沈殿し、感覚と存在を消して漂いながら、見えない敵の痕跡を探してそう•••。


そしてもう少しで捕まえそうになったのに。


「逃したか。」



ジン・キョウルの眼差しが冷たく沈んだ。


根源と破片は厳然と別個の存在。

究極に近い「格」であるほど、その隔たりはさらに激しい。


自我、性質、意志、目的など、どれ一つ重なるものがなく、むしろ衝突することの方が頻繁。


「それを誰よりもよく知っているのに•••••。」


油断はしなかった。

勘違いもしなかった。


奴の権能が思ったより手ごわいのも確かだ。

しかし目の前で獲物を逃したのは、ただその理由だけではなかった。


キョウルのように恐ろしくて残酷な男を弱くするのは、常に決まっている。


殺そうと時空の隙間をこじ開けて首を絞める瞬間、出会ったあの黄金の瞳。



それは彼が世の中のどんなものよりも大切にし、愛しすぎて、彼自身を破壊するまでにした恋人、キョン・ジオのものだったから。


「…容易ではないだろうな。」


まだ感触が鮮明に残っている手のひらを、ジン・キョウルが固い顔で握りしめた。




☆☆☆




遅い時間。


ティモシー・リリーホワイトはある男と向き合っていた。


数日間、独断的な行動で消息を絶っていた彼の親友、ルーカス・マローンが解決策だと言って紹介してきた人物だった。


自分よりもずっと体の大きい男たちを後ろに従えた黒髪の青年。


体つきは細身で、病弱そうな顔つきだったが、眼差しだけは飢えたオオヤマネコのように獰猛だった。

とても奇妙な感じの男だ。


色々なものが混ざった複雑な感想を抱いたが、一つだけはその正体がわかる。



既視感。

「どこかで会ったことがあるのか.....?」


ティモシーは食い入るように彼の目元に刻まれた二つの涙ぼくろを見つめた。


「「ティモシー、挨拶しろ。この方は私が言っていたイタリアとアメリカ、コサ・ノストラCosa Nostra連合のその全体を率いる方だ。」」


「話はよく伺っています。はじめまして。ドンDon ジョ車ニ。」」


「「こうしてお会いするとは。」」


ゆっくりと握手する二人の男。


そしてそれと同時だった。


ソウルの上空にそびえ立つ巨大な一筋の光!


そのまま伸びていき、曙光が開かれた空まで繋がる。その形は巨大な十字架の形をした神聖な聖光の柱。



聖域聖域。


「クルセイダー」の9階級聖霊スキル、「サンクチュアリ」の発動だった。


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