451話
キョン・ジロクはゆっくりと目を覚ました。
「ここは••••••」
「••••家？」
いつ帰ってきたんだ？
見慣れた風景に目をぱちくりさせていたキョン・ジロクは、のろのろと体を起こしかけて、はっと止まった。
体のバランスが崩れていた。
微妙に変わった視界から、敏感すぎて痺れるような感覚細胞まで。
長い時間をかけて調整したものがめちゃくちゃだ。
「なんだ...ステータスウィンドウ。」
[AWAKENERSTATUSI]
・名前：キョン・ジロク[塔の先鋒]
・登録名：バンビ
・年齢：20歳(12.31)
・等級：S級(戦闘系-魔力特化)
・ランキング：World5位|Local3位
「・・・？」
ランキングが…………とりあえず置いておこう。
キョン・ジロクの視線がさらに下に向かった。
・性向：危険を冒す排他的な征服者
・所属：惑星アース-大韓民国
・下位所属：バビロン|ギルド長
・聖位：森と月の若い主人[唯一真眞化身-寵愛の月ハンター]
・ファーストタイトル：神殺しの槍槍(M)
・セカンドタイトル：万病之王萬兵之王(L)
・固有タイトル：シスコン、星座の月、不可能を嘲笑う者、欠乏した双生、狩りの君主、永遠のボス、最多他種族、塔性愛者、戦闘狂、王弟、黒王子、歪んだ英雄、冷笑主義者、スピードレーサー、魔性の銃士、東洋の関羽、桃花殺、バベル1軍アイドル、花鹿、泣き虫、親孝行、儒教ボーイ、四大天王、ゲームチェンジャー、攪乱の無法者、昇天挑戦者、セクシーダイナマイト、逆鱗……………(もっと見る)
+身体詳細情報
・状態：良好
・[体力：最上(最上)][魔力：最上(最上)][耐久：最上(最上)][敏捷：極上(極上)][筋力：極上(極上)][知力：上下(上下)][魅力：極上(極上)][意志：最上(最上)][幸運：中上(中上)]
・魔力回路：20等級/Lv.20(M?x?)
・成長進捗度：??
・永続刻印：雷霆、獅子心New!
・総合能力値：S級
+保有能力
I.適業総合スキル(120)
II.基本スキルリスト(308)
III.強化スキルリスト(1217)
IV.補助スキルリスト(14)
V.聖位固有スキル(9)
+その他の特性
-クエストリスト(3)：[超越]-進行中
(専用超越クエスト-12昇天課業を進行中です)
[新しいお知らせが5件あります！]
-[第1業|獅子の心臓]を克服しました。
-試験官が最初の課業の通過報酬として獅子心(永久)を授与しました。
-[第2業|毒の克服]を非常に成功裏に克服しました。
-2番目の課業の通過報酬として万種類の毒に対する免疫を獲得しました。
-遂行中のクエストに獲得した報酬が反映され、覚醒者の身体および格が最適設計で再構成されます。[進行中：97.6%]
(Max)と表示されていた魔力回路のレベルが壊れており、成長進捗度も削除処理された。
しかし、ログをすべて確認すると、否定的な方向の変化ではない。
全体的な体の状態も、長い間溜まっていた眠気を解消したかのようにすっきりしていた。
それでも………….
「こんな体ではすぐに戦闘は難しいだろうな。」
習慣通りに魔力回路を回してみると、不快なほどスムーズに回転して見慣れない。
例えるなら、エンジンとチューニングを新しく交換したスーパーカーのようだ。
慣れるには少し時間がかかりそうだ。
わずかにずれた視界のせいで足を踏み外したキョン・ジロクは、舌打ちをしてドアを開けた。
親しみやすいチゲの匂いとともに、台所に立っている背中がすぐに見えた。
「お母さん。」
「あら？あら！息子～起きたの？」
「うううん。」
「あらまあ、頬が白くてとてもよく眠った顔ね。可愛いわ、うちのバンビ。いい夢見た？」
「ああ、やめてよ！これやめろって言ってるのに。」
上半身までかがめて母親に大人しく頬を差し出していたキョン・ジロクは、お尻を叩く手を慌てて避けながらうんざりした。
「はいはい、分かったわ。お腹空いたでしょ？ご飯食べないと。よく寝てたから起こせなかったわ。すぐに新しいおかず作ってあげるから。ちょっと待って、て。」
「いいよ。適当にあるもの出して食べるから。手間もかかるのに何のために。ところで、お姉ちゃんは？」
「まったく、目を開けた途端にお姉ちゃんの話。」
パク・スンヨが舌打ちをした瞬間だった。
「あら？息子！あらまあ、うちの息子！ついに起きたの？」
様々な園芸装備が入ったかごを放り投げるように置いて、キョン・テソンが駆け寄ってきた。
「今か今かと起きるのを待っていたら、ちょっと庭に行ってきたらちょうどその間に起きたんだな！コンディションは、うん？大丈夫か？」
キョン・ジロクは思わず吹き出して笑った。
星間黒層海で死の直前の走馬灯を経験した。
その過程で彼は卵から孵るように、前回のすべての記憶を回復した。
もう本当に「すべて」を記憶している状態。
おかげで、うっかり再会した前回とは違って、ある記憶があまりにも鮮明だった。
例えば、幼い頃に俺たちのそばを早くに去ってしまった父の姿のようなものが••••。
だから会うと気まずいのではないか、そんなことも考えた。
しかし、やはり杞憂だったようだ。
目に涙をいっぱい溜めた姿を見ていると、ただ、笑みがこぼれた。
「父さん。」
「ん？」
「ただ。会いたかっただけ。」
「........」
キョン・テソンが改めて息子を見つめた。
一ヶ月離れていただけで、なぜか息子がぐんと成長してしまったような気がした。
手を伸ばすと、キョン・ジロクが頭を下げてくれる。
「こいつ•••••。」
妻に似てくねくねした髪を優しく撫でていると、キョン・テソンはハッとした。
ん？
「ところで息子。少し背が高くなったような気がするんだけど？」
「背？」
「本当に大きくなったよ。少しだけど。」
「う～気持ち悪い。そこでさらに大きくなるって？外で一人で何食べてるのよ。」
靴の土を払って入ってきたキョン・グミがうんざりしながら通り過ぎた。
キョン・ジロクは少し悔しくなって振り返った。
自分は成長期だと言って、会うたびに豆もやしみたいに育っているくせに•••。
そして、そんな彼の前をまたスッと通り過ぎていく人影。
「育たないと、じゃあ。当然でしょ。本家が適当なものを食べさせたと思ってるの？獅子の心臓にも等級があるんだから。太っ腹に特上級のA5ランクの獅子の心臓を入れてあげたのに、育たないなんて良心がないでしょ！」
ぶつぶつ。ぺちゃくちゃ。
子供用麦わら帽子を深くかぶってパク・スンヨに向かうバハムートの姿がナチュラルそのもの。
「王ママ。ここ。コチュ、サンチュ、トマト。」
「ありがとう。あら～よく選んできたわね。ほら、やってみれば上手くなるでしょ？王ママが美味しいキムチチゲを作ってあげるから、バハも早く手を洗って座って。」
「・・・。」
「悪バハ！リモコン持たないで手を洗いなさいって言ったでしょ！」
「………キムチチゲ辛い。嫌だ。バット王ママの手がもっと辛い。」
バハムート、いや、悪バハが肩をしょんぼりさせたまま浴室に入っていった。
キョン・ジロクは深刻な表情でその様子を見つめた。
なんだ？
「俺いったい…………どれだけ眠っていたんだ？」
ちょうど悪バハがつけていったテレビからニュースが流れてきていた。
ランキングニュースだった。
[Rankings]ローカル-大韓民国
《1》ジョーㆍキョン・ジオ
《2》ウン・ソゴン-
《3》バンビ・キョン・ジロクup2
|4|白鳥・ハ・ヤンセdown1
|5|アルファ•ジョン・ギルガオンdown1
|6|夜食王•ファン・ホン-
|7|ペク・ドヒョンup2
|8|チェ・ダビデ-
|9|虎-
|10|ギュニギュニ•キム・シギュン-
[Rankings]ワールド-全体
《1》ジョー•キョン・ジオ
《2》ティミ•ティモシーAリリーホワイト-
《3》バッド・リオ•バッド・ムーン・リオグランデ・ソサ・ナシメントup7899
|4|ウン・ソゴンdown1
|5|バンビ•キョン・ジロクup6
|6|ミスルトdown2
|7|白鳥•ハ・ヤンセdown2
|8|アルファ•ジョン・ギルガオンdown2
|9|ネバダ・ハイデール-
|10|トゥン・ヨハン-
「なんだ。」
キョン・ジロクの眉間にしわが寄った。
ランキングに変動があるということは、さっきステータスウィンドウを見て知っていたことだが…….
「9位？」
絶対不変だった虎の7位が崩れた。
順位圏からキッドが姿を消し、どこかの外国人が歴代級のパフォーマンスを披露していたが、そんなものは目に入ってこなかった。
彼が記憶している限り、虎が「7位」の座を崩したのはたった一度、銀獅子が死亡した時。
もしかしたらそれに準ずる事件が起こったのかもしれないことだった。
すぐに確認しなければ。キョン・ジロクが険しい顔で玄関に向き直った瞬間。
「な、なんだ？！」
「バ……………バンビイ………………」
「なんだ、これは！モンスターか？」
思わず声を荒げたキョン・ジロクは、びっくりした胸をなでおろした。
ここにいることにも気づかなかったほど微かな存在感！
やつれたキョン・ジオが幽霊みたいな姿でふらふらしていた。いや、ガソリンスタンドの空気人形か？
「なんなんだ、クソ？どうしてこうなったんだ？ちょっとどこかに行ってきただけなのに、なぜいつもこんなことになっているんだ！」
「バンビイイイイ……………。」
「ああ、ちっ、ちっ。あいつ。私がその仇を見て老けるんだ、老けるんだ。お姉ちゃんを連れて食卓に座りなさい。食いしん坊が二日も好きなご飯も食べなかったんだって。」
どうりで口では息子、息子と言っても、並べられたおかずのラインナップは全部キョン・ジオが好きなご飯泥棒ベスト11で構成されていたんだ…….
キョン・ジロクがキョン・ジオの後ろ襟を掴んだ。
話したいことが山ほどあるのに、こんな姿では。
「お前の足拭きはどこにいるんだ？なぜ見えないんだ？」
キョン・ジオの顔がさらに憂鬱になった。
寂しげで物悲しい眼差しで遠くを見つめる。
「あいつは………行った…………」
「え？行く？朗報ではあるけど、どこに？」
「今頃……………アメリカ？」
「アメリカ？」
「石膏大罪ワールドツアー中だって………。」
「え？何言ってるんだ。はっきり言え。」
「お兄ちゃん知らないの？義兄さんが大事故を起こしたんだって。」
どんどん怒りがこみ上げてくるキョン・ジロクの様子に、結局キョン・グミが代わりに答えた。
「ジオに知らないふりして別の家庭を持ったりしたんだって。お姉ちゃんの面子があるから、国民に謝罪くらいは受けないとって私たちみんな同意したの。昨日アジアを全部回って、今日からアメリカを回るはずよ。そうでしょ、お母さん？」
「もうニューヨークに着いた頃かしらね。キョン・ジオ、あなた。お母さんの言うことよく覚えておきなさい。ジン・キョウルが帰ってきても当分の間は別室で寝て、態度もよく見ておきなさい。この人が心から反省しているのか、そうでないのか。」
「でもジン・キョウルは、眠れないで歩き回っているみたいだったわ。記憶喪失の話もしていたし……。」
「え？あなたまた私に内緒でキョウルと電話したの？」
「自分の話を聞いてくれとあまりにも頼むから」
「このお人好しめ、まるでドラマを撮ってるみたいじゃないの？世の中に記憶喪失なんてあるわけないでしょ？あなた本当にそんなに純粋すぎてこの世の中をどうやって生きていくつもりなの？」
「嘘じゃないと思ったんだけど……………」
「いいわ。ジン・キョウルも図々しいわね。もともと人は直して使うものじゃないのに、自分だから機会を与えたのに、一番扱いやすいやつを捕まえてそそのかすの？人を見る目がなかったわ。」
「お母さん。義兄さんがニューヨークでは何を買って帰ればいいか聞いてくれって。」
「オ×ベニューヨーク限定版ヘアボリュームセットでしょ、何を質問してるの！」
横で聞いていたバハムートが怯えて呟いた。
[■■■■■を奴隷のようにこき使う邪悪な地球人たち…………！]
とにかく、どうやら、事の成り行きを見ると、原因はそいつではないようだ。
キョン・ジロクの眉間がさらに深くなった。
食欲がないとぐずぐず言うキョン・ジオの茶碗に慣れた手つきで水を入れてやりながら尋ねた。
「じゃあなんだ？何が原因でこんな姿になったんだ？」
「それが…………」
ジオもじもじしながら差し出した。
受け取るとすぐに破りまくってテープでベタベタに補強した、問題の「招待状」
☆☆☆
▶ローカル-大韓民国
▶国内ランカー1番チャンネル
|26|聖誕:ㅠㅠ
|26|聖誕:トントン
|26|聖誕:みんな生きてるよね？
|26|聖誕:光化門広場の件で大騒ぎなのに...お寺みたいなうちの部屋...
|21|明日免許更新:雰囲気がちょっとそうですよね？
|21|明日免許更新:いつも騒いでる人たちが一斉に見えなくてさらにㅜㅜ
|26|聖誕:本当にみんなどこに行ったんだろう
|26|聖誕:攻略隊が静かなのは当然だけど、なぜ同時に他の人たちもみんな潜水してるの
|30|ユン・ウィソ:あの...チラシが回ってたんだけど
|21|明日免許更新:??
|26|聖誕:?
|30|ユン・ウィソ:あ...みんな知ってると思って...余計なこと言っちゃった
|45|イ・シグク:私も聞きました、ウィソさん
|45|イ・シグク:少し前に新聞にも載ってたじゃないですか、シルエットで...
|21|明日免許更新:あ～
|26|聖誕:シルエット？何の話ですか？本当に私だけ知らないみたい..何ですか???
トック、ピッピッ-
ガチャ。
「ただいま。」
ドアが開く音が聞こえるやいなや、慌てて裸足で飛び出してきた二人が飛びかかってきた。
「ナ・ジョヨン様。どこ、どこに行ってきたんですか？ま、ま、まさか、何も言わずに！どこ、どこに、なぜ！なぜ出かけるんですか、なぜ！」
「そ、そそうだ！う、うちの指名手配犯が！お、お前正気か！」
「・・・・・？」
全身に骨と皮ばかり残った二人の男女。
やつれ果てて頬がこけミイラのような姿のナ・ジョヨンとファン・ホンを見て、白鳥が淡々と答えた。
「ダビデに呼ばれて昼食を食べてきただけだが？」
「ゴホッ。」
「う、く、、狂ってる…………ハッ？！ナ、ナ・ジョヨン！戦友よ！しっかりしろ！」
