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436話

【ランキング海戦が終了しました。】


【主な勝利:サマリア海賊団】


【主な敗北:チョラトゥ海賊団】


【勝敗の結果によりランキングが変動します。】


《海のランキングアップデート!》


《上層海の順位が大幅に変動します。)


《2》サマリア海賊団-船長:アンカン「サマリア」ウルフベルグ(AA) up2


「ワハ~、長生きはするもんだな。今日は絶対死ぬと思ったのに、2位になるなんて。」


「下層出身の泥棒どもが出世したな。」


「お前、泥棒だったのか? なんだよ、縛るなよ。俺は物乞いだったんだ。清廉潔白に生きてきたんだ。」


巨船が波を切った。


ジオは海賊たちのくだらないおしゃべりを適当に聞き流しながら、手すりに肘をついた。


鼻先をかすめる海風が穏やかだ。


海が静かになったからだ。


先に航海中のデッドシップと、後に続くサマリア号を除けば、水平線上に浮かんでいるものは現在何もなかった。


海戦が終わると、黒海は数回の波で敗者のすべてを飲み込んだ。


戦利品一つ残らない勝利を前に、海賊たちは「父の懐に捧げた」と呑気にケラケラ笑った。


それで十分だと言わんばかりに、得意げな顔でラム酒の樽を開けながら。


「クソ、アバンスが勝つ世界観か……………!」


そういえば、ユーザー高レベル地域のヘルコリア朝鮮で、歴代級の暴君、キョン・ジオが誕生したように、頭だけ見てもそのサーバーの相場がわかるものだ。


ここの集合官だけ見ても………ふむ。


「はあ、バハムート、このソルゴ奴婢め…。」


ホン・ダルヤが言った。


バンビのクエストが解禁されたのは、2層海でランキング海戦が開かれたまさにその瞬間。


そのため、まさに開かれようとする1層海の門を前に、キョン・ジロクはすぐに一人で、敵陣に向かわざるを得なかった。


「隊長が内容までは共有してくれなかったんです。当面は単独遂行しなければならないので、とりあえず時間内にキングを連れて聖戦の前に来てほしいという話だけ………………」


バンビはいつも自分で何でもできる人だ。


あいつに計画があるなら、そのままついていけばいい。


だからそれはさておき、問題は。


「クエストは直接会ってしか渡せないわけじゃなかったのか?」


最初の海とかいうところに行って、やつを目覚めさせるのもクエストじゃなくて。


そこまで行かなくても、ブルートゥースで渡せるのに、今までくれなかったってことか?


「ツーアウトだ、コラ。」


「ソルゴ、何?」


その時。横の手すりに背中を軽く当てる大柄な体。


ボリューム感がずっしりしている。


バベル翻訳機が朝鮮時代の用語までカバーしてくれるわけではないようだ。ジオはただ肩をすくめた。


「………………秘密が多いな。」


微妙な顔でサルバがつぶやいた。


そしてしばらく、ジオと同じ方向の水平線を黙って眺めてから、ふと尋ねた。


「おい、取引先。お前、なんであの船に乗り換えなかったんだ? どう見てもただの関係じゃないみたいだったのに。」


「気分だよ。」


「言うんじゃなかった、クソ。ああ、何を期待してるんだ。」


ジオが軽く失笑した。


理由はもちろんある。


バベルに確認すると、キョウルが苦労して下げていた崩壊パーセンテージが、現在再び68%まで跳ね上がった。


収拾してくれる相棒悪魔も、タツノオトシゴに問題が生じておかしくなった状況で、ここで暴走したら本当に大変なことになる。


「距離をおかないと。」


ホン家の双子に鼻血を垂れ流す姿を見せるくらいなら、ソロプレイの方がマシだ。


飛んで行こうが、ニーズヘッグを呼んで行こうが、何とか聖戦まで、一人で行くつもりだったが••••••。


「そっちこそ。」


「何?」


「なんで一緒に行くって言ったんだ。」


さっきのことだった。


大人びた姿で再会したホン・ダルヤが、バンビの消息を伝えた後、一緒に行こうとジオの手を引っ張った瞬間。


静かになったサマリア号の甲板に、大きな声が響き渡った。


「おい! 俺も、いや、俺たちも!」


「.....?」


「俺たちも行くぞ! あいつが行くなら!」


「え? うん? え? 副船長?!」


「兄貴•••••? 俺たちもって? 俺たちの意見も聞いてないのに、なんで俺たちが•••••?」


「クソ、お前ら海賊じゃないのか? クルー精神ないのか? この野郎ども、死にてえのか。」


「あ、ああ、行きます! コホン! ああ! 仲間が行くなら俺たちも行かないと、そうだ!」


「う、ううう! 海賊といえば、仲間が行く道は俺の道であり、同じ船に乗った以上、死ぬまで運命も-」


「え。聖戦に行くんだけど。」


「-共にする•••••? え?」


「…副、副船長…(聞こえたか、クソ野郎?)」


「••それがなんだ! 行く! 行くんだ!」


「処刑が嫌で初対面でご主人様なんて言ってたんじゃないのか? 急に処刑場にノープランで行くなんて。」


そっけない言葉にサルバが鼻で笑った。


「お前の命が俺にかかってるの忘れたのか? お前が捕まったら俺も終わりなのに、他人に命を預けて指をくわえて見てるくらいなら、クソでも追いかける方がマシだ。」


「ふむ。」


「それに、終わってないだろ。」


「......? 何が。」


「取引だ、クソ。終わってないって。俺たちの取引。」


「じゃあ、取引は成立したってことだな。俺が情報を提供して不滅の槍を探してくれる代わりに、お前は俺たちの船に乗る。不満は?」


「ああ。」


「何が、ああ~だ。もう忘れたのか? その••••••不滅の槍の『槍』は見たけど、人を見たわけじゃないからな。」


自分が言っていても照れくさいのか、サルバが何気なく耳のピアスをいじった。


視線はこちらを見ずにひたすら正面。



ジオは夕焼けが降り注ぐ海賊の横顔をじっと見つめた。


S級だけあって、非常に秀麗な外観。


高位覚醒者が地球よりはるかに少ない異星だった。


そしてサルバ・マーキュリー・ガスパールは、神官たちを含めても、ずば抜けて優れた逸材だ。



地球出身の規格外ランカーたちのせいで、一時的に存在感が薄れていただけで。


こちらが退場すれば、自然な流れでこの黒海の主人公になる青年。


海風に色あせた銀髪が波打って揺れた。


ジオのゆっくりとした視線が、そうやって彼の泣きぼくろに移っていく頃。


「…。お前は。」


「.......?」

サルバの声が詰まった。


語尾が少し震えているようにも聞こえた。


「お前は、時々、不思議なほど人を見るな。」


「.......」


「マジで.....人の気分がおかしくなる······。」


「.......」


サルバ・ガスパールこそがおかしなやつだった。


髪は銀髪で、性格はバンビに似ていて、泣きぼくろはジオと同じで、話し方からはダビデが見え、異性に不慣れな点は、ヤクザに似ている。


ジオの無言の視線が続くと、サルバの首筋がだんだん赤く火照ってきた。


腹部をぐるぐる巻きにした包帯のせいで、裸の上にジャケットだけを羽織っているため、日焼けした肌の上に立ち込める赤い気が鮮明だった。


「おい。」


「…何。」


「お前、笑ってみろ。」


「.....?」


サルバが反射的にぎこちなく口角を上げた。


「まあ•••いいや。似てないな。」


「ああ、クソ、何が!」


しかし結局は別人。


「なかなか気に入ったけど••••••うーん。」


地球の縁者たちと似ていながらも、まったく枠の外にいるやつだから、正直新鮮で気が楽だった。


否定できない事実。


しかし。

絶対に折れないマーキュリーは、海が似合う男だ。


このまま折れない方がいい。


キョン・ジオは一瞬よぎった、「記憶喪失症患者の前に連れて行って乗り換えたふりをする」計画をきれいに廃棄した。



「まともなやつをダメにする必要はない。」


代わりに困った顔で両手を合わせた。


いわゆる、金曜日の夜の江南駅でよく見かける、ナンパ拒否ポーズ。


「ああ•••••すみません、私には彼氏がいます。私じゃなくていい縁を探してください。頑張って。」


「な、何? み、狂ったか! 何言ってんだ、クソ! 頭おかしいのか?」


「ふう。お前はこういう経験が初めてだから知らないみたいだけど、この身はこの分野のベテランなんだ。この曖昧な雰囲気をこのままにしておいたら、『あれは何だったんだろう?』と何度も考えて夜通し苦しみ、明け方に『もしかして?』と衝動的に飛び起きて、私の部屋のドアをトントンノックして『寝てる?』と叫び、もじもじしながら入ってきて、いきなり告白するつもりだったんだ。」


「ああ、クソ、なんでそんなに詳細なんだ!」


「あっ、訂正。告白して振られるつもりだった。」


「してないって! 違うって!」


「そんな……」


「そんな容姿で生まれて振られる経験は少ないだろうな……………なるほど。」


サルバをちらちら見るジオの眉が下に垂れ下がった。


「まだしてないって?! そんな哀れむような目で見ないでくれ! クソ!」


全身真っ赤になったサルバが荒く息をついた。


それでも(口数の多い海賊たちの話によると)あの海賊は女色には淡泊な方なだけで、ファン・ホンのように生粋の童貞でもない。


好意から大きくなろうとするのを事前に遮断もしたし、それなりに会ってみるだけ会ってみたやつだから、すぐに立ち直るだろう。


「違うって、クソ、本当に違うのに………………」


「うんうん。」


「マジで気が狂いそうだ。」


「わかったって。」


「いや、俺はただ……………! はあ、クソ。」


荒々しく前髪をかき上げたサルバが、神経質な息を吐き出した。


「そういうことじゃなくて! ただ俺も、人を探して海に出てきたから、ちょっと気になっただけなんだ。昔の俺を見てるみたいで! わかったか? あ? もう理解できたか?」


強い否定は肯定………………


しかし、あまりにも必死なので、ジオは大体うなずいてあげた。


「人を探してるんですね。ああ。そうなんですね。」


「そうだ!」


「誰を。」


そこまで話すつもりはなかったのか、サルバがビクッとした。しばらくためらって。


「……………恩人と恩人の娘。」


「イヨル。感心だな。」


「でも二人とも死んだんだ。昔に。」


「・・・・・・。」


「俺が孤児だって言ったか?」


「うん。酒を飲みまくって。」


「クソ、いつも飲みまくってるからいつ言ったかもわからないな。とにかく。そんな孤児にも家族みたいなものがいたとしたら、その人たちだったんだ。でも恩を返す前に死んでしまったんだ。」


憂鬱な話題でもあるし、内密な事情なので、他人にはあまり話さない話だった。


慣れない気分に、サルバが人差し指で鼻の頭を掻いた。


「虚しいよな。だから無駄にさらに変なことに執着してるのかもしれない。」


「変なこと?」


「ああ。」


サルバが手すりにもたれかかりながらニヤリと笑った。


「俺、収集が趣味なんだ。」


「そう-」


「星座の情報を集めること。」


「グ、グフっ、ゴホッゴホッ! コホッ!」


「ああ。なんだよ、クソ。どうしたんだ?」


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