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416話

星系第13集合官。



広大な星系にたった28個しか存在しないという星間ハブの君主であり、メインストリームの古い支配者たち······。


その初めての対面だ。


「ほほう•••••?」



キョン・ジオは彼を上から下までじっくりと見た。


バハムートは不快な様子一つなく微笑みながら毅然と見つめ返す。


蛍光灯の穏やかな照度の下、暗い海のような少年の髪に艶が差した。


外観とは似合わず老獪に見える黄銅色の瞳には好奇心と敬愛が入り混じってごちゃまぜ。


しかし、まさに眼差しだけがそうだった。



ナ・ジョヨンと通行人たちの反応を学習して火まで隠した集合官は、涙ぼくろにしては独特な紋様を除けばただの平凡なヨーロッパ系の少年のように見えた。


不意に現れた「エイリアン」のようなものではなく。


遅れてナ・ジョヨンが我に返って出た。



「バ、バハ、友達?!それではだめです。早くこちらへ。」


「知り合いなの?」


「あ、ジオ様、それが······私がしばらく保護している迷子、いや、迷子だったんですが······」


混乱がありありと見える顔でナ・ジョヨンが言葉を詰まらせた。


自分が言っていても乖離感を感じているようだ。



ジオは気のないように頷いた。


「確かに鈍くなったな。」



淡々とした冬の反応を見ると、さっきからここにいたようだが、状態が正常ではないせいか把握が遅れた。


ナ・ジョヨンが何か知って連れてきたようではないし······。



今バハムートが言った内容を理解した者もやはりここでたった二人だけ。



[つまらない者たちが消えてからゆっくり挨拶を交わそうと思ったのに、聞いてみると本官の助けが必要なようだから。ディレクター旅券なんかよりずっと簡単な道があるじゃないか?]


[我が王から手を引いて話せ。生意気な小僧。]


「我が」王?


[…小僧?]



にこやかだった顔がむしゃくしゃと歪んだ。


バハムートがジオの手を離して立ち上がった。


どうせ見守りながら気になっていたところだ。


こいつは何者であんなに陰険な存在感で星のそばをうろついているのかと思って。


閉鎖言語を駆使しているのを見ると格がとても低くはないようだが。


それでもよくも誰に?


それで、お前は何歳なんだと、こっぴどく叱ってやろうというつもりでバハムートが両手を腰に当てて振り返るのだが。



[何。]


冬が片方の眉をぴっとつり上げた。


光のない目。


見えるのはただただ、暴圧的な深淵•••••


[……]


[何見てる?]


[…そちら見てないけど?]


「考えてみれば初対面で星の前で喧嘩するのもちょっと。」


神聖な集合官の威信がある、そう。



正体も知らないどこぞの雑輩と掴み合いをするわけにはいかない。


きれいに精神勝利したバハムートが再びジオを振り返った。


相変わらずこちらをじろじろ見ている眼差し。


生まれつきの性分なのか中を全く読み取れない顔が少し恨めしかった。


バハムートは口を尖らせた。



[そんなに警戒するなよ?]


「ふむ?」


[星は本官が嬉しくもないのか?私は星に会うために管理者たちに怒られる覚悟でストリームを逆流してきたのに。どうせ本官が一番乗りで駆けつけたはずなのに?]


ぶつぶつ。


[星がまだ即位初期で何も知らないからそうだけど、本官みたいに愛想のある集合官も珍しいぞ。両手を広げて歓迎してくれなくても。]


ぶつぶつ。



「……?」


見慣れないエイリアンから感じられるどこか覚えのある既視感······。


ホン家双子とナ・ジョヨンは一体全体どういう状況なのかという顔だ。ジオは奥妙になった表情で軽く顎で合図した。


[おい。うるさい、簡単な道だというものから言ってみろ。]



一人でぺちゃくちゃ喋っていたバハムートがその言葉にぱっと意気揚々となる。


傲慢に顎を上げて言った。



[永住権。]


[何の権?]


[制限なく居住できる権利。永住権と市民権!星間ハブを治める集合官の固有権限の一つだ。]


「……ほお?」



ジオの雰囲気把握が終わったのもまさにその瞬間だった。


どうかというようにこちらの反応を期待してすっかり上気した頬、にこにことした笑顔、始終キラキラと輝く瞳。


サラサラ- マシンが回るように導出される結論。



バベルから星系の恐ろしい軍閥だと聞いて牽制しようとしたら、これはどうしたことか······?


どこから見ても。


「カモゲット。」


あらまあ。カモがここにいるね。



[君の名前は確かバハムート?]


「忠実な家来だと言ったっけ。」


後ろ手に手を組みながら片手を差し出すキョン・ジオの顔に奥ゆかしく慈悲深い気韻が宿った。


これは、これは。



[朕の忠臣にこのように出会うとは。ハハ。]


ようこそ。

宇宙奴隷は初めてか?






「…。こんなはずでは。」


無慈悲な黒層海の父、最も過酷な夜······第13星間の君主バハムート・アクヤ・デバユタは熱心に皿をゴシゴシ磨きながら考えた。


「これは本当に違うのに。」



「わあ~、手際よく上手だね。でも大事に育てられたお坊ちゃまにこんなことさせてもいいのかしら。」


「何よ、ご飯食べたらご飯代を払わないと。きゃあ!バ、パク女史、なぜ叩くの?!」


「あんたは!あんたこそ!ご飯食べて何してるの!予備校は一体いつ登録するの!」



「きゃあ!このサタンみたいな叔母さんがまた長女虐待する••••••!」


「ス、スンヨよ。ジオも頭を冷やして休む時間が必要だから······。」


「また無策にかばって?あなたは行って皿洗いでもして!」


「うん•••。」


「お母さん~、果物これ野菜室にあるの持って行けばいい?」


「ええ。グミや、そのままにしておいて。キョン・ジロク!あんたそこに座って何してるの?末っ子にさせるんじゃなくてあんたが行って持ってきて。あの子が何を知ってるっていうの。教授にあげる果物もきれいに切って。」


「••お母さん、俺片付けて今座ったばかりなのに。は••••分かりました。」



「バンビバンビ~、私はリンゴウサギの形~」


「おい、キョン・ジロク!お兄ちゃん、私イチゴじゃなくてオレンジ剥いてよ。皮が硬い。」


「……は。」



「義母の海のような愛にこの婿は本当に身の置き所がありません。このようにデザートまで用意してくださって。」



「あら、この人も!そんな大したことでもないのに。それにしてもハワイは本当に良かったわ。人々がむやみに旅行は海外に行かなきゃいけないって言うわけじゃないのね~、そうでしょ、あなた!」


「私はうちのスンヨさんが良ければ全部良いよ。」


「私が近いうちに二人をもっと良い所に連れて行きます。これまで苦労が多かったですが、良いものを若くて元気なうちに全部楽しまないと。もちろんうちの美しい義母はまだジオと同年代に見えますが······。」



「な、何と同年代?あら~、うちの教授の口のうまさには敵わないわ、本当に!言葉もどうしてこんなに聞き心地が良いの?バンビ、まだ終わってないの?教授が待ってるわ!」



「…行きます、お母様。」


「バンビ。お父さんがやろうか?」


「お父さんが何ができるっていうの。いいわ。」


「あんたのお父さんに包丁持たせないで。また指を切る前に。バハ?そこのバハ君も全部終わったら早くこちらに来て!韓国文化を学びに来たんだって。食後の果物は必須よ。早く!」


「おい、お前今、天のようなうちのパク女史の言葉に返事しないつもりか?返事開始。」


「…する。はい。良いです。」


屠殺場に連れて行かれる子牛のようにバハムートが皿洗いでしわくちゃになった手を挙げておずおずと近づいて行った。



座るや否やフォークで刺したリンゴを口に含ませてパク・スンヨ女史が頭を撫でる。


「こ、このつまらないものがよくも······!」


と思った途端、向かい側で強烈に降り注ぐ星の眼差しビーム。



バハムートは恭しく頭頂部をパク女史の手に献納した。


「これは本当に違うのに······」


彼が想像した星との出会いはこうではなかった。


もう少し威厳があって······もう少し切なくて······まあそんな神話的な。



とにかくこんな感じは絶対になかった。


バハムートは星について初めて知った瞬間を思い出してみた。



星系全域に[星即位]のお知らせが鳴り響いた直後。



上位格の超越者たちを中心に息を殺した波乱が起きた。


終幕に上がった者が本当に現れるとは?


それ、不可能なことじゃなかったのか?


情報は素早く回った。



星キョン・ジオ。



人間種出身の魔法使い。


わざわざバベルの管理者でなくても集合官程度になれば閲覧権限が相当だ。


アクヤ・バハムートもやはりネットワークを通じて「キョン・ジオ」の業績をいち早く確認した。


開くや否や驚愕したのはおまけ。



[スクロールがどうしてこんなに長いんだ?]


そうして、寝もせずに目が充血するまで丸一日かけて完読した•••••。



勝利。また勝利。


ただ栄光だけ。


この帝王は若く覇道的暴君であり、不敗と波瀾の征服者だった。


歴史書のどこにも敗北の一行も書かれていない。


法則を打ち破る力に敵は逆転され、もてあそばれ、乱暴に打ちのめされ、ついに約束したように屈服した。


これは狂暴の歴史だ。



バハムートは戦慄を感じた。


星系で最も優雅な魔法という力でこれほど野蛮であり得るとは。



邪悪な悪神格の彼は見たこともない星がその時から気に入った。


人間愛好家だという噂を聞いてからはさらにそうだった。


新しい星が何か分かってるな。


大いに期待感を抱いて訪問し、失望はなかった。



ジオを見るや否やバハムートは純粋に感動した。


あの燦爛たる光輪とは?


「黄金」を象徴とする格は無数に多い。


しかし星の魔術的な金の輝きは格が違った。


森羅万象神秘の根源、「奇跡」がその中に込められていた。


太初の光。



バベル誕生の色だった。



星がすなわちバベルだという言葉の真意が雷のように彼を直撃した。


バハムートはひれ伏したい欲望を抑えながらジオの手の甲に口づけをした。


そこまではとても良かったのだが•••••。



「とりあえずこいつはうちに連れて行くわ。」


「ジ、家!家に!家とは••••••!わ、私も行ったことのない家をどうしてあの初対面の白人の子供が••••••!」


「[このつまらない神官の女が今誰を睨んでいるんだ?!]」


「[誰の灯火につまらないって言ってるの?死にたいの?]」


「[星!どうして私にこんな扱いを!]」


「[お前••••。何様?]」



「.....!」

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