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384話

グローバル人気ドラマ《ヒーローズ》。


放映から今年で7周年を迎えた全世界最高のヒット作。


最近ではハンター物のコンテンツがありふれているが、先駆者的な《ヒーローズ》ほどのものはないという評価が多かった。



無駄にまだ現役で放映中であるにもかかわらず、アメリカ史上最高のドラマに数えられるのではない。


見ない人はいないというオールタイムナンバーワン。


映画側に《キングウィザード》があるなら、ドラマ側は《ヒーローズ》がしっかり握っていると言っても過言ではなかった。


特に、中性的にハンサムな外貌とモデルのようにすらりとして長く伸びた体格。


数多くのアクションシーンを素晴らしくこなすシリーズの主人公、グウェナエル・ルノアールの人気はまさに圧倒的。



「ああ!お分かりになるんですね。これは嬉しいですね。うちのドラマのファンだとは想像も-」


「あああ、違う?そんなはずない?全然?そんなことないのに?何言ってんだ?」


ジオが急に真顔になった。


「はい?」


グウェナエルの整った顔が歪む。


しかし、キョン・ジオは意に介さず、見せつけるように彼を上から下までじっくりと見た。


「マジで大したことないじゃん。ふん。」


「はい?」


キャラクターの名前は知っていても、その役を演じた俳優の名前までは知らない引きこもりの廃人がグウェナエル・ルノアールという長い名前をわざわざ覚えている理由は何だろう?



ちゃんと理由があった。


「こんなやつがキング・ジョーのライバル?」



《キングウィザード》の主人公、キング・ジョー。


《ヒーローズ》の主人公、ドクター・コンスタンティン。



巨大グローバルファンダムを二分する二つの人気キャラクターのライバル構図のため。


もちろん、誰が見ても実際のモデルが明らかな片方のおかげで、真剣勝負をすれば勢力がキング側に急激に傾くけど、それでも!




「アイ・ヘイト・ドクター」


キング・ジョーの牙城に挑戦者がいるという事実だけでも(ある種の構ってちゃんには)侮辱的なのが事実。


だから結論は••••••

「牽制」だった。



「プラチナブロンドの染色だと思ったらマジだったんだ。ファンがあんなに確認してくれって言った時はしてくれなくて、ハントラネットまで騒がしくさせたのに、後で実はマジでしたーって明かして世論を反転させようと?マジで手口が卑怯だ、卑怯だ。」



「••••••?いや、それはデマにいちいち対応する必要がなくて••••••でもそれを一体どうやって-」


「何!私がじゃあ24時間コミュニティに常駐して、射手とかしてるニートだって言うのかよ?頭おかしいんじゃないの?」


「そんなことは言ってないんですが••••••」


「マジでムカつく。ぺっ。」


「........」


世界ランキング1位から見える、おなじみの急発進アンチファンの香り••••••。


感謝の挨拶に来たのに、1号線ヴィランに劣らない迷惑なやつと遭遇したグウェナエルの焦点がどんどんぼやけていった。このまま帰ろうかな…。



ああ、ダメだ!しっかりしろ、グウェナエル。普通の人間じゃないことはもう覚悟したじゃないか。



「ペースに乗せられてこのまま引いたら終わりだ。」


優雅な美貌のせいでどこでもこんなひどい扱いを受けたことはなかったけど••••••相手はあの魔術師王だ。


どんな状況もおかしくなかった。


グウェナエルは冷静に顔色を整え、再び笑った。


中性的な美貌でハリウッドを魅了した美男子らしく、神秘的な笑顔だった。



「私が言い間違えたようですね、ジョー。どうしてもセカンドランゲージなので少し下手な面があって。誤解があるなら解きたいです。キングが私のファンであるはずがないのに、私が昔からジョーのファンだったので、そっちにしか考えられませんでした。寛大に見ていただけると嬉しいのですが••••••。」


「ん?」


「実は私の故郷の家にはまだキングウィザードのポスターが貼ってあるんです。そうよね、ガビ?」


「あ、はい!そ、そうです!お兄様がどれだけファンか。昔からジョーのファンボーイで近所で有名でした。実はヒーローズもそれでオーディションを受けたんですが••••••グウェンも魔法使いなんです。」


「魔法使いが魔術の王を敬うのは運命よりも定められた運命のようなものですよね。」



あなたの偉大な業績に乾杯。


グウェナエルが片方の目をウインクしながらワイングラスを軽く持ち上げた。


パーン!花火が打ち上げられている夜の海を背景に、柔らかいプラチナブロンドが揺れた。


「........」


ジオがおずおずと腕組みを解いた。悪鬼に憑かれたように、眼差しがいつの間にか善良になっていた。


「…魔法使い?」


「はい!」


「そ、そうか。まあ、そう見えるな。ゴホン。本貫はどこだ?」


「フロリダ魔塔出身、パープレクシティ学派です。弟子のレベルで学派長であるグランドマスター・ドゥマルソーの下で数学しました。先天3大正統学派ではない後天学派なので、聞いたことがないでしょう。」


「弟子?魔塔レベル3?」


「はい。ハハ。未熟ですが-」


「成長2段階の終わりなら、ふむ、5階級くらいじゃないか?5階級の魔法使いがなぜレベル3しかないんだ?」


「......!」


グウェナエルの笑顔が凍り付いた。


「な、なんだって。」


冷や汗が首筋を伝う。


口の中が一瞬にしてカラカラに乾いた。


しかし、長年隠してきた彼の境地を平然と見抜いた相手は、相変わらず無愛想な顔。


「学派長、こいつ抜けてるな。聞いたことないってことはグランドマスターだとしても6階級程度か。6階級が5階級をマスターでもなく弟子に置いとく?不正じゃない?マーリン呼んでこようか?」


「あ、いやです?!」


マジでやばい。


素早く周りを見回したグウェナエルがぎこちなく笑ってみせた。


いつの間にか汗でびっしょり濡れた背中がじっとりしていた。


「私を高く評価してくださるのはありがたいのですが、本当に、本当に大丈夫です。マスター試験がなかなか難しいので。誰でも受けられるわけでもないですし。」


「チッ。試験が難しいからって避けてちゃダメだ。若い時に苦労しないと。」


「は。」


横で聞いていたジン・キョウルが軽く首を横に振った。


ジオが顎を上げる。

何か不満があるのかというように。


「何。」


「いや。話を続けて。」


誰が見てもせせら笑っている顔で彼が肩をすくめた。


無言の意図を悟った浪人生の顔がむっとしている。


ガブリエラがそんな二人をちらっと見た。


会話中にも二人だけの空気を共有しているのが紛れもないカップルそのものだ。


そして、少し前よりも柔らかくなったその雰囲気に馴染めずにいるのはグウェナエルだけ。


「....ところで、ええと、魔塔には一切関心がないと思っていたのですが、そうではなかったんですね。意外です。」


「ない。」


「え?内部事情をよくご存知なので。」


「いや、あってもなくてもどうでもいいだろ。」


「はい?」


「魔法使いはよくジョーカーのカードだと思われているよね。いつでもどこでも、勝利を勝ち取る最も有用なカードでなければならない。犠牲心なんかで行くわけじゃない。『魔法使い』という私の誇りと使命のために行くんです。」


キョン・ジオは魔塔のどんな魔法使いを思い浮かべながらせせら笑った。


似合わないキラキラした目でわらわらと押し寄せ、毎日飽きもせず面倒な質問を投げかけてきた魔法使いの群れも良い思い出だった。


それを否定することはできない。



「どうでもいいって。足りないやつらでも魔法使いなんだから。」


「......ああ。」


グウェナエルが思わず開いていた口をぎゅっと閉じた。


「ただ『魔法使い』だから••••••。」


いっそ他の理由でもあればよかったのに。


グウェナエルは歪む内面を隠し、平然と笑った。



「いいですね••••••。キングの関心を少しでも分けてもらおうとみんな必死なのに、私たちはただ同じ魔法使いだからそのまたとない特権を享受できるんですね。」


「え。大げさだな。」


「ハハ。ところで、ジョー。お願いがあるのですが•••••私の境地を他の人には秘密にしていただけないでしょうか。」


「なぜ。」


「それなりに事情があって。私の職業もそうですし、知られるとあれこれ面倒になるので。お願いできますでしょうか。」


「ああ、まあ。でも秘密にするほどすごい境地じゃないけど?ちょっと自惚れ屋?」


「は、ハハ......」


自惚れ屋とは。

グウェナエルは少し悔しかった。


世界魔塔主「賢者」マーリンが現在唯一無二の9階級。


彼の後継者であり、次期魔塔主として挙げられる大韓民国のマスター、チョン・ヒドが現在7階級。


世界にたった4人しかいないグランドマスターが6階級以上からだから、5階級の魔法使いがどの程度なのかは長い説明は不要だろう。



魔塔の中でも当然マスターレベル。


6階級以上の高位魔法使いほどではないにしても、彼らの領域に足くらいはかけているレベルだった。


「そうか、こいつは.....」


こんな話が何の意味があるだろうか?


彼は苦笑いをワイングラスで隠した。


「どうせ10階級の目にはみんな同じアリだろう。」


あのすごいマーリンでさえ完璧な9階級ではないと聞いた。


下の段階である9階級がそうであるのに、ましてや10階級。


こいつの領域範囲がどの程度なのか、彼は、あえて推測すらしなかった。



「....やっぱり危険だ。」


グウェナエルの視線がかすめるようにパーティー会場の片隅に留まってから離れた。


「全部明かして説得した方がいいかも。」


あるいは全く別の場所に•••••。

そうだ。決心したグウェナエルが口を開いた。


「ジョー。少し話がそれましたが、さっきガビを助けてくださった件ですが。」


「ああ、なぜ。」


「うちの家訓が恩を受けたら必ず返さなければならないので。ぜひお礼をしたいのですが、もし時間があればうちの家に一緒に-」


「[あら!こんなところにいたの?]」



パタン!


扇子が軽快に畳まれる音。


甘い香りがふわっと入ってくる。

グウェナエルは反射的に一歩後ずさった。


今日のこの豪華パーティーのホスト。


華やかなマーメイドドレス姿のマダム・ランベールがそんな彼をちらっと一瞥して通り過ぎた。


満面の笑みを浮かべた彼女がジオの腕を優しくタッチした。


「せっかくお招きしたのに、なかなかお顔が見えなくて。寂しいわ。私がずっと探していたのにご存知なかったでしょう?パーティーは楽しいですか?」


「マジつまんね。」


「あら~つまらなかったのね。どうしましょう。

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