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34話

ランカーのロマン、ご隠居ジョー(力を隠した本物)。


成功すればあちこちに自慢したくなるのが人情であり、他人より優れていれば認められたいのが人間の欲望というものだ。


バベルの塔出現以前、名門大学生がもめ事やいざこざに巻き込まれた時。


(それが相手に通用するかどうかは別として)まるで朝鮮時代の暗行御史の馬牌でも出すかのように学生証をさっと取り出して。


「ククク。実は俺はこんなにすごい奴なんだ。意外だろ?驚いたか?」


と得意になっていた中二病の感情とよく似ていた。


以前はこの国で一番だったのが学歴だったとしたら、今はそれが覚醒者ランカーに移ってきたのだ。


しかし、それもそれなりのベテランがやることなのに……。



ニックネームも本名も売れに売れた天上界ではなかなか見られないことだが。


「かっこいいじゃん。最高だね。誰も予想できなかった瞬間にさっと。彼らのすぐ隣に登場する正体を隠していた主人公。」


「……」



「いやー、その意外性が与えるカタルシスがマジで最高じゃないですか。にゃくざさん、共感しますよね?」


「全然。」


こいつ、羞恥心がないのか?


ジオはまずそうな顔で、大はしゃぎしているファン・ホンを見つめた。


しんみりしていたのはいつのことだったか。


一度口を開くと、(誰も聞いていないのに)身元調査から(知りたくもない)ご隠居ジョーになった背景まで、休むことなく自分の話をまくし立てた。




[Timer - 00:03:40:01]




そんな中でも、パーティーチャンネルは相変わらず沈黙中。アップデートがない。


「お前も?私も!」でひとまず事態が一段落した後。


墜落したパーティーメンバーを探しに下へ降りるか、それとも矢印に従って民間人から助けに行くか、しばらく悩んだ二人のご隠居。


あちらにはそれなりに役立つユン・ウィソとタク・ラミンもいることだし、行方不明者が優先だと判断。


現在立っているのは5階。


講義室がずらりと並んだ5階の廊下だった。


キー、キギギ。


ジオは講義室の一つを開けた。


階が高くなるほど汚染が進み、形を判別するのが難しかった。


おまけに、遠慮がなくなったファン・ホンが来るや否や餓鬼道を開いたせいで、さらにめちゃくちゃになった現場。


どれだけめちゃくちゃにしたのか、虫の死骸に同情してしまうほどだが。


当の本人である夜食王はどこ吹く風で、止まることなく自分の話のフィリバスター中だ。


「こんな話、うちの部下以外には誰にもしたことないんだけど、にゃくざさんだから言うんだ。俺たちはフィーリングが合うから。」


「この豆腐野郎、さっきからなぜ変な戦友意識を形成しようとするんだ?」


「その影響もある。」


ファン・ホンの声がかすれた。


「実は、俺が小さい頃から心の支えであり、ロールモデルだったのが、うちのジョ兄貴だったんだ。」


「……」


「一番立派で尊敬する俺の兄貴も、見た目にこだわらないのに、俺なんかが偉そうにできるわけないだろ、みたいな……」



「おい、豆腐王さん。」


「ん?」


「足元に気をつけて入ってきて。死体を踏むと滑るから、頭をぶつけないように気をつけて。」


ジオはすまし顔で目をそらした。


春のジャガイモをくれる点順のよう。


「バカみたいに見えても、豆腐王さんはそんなに悪い奴じゃないな。」


よく見ると、ちょっと美少年っぽい顔立ちかもしれない。どこのアイドルみたいにイケメンだな。


ひどく偏狭な世界を生きるガジョ兄貴の突然の優しさに、ファン・ホンは戸惑った様子だった。



知ったことではない。


ジオは再び講義室を探し始めた。


「ところで、さっきから何を探しているんだ?」


「私のノートとカバン。」


「ここで?ここはどこだ?にゃくざさんの知り合いの場所か?」


「ああ。私の教室だった。」


[あなたの聖約星、「運命を読む者」様が、土地の気が良くないと思ったら、舌打ちをしています。]


「まったくだ。」


大韓民国の受験生の恨みとは、こんなにも恐ろしいものなのか。結局、塾の建物がダンジョン化するとは。


「正義はいつも勝つんだな……」


見ているか、キム・ジョヨン先生?




「へえ、にゃくざさんは勉強ができるんだな。ノートを探しにここまで入ってくるなんて。」


「豆腐王さん、一目見てもスマートに見えるじゃないか。見ればわかるだろ?」


「まあな。俺は模範生を見ると蕁麻疹が出る体質なんだが、にゃくざさんを初めて見た時、まさにそうだったんだ。」


「実力に比べて実戦が弱いのが欠点だが、まあ克服しないとな。」


「なんだ?にゃくざさんはもう態度ができてるじゃないか。まさに、アティテュードが決まってる。何をやっても成功するタイプだな。」


「サンキューベリーマッチ。」


「クゥ!英語の発音も最高だ。」


「見つけた。」


倒れた机の下から、ついに見つけた黄色のノート。


1等級の出題ノートを見つけたS級の模範生のように、ジオは熱烈に抱きしめた。


慌てて最後のページを開いてみる。


幸い無事だ!


「ふう。永遠に失くしてしまうかと思った。私のムシンサクーポン……!」


パク・スンヨにバレるのが怖くて、実物は処分して、こっそりコード番号だけを書き写しておいたクーポンだった。


「これがレビューをいくつ、どれだけ頑張って書いて手に入れた貴重なものなのに。こんなみすぼらしい場所に……」


私の大事なクーポン。


貝殻を抱きしめたボノボノのように、ジオが懐に大切にしまおうとしたその時だった。


「実は、ある程度予想していたんだ。にゃくざさんの正体も。」


ドキッ。


しまおうとした姿勢のまま固まった견지오。


何気ない口調でファン・ホンが話を続けた。


「俺レベルが騒ぎ立てているのに、妙に泰然自若としているじゃないか。そこでピンときたんだ。こいつ、何かあるぞって。」


薄暗かった建物の地下。


頼りになるのは寿命が尽きかけている白熱灯だけだったが、昼より夜の方が慣れているファン・ホンの目には正確に見えた。


同じ空間にいても、一人だけガラスで隔てられているかのように白く、無感情で、退屈そうな顔で人々を見つめていた小さな女が。


そして、その観察に気づいたかのように、振り返った瞬間に出会った闇の中の瞳。


ガラス玉のようなその目を見た途端、理由もなく鳥肌が立ったことまで。


「これは絶対に何かある。あっても一つ何かすごいものを持っているのに、これは何だ?魔力は全く感じられないし。」


「……」


「体は完全に一般人だと言い張るけど、わかるだろ?俺は勘の良いS級じゃないか。勘は違うと言い続けているんだ。」


とにかく。


「結局はまた勘の勝利。勘が的中したってわけだ。クゥ、やっぱり。俺は全部知っていたんだ。名探偵ファン・ホンと呼んでくれ。」


机に腰掛けたまま膝を叩くファン・ホン。


明るく笑っている顔だ。


表情分析機を回せば幸福度100%と出る顔。


ただ正解を当てた自分自身への満足感と自己愛だけがひしひしと感じられた。



[聖約星、「運命を読む者」様が、あいつは犯人を捕まえておいても、自分が捕まえたと自慢ばかりしてそのまま帰す奴だと言って不思議がっています。]


「へえ。名、探、偵、ファン・ホン。」


ジオは急いで拍手喝采した。


「マジでビビったじゃん。」


バカが自分で転んでくれるというのに、この程度のリクションくらい。


しかし、油断は禁物。


「でも、ちょっと不思議だな。なぜそんなに魔力がないんだ?ファーストタイトルは何なんだ?ヒーラーや弓使い系ではなさそうだが。もしかして、俺より高い……」


「まずい。」


冷や汗をかく。


慌てるな。脱出の達人らしく考えてみるんだ。


冷静に解決策を……


……やはり、あのプランしかないのか?


ジオは悲壮な覚悟で宣言した。


「剣士。」


サブキャラ登場。


「ファーストタイトルは……」


「……」


「カ、人斬り抜刀斎。」


剣心、ごめんよ!


ちょっと借りるね!


ジオは幼い頃に見た漫画『るろうに剣心』を思い出しながら振り返った。


できるだけ寂しそうな顔を作り、悲しい過去を持つ剣士のように孤独に壁に寄りかかった。


「刀がないのに……?」


……


「……剣は凶器。剣術は殺人術。どんな大義名分や美辞麗句で飾ってもそれは真実。」


「いや、そもそもその刀がないって言ってるんだ。」


くそっ。


名台詞でごまかそうとしたが、通用しない。ジオはヤケクソになった。


サクッ、トウッ。


突然真っ二つになり、床に落ちるノート。


切り刻まれた紙片が舞い散る。ジョーの心と同じだった。


ジオは悲しみをこらえて言った。


見ろ、小麦粉豆腐野郎。


「斬ったじゃないか。」


「……」


「斬ったなら剣士だ。」


「……」


「剣は君の偏見の中にある、愚かな者よ。」


説、説得力がある。




[特性、「奇跡の屁理屈」(一般)が追加されます!]


孫子の兵法、敵戦計第11計。


李代桃僵の引用。


身を捨てて骨を取る。


ムシンサクーポンを差し出して屁理屈を守り抜いた人斬り抜刀斎が、堂々と敵将を凝視した。


ない刀まで作り出した時点。これ以上の弱点はない。


相手が気づかないほどの微量の魔力運用。


また、魔力を見えない刃のように物理化する高度なコントロールまで。


無駄なほどハイクオリティな才能の無駄遣いだったが、重要なことではない。


奇跡の屁理屈に感化されたファン・ホンが静かに呟いた。


「やっぱり……」


「……」


「俺より高い身体能力の剣士だったんだな。さっき全く剣が見えなかった。」


そりゃ刀がなかったからな。


「ふむ。」


抜刀斎ジョーが厳かに腕を組んだ。


S級ランカーファン・ホンのファーストタイトルは「欲界領主」。


影を通して餓鬼道と阿修羅道をつなぐ、一種の契約術師に近い。


厳密に言えば魔法使いでもないし、剣士ともかけ離れているということ。


おまけに今は世界観最強者が騙そうと企んでいるのではないか?


完全に騙されたようで、ファン・ホンが大きく頷いた。


「そうだ。剣とはすべて俺たちの偏見の中にあるんじゃないか?一つ学んだ、人斬り抜刀斎。」


「うむうむ。」


「ところで。」


「……?」


ファン・ホンはさっきよりも深刻な表情で姿勢を正した。


「これほど高い境地の剣士が、どうして無名なんだ?」


え?


「考えてみたら、ご隠居仲間ではあるけど、さっきからずっと喋っていたのも俺一人だし。にゃくざさんは何も言わずにちゃんと聞いていなかったじゃないか。」


こいつ、急に鋭いな……?


まだサブキャラの設定をそこまで練り上げていなかった人斬り抜刀斎が慌てた。


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