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312話

I 31 | ユン・ウィソ:マジで?


I 27 I ソンタン:本当にいらっしゃったんですか?マジで!?あ、ふざけないでくださいよ


I 49 | イ・シグク:ああ、助かった


I 47 | ミソ:ママ、私帰る


I 27 | ソンタン:嘘だったらダメですよ!!!! 横でジョンヒもマスター、今泣いてるんですよ


I 20 | ジ・ウノ:信じてた!


I 16 I ジョンヒド:私がいつ


‘こんなバカどもめ..


暴走するランカーチャットウィンドウが見ているのが辛くなるほどだ。


昔、墓から蘇ったイエスを見る当時の人々の反応はこんな感じだったのだろうか?


もちろん、間抜けな笑いが漏れ続けるのはここも同じだった。咳払いで口元を整えたジョン・ギルガオンがマイクを再び握った。


「さあ、ランカーの皆さん? 喜んでいるのは分かりますが、集中してください。劇的な主人公の帰還にも、この戦争はまだ終わっていませんよ。」


それでも、ファーストラインランカーたちの反応程度ならまだマシな方だった。


「前線ウェスト、Dポイント! ‘ウィザードアイ’が戦場に現れたランカーの全身を近接で捉えました! 身長152.7cm! 固有魔力カラー、ブラックアンドゴールド! ランカータイプ、戦闘系魔法使い魔力特化型! 保有魔力値測定不能! 魔力レベル及び固有オーラ反応全て……」


歴史的な瞬間であることを知っているかのように、血相を変えて報告していたモニター要員が唇を噛み締めた。堪えきれず、すすり泣くように叫ぶ。


「ランキング1位、魔術師王‘ジョー’のデータと一致します! キングの帰還で間違いありません!」




おお……


目で見て分かっていても、確認射撃はまた違った感じだった。


作戦本部あちこちから拍手と感激に満ちた嘆声、そして安堵の溜息が漏れ出した。


向かって右側では政府の人々の通信が慌ただしく続いている。


吸い殻を投げ捨てて駆け寄ってきた国家情報院長が受話器を受け取る姿が見えた。


「何? ジョーがこちらに来ると? 団長、このおっさん! 知らせるのが遅すぎます! 私たちも今、両目で見ているので、よーく分かってます! キング・イズ・ヒアですよ! 切ります!」


「副ギルド長! マ塔側からずっと接続要請が入ってきていますが、どうしましょうか? かなり急いでいるようです!」


騒がしい中でもマップを見るのに忙しいサ・セジョンが振り返りもせずに答えた。


「急ぎません。どうせ現場に来ると駄々をこねているのでしょう。魔法使いが駄々をこねるのを聞いている暇はないと伝えて切ってください。無視しても構いません。」


「あ…はい!」


先ほどとは空気が全く違う状況室、その中で一番大きい中央モニターをいっぱいに満たした後ろ姿。


今でははっきりとその顔が見える。


小柄な体格、しかし巨大な存在感と強烈で強靭な眼差しを持った私たちの魔法使い。


王の出陣。


‘これ本当に……いつも感じるけど、ロックスターと変わらないな。’


二本の足で立っている姿を見るだけで背筋がゾッとし、心臓が締め付けられる。本当にすごいカリスマだ。


みんな今、こんな気分なんだろう。


冷ややかに災いを凝視するキョン・ジオの金色の瞳から視線を外し、ジョン・ギルガオンがテーブルを叩いた。


「キョン・ジロク? あなたのお姉さんは生きて帰ってきたのは間違いないから、戦闘に集中して。さっき腕が一本飛んでいくところだったぞ。チェ・ダビデ、興奮しないで元の位置に戻れ。その泥沼をジョンジュ一人に耐えさせるつもりか?」


そわそわしていたランカーたちが冷静な声にハッとして眼差しを整える。


ジョン・ギルガオンは腕組みをして、数十個のモニターが伝えてくる戦場を観戦した。


味方の首長が死から蘇った。


それなら今度は、敵に傾いていた戦場の様相が転覆される番だった。


「おい、おい! 聞いたか?」


「何だよ、一体!」


ダビデのアナウンスが始まりだった。


司令塔からの切迫した要請で西海岸へ走っていたチェ・ダビデ。おかげで津波が止まった理由を一番最初に発見した目撃者は、そこにいたファン・ホンも、ナ・ジョヨンでもなかった。


そうしてひどく興奮したチェ・ダビデの叫びが1番チャンネルへ、前線各地にいたハイランカーたちの声が現場へと広まって行ったのはあっという間だった。


I 79 | ヌガムヌンファン・ヒョニ:マジか


I 79 | ヌガムヌンファン・ヒョニ:速報です


I 79 | ヌガムヌンファン・ヒョニ:私、マ塔なんですが、ここ今大変なことになってます。支部長が狂って喚き散らしてて、青髪の奴はゾッとするほど涙を絞り出してて、スコットランドのモルセッキから突然連絡まで来てめちゃくちゃなんですが、結論:ジョー様参戦





国内ランカー2番チャンネルから。


I 142 | ビヨンセ:マジか;先生たち、ジョー様が参戦したって、ここ西側戦線らしいですよ!!


I 166 | チェ・ソンテク:? 気が滅入るのに冗談はやめてくださいよ、イライラする


I 111 I ドンタク:現場ですがマジです。西側のFポイントにいますが、津波が止まったのが見えます。


I 166 | チェ・ソンテク:まじめに生きててよかった!!!!!!!


その他のランカーチャンネルまで。


「マジなのかよ! クソ……」


一番情報が遅れて入ってくる最前線中央激戦地。


混戦にもつれて戦うのに悲鳴と罵声、荒い息遣いだけが溢れていた戦場にも変化が訪れた。


尋ねて答える声が一つ二つと重なっていく。人間たちの奇妙なざわめきに、怪物たちのリズムが少しずつ狂い始めた。


異様な光景だった。


‘何だ••••••?’


白鳥は血に濡れた髪を掻き上げた。流れも視野の一部である剣士には、変化する戦場の勢いがはっきりと見えた。


シュエッ!


剣を半回転させて回収し、聴覚を研ぎ澄ます。すると、名前一つが突き刺さるように聞こえてきた。


‘キョン・ジオ。’


白鳥は素早く、意識的に視野に入れていなかったアナウンスウィンドウを確認した。穏やかな笑みが口元にかかった。


「そういうことか。」


そうなったのか。


今になって、この奇異な流れが理解できる。しょんぼりと萎れていっていた味方の士気が目覚めるに値する朗報だった。


剣を握り直した白鳥は深く深呼吸し、叫んだ。


「聞け!」


この地の全てに聞こえるように。


ついに沸き始めた闘争の士気が、彼らが立つ戦場全体へと広がっていくように。


「我らの王が帰還した!」


わああああああ!


兵仗器が興奮と歓呼に互いにぶつかり合う。果たして、世の中の全ての勝敗は士気にかかっている。


歯を食いしばった悪口雑言が飛び交った。


「耐えれば見込みがあるってことだな! クソ、それなら一度やってみる価値はある!」


「死んでも一緒に死のうぜ、エイリアンども! 私たちは絶対に私たちだけクソったれなことにはならないんだよ! 悠久のこの国、この民族の伝統だ!」


檀君タングンの爺さんとジョー様がお怒りだ、どけ、このクソったれどもがあああ!」


孫子兵法の孫武が言った。戦争に長けた者は、勢いで勝利を掴むと。眼差しが変わった味方の中で、白鳥はこの瞬間、勝利の芽を見た。


波の水の流れが変わるように、風の方向が変わるように、勝利の流れが彼らに流れ込んできていた。


「ジ、ジオ……ジオ様!!!」


騒がしいチャットウィンドウ、静まり返った戦場を切り裂くように響く叫び。


浮き足立った感激で立ち上がるナ・ジョヨンのむせび泣きに、キョン・ジオが軽く失笑した。


「止めるな。」


「え?! も、聞こえませんでした! もう少し大きく!」


二人の間には少し距離があった。ジオは声に魔力を乗せた。


「アリア。 止めるなと言った。 呼べ、ずっと。」


「••••••! はい!」


めちゃくちゃな姿でナ・ジョヨンが迷うことなく再び膝をつく。


ひたすらに祈りを捧げ始めた司祭を一瞥したジオが正面に顔を向けた。


目の前に紺碧の壁を築いた海。


押し寄せる津波を抑え込んではいるものの、一時しのぎだ。跳ね返したり沈めたりしなければ、災いはいつでも無慈悲な勢いで一気にこちらを飲み込んでしまうだろう。


もちろん、取り除くことはできる。しかし。


‘そうすると運用可能な魔力の60%を使うことになる。消耗が大きい。’


以前の体ではなかった。


最高のコンディションどころか、ペナルティまで抱え込んでいるせいで、頭の中で計算機が忙しく回っていた。


‘辺獄’に陥っていた後遺症が回復していないのは当然だったし、何よりも‘聖約破棄’の余波が極甚。


ジオは込み上げてくる血の味を悟られないように再び飲み込んだ。


すっかり落ち着いたポーカーフェイスのおかげでバレることはないだろうが、壊れてめちゃくちゃになった内臓が目覚めてからずっと悲鳴を上げ続けていた。


‘これが終わったら最低二ヶ月は寝て療養しないといけないだろうな……?’


吐き気を催す血なまぐさい臭いが自分からするのか、外からするのか区別がつかないほどだ。


しかし、キョン・ジオは呼吸を落ち着かせた。弱音を吐いている時間はない。


戦場が勢いの勝負だということを知らないほど愚かではなかった。だから無理に‘ニードヘッグ’の幻影まで呼び出したのではないか?


‘弱くなったことを悟られてはいけない。’


聖約星がないことを知らせても、敵にとって良いことしかない。


‘ジョー’という約束された勝利の象徴は決して崩れてはならないから。


‘できる。’


味方の士気増強のために盛んに戦場の上空を徘徊している黒竜の方角を見計らいながら、周囲を見回した。


どこを見渡しても屍山血河、崩れた残骸が乱舞している。


それでも‘未来予知’が見せてくれた惨状に比べれば、はるかにマシな状況だった。それで十分だ。


キョン・ジオは念じた。


「できる。」


星のない夜。


戦雲に覆われた空は遥かで、朝が来るまではまだ遠そうだ。


しかし、その空白に……仲間たちが、魔法がある。



彼女の信心深い灯火が呼び寄せた曙光。闇を照らす天上の光が降り注いだ場所に立ち、キョン・ジオは口を開き、魔法使いの真言を吐き出した。


「[求道者よ! 承諾と決意、確固たる欲で敵を見よ。我々には凱旋式が待っている。] 」


[適応スキル、4階級防御系中級呪文(究極深化重複)-「不屈の意志(Unwavering Will) 」


「あ、海水が!」


正面で繰り広げられる奇跡に、ナ・ジョヨンが驚嘆に満ちた息を呑んだ。


指先に触れた海水の壁が揺らめく。そこから始まった黄金色のオーラが限界を知らず枝を伸ばすように広がっていった。


キョン・ジオは腕を伸ばし、顎を上げた。生成された魔法陣が幾重にも重なり、積み重なる。ファエッ! 魔力の強い波動が生み出した突風に、綺麗な額が現れた。



ゴロゴロ!


津波が押し戻される。


崖の向こうにいる仲間と目が合う。信じられない幻想を見るように大きくなっていたファン・ホンの目が激しく揺れた。


ジオが頷くと、混乱している傷だらけの顔。泣かないように充血したその目。


[どこを見ているのだ! この生意気な奴め!]


プライドを傷つけられた獅子王の激怒に、海が勢いを増す。


ウッ。ジオの口元に糸のような血が流れた。遠い距離に声が届かないかもしれない。


しかし、キョン・ジオは真っ直ぐにファン・ホンを見つめて言った。乱戦の中でファン・ホンがその口の形を読み取る。


‘もう忘れたわけじゃないだろうな?’


「お前が必要だ。」





「お前が必要だ。」


遠いファン・ホンの反応まで確認して待つ余裕はなかった。


帰ってきた一番の魔法使いを敬い、世界の魔力が重い体躯を起こす。魔力波に巻き込まれたジオの足元が周囲に円い跡を描きながら浮遊した。





ザアアアアアア-!


津波の壁が再び高くなる。


天を突くほど高く上がっていく水流は、しかし方向が先ほどとは違っていた。


数十個の巨大な黄金色の魔法陣が攻撃的な光を放ち。


‘83%…… 75%:


急速に減っていく魔力。


キョン・ジオは目を閉じ、集中した。


そしてその時。


災害を押し返す集中、遠い向こうから決然とした声が聞こえてくる。


「 [号令、究極結解きゅうきょくけっかい……。] 」


歯を食いしばった特有の低音が。


「[第4門阿修羅道だいよんもんあしゅらどう開門かいもん!] 」


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