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264話

- ウォングラーさん、この記事も本文に添付してください。(記事リンク)キョン・ジオ連合総長、韓国消防福祉財団に寄付金10億伝達


L マジで光しか見えない。 善なる影響力ヤバすぎ???? ムカつくからぶっ飛ばしてやりたい。私の怒りに不満があればキョン・ジオさんに個人的にご連絡ください


L 韓国ヒップホップのトップクラス


L ところで、なぜ陛下を韓国ヒップホップのトップって言うの?トップは間違いないけど


L キョン・ジオ=ジョジョの奇妙な冒険をするたびにライムがヤバいって韓国のラッパーたちがリスペクトしてミームになった


L 総資産がいくらだと思ってたった10億を投げるんだよ、もう時代遅れだな


L うん~あんたの財産は一生モノポリーマネー10億~


L ああ、うちのジオはお母さんからお小遣いをもらってる20歳の学生だってば。人生投げ捨てられたいの?


- ブガッティに乗って寄付金10億ばらまくのに、お母さんからお小遣いをもらいながら病院で点滴自撮り上げる20歳の女はどう?


L マジで結婚したい


L キョン・ジオ、どうか私と結婚して離婚して。残りの人生をあなたの離婚した女として生きたい20代の女がここで泣いています


L うちの姉は俺のものなのに


L クソみたいなこと言うな


- うーん…今回の火災はすごく大きかったのに、かばいすぎじゃないかな。キョン・ジオくらいなら軽く言及するだけでも人々は察して叩いてくれるはずなのに、慎重すぎる気がする…。もう大人になったのかな。


L 50馬力の火災だから特殊消防が出動しても初期鎮圧できなかったって、処罰もそうだし、甘すぎるよね


L 放火犯が連合所属のハンターだってデマがあるよ


L ええ。 じゃあ身内をかばってるってこと?マジでがっかり。


私、現場にいたアカデミーの訓練生だけど、放火犯は連合所属じゃないよ。

 その日は家族訪問の日で、訓練生の家族が事故に巻き込まれたんだ。協会と関連があるって話もあるけど…

詳しいことは言えないけど、うちの総長はできることは全部やったよ。外で知ってることより現場は深刻で、死者も出そうになったけど、全員助けたし。消防士たちが変に悪く言われるといけないから言わないだけで、火災も一人で鎮圧したんだ。気絶までして銀獅子代表に抱きかかえられて出て行ったのに… 証拠がないって言われるといけないから学生証添付するね。コメントは5分後に削除するね。


L ええ….


L デタラメ言うやつらは無視してればいいよ なんで証明までしなきゃいけないの


- とにかくここでジオにケチつけようと必死なやつらがいるんだから。 一体あいつは何をすればいいんだ?だからファンたちが立ち上がって恨みを晴らすんだよ。キョン・ジオが何も言わないからジオのファンが騒がしいって言うこともできない


L 騒がしいのはそうだけど、病院の前で今も沈黙デモしてるけど


L その方々は…ファンじゃない


L ついに味方の尻尾切りを始めるジオオタ。







[管理局は傍観せずに連合アカデミーの支援に責任を持て]


[国家英雄を搾取する無能政府は覚醒しろ!]


[NO ZIO NO KOREA]



「え、あれは何……?」


[あなたの聖約星、「運命を読む者」様がうちの大口顧客様たちがついに我慢できずに前線に出たと、とても満足しています。]


[大統領府とセンターの前にすでにトラック部隊も運行中だって、このお兄さんも募金に一役買ったって、あなたにニヤニヤ笑っています。]


窓際に立ったジオは指の間のブラインドをさらに大きく開けた。瞳が行き場を失って揺れ動く。


目を大きく開けて見ても信じられない珍風景。


病院の前、テントの下のプラカード軍団。どこで手に入れたのか黒の団体服に黒マスクがカリスマにあふれている。沈黙デモだから騒がしくはないけど……。


「集団で頭がおかしくなったのか……?」


ジオもそれとなく聞いて知ってはいた。行動力がすごい熱狂的な非公開ファンクラブがあると。


全員が現実を捨てて髪を振り乱して走っていて、年齢層も多様で能力もすごいから他のファンクラブではとても太刀打ちできないと言っていた。


「ハローワールド」以降、仕えていた方の正体が20歳の女の子だと知って(まだ)自制していた狂気がアイドルファン化して狂気の絶頂に達したと。


そう、聞いてはいたけど……。


「ちょっと待って、あれナ・ジョヨンじゃない?」


あいつ、あそこで何してるの?


一応隠すつもりなのか濃いサングラスをかけてぐるぐる巻きにしているけど、誰を騙せるの?


最前列、軍団会長の隣に鉄甲をまとった松のように固く立っている女性は間違いなくナ・ドビだった。


「お見舞いは後で行くって涙をポロポロ流していたのに、あ、あんな狂った……!」


しかし、驚愕する暇もなかった。


感じる気配!ジオはさっさとベッドに横になった。




ガチャ。


「……また寝たふりか?」


[聖約星が赤ちゃんには通用しないみたいだからやめたらどうかと哀れんでいます。]


「黙れ」


「さっきは確かに右足首が出ていたのに?」


「うう…」



ジオは寝返りを打つふりをして左足首を布団にこすりつけた。ため息が近い。そしてドサッ。


無慈悲に頬を突く指。





U | 99


「いつも横になって食ってばかりいるから顔がむくんでるじゃないか。このアンパンを一体誰が連れて行くんだ?反省できないくせに聞きたくないから寝たふりをする?だったら最初から悪いことをするな」


「うう…」


罪人は苦しんでいたが、バンビはきれいに無視した。涙ぼくろ2つを人差し指でグイグイ押す。これでも起きない?


結局、降参したジオがそっと目を開けた。そしてすぐに出くわす無表情なキョン・ジロクの顔。


「……あの、忘れたのか?お前の姉は患者ジオ……」


「患者じゃなくて?いつだってどこも痛くないって言ってたじゃないか」


「それはお前がチェ・ダビデをぶっ飛ばしに行くって騒いだせいだろ……」




「……誰だ。誰がやったんだ」


「ジロク、とりあえず落ち着いて。兄さんと少し話そう……J


「離して!人をバカにするのもいい加減にしろ。俺に秘密にしようとみんなで示し合わせたのか?じゃあクソ、俺が知らないと思うのか」


目が完全にイカれてる。


塔から出てくるなり駆けつけたのか雨に濡れた姿でキョン・ジロクは集中治療室に押し入ってきた。


止める病院の人々とサ・セジョンを強く振り払い、目を離さないまま歩いてくる。そんな時の弟はジオでさえ止めるのが難しかった。


「ブ、ブラザー……J


「静かにしろ、今お前とは話したくない」


近づいてきたキョン・ジロクが虎を押し退けて頭を下げた。ジオの傷をじっと見つめる。そして、


「チェ・ダビデだな」


こっちも貴重なS級だった。


獣よりも機敏な本能はかすかに残った窮奇の残滓をすぐに嗅ぎつけた。ギリギリと歯ぎしりする音がぞっと響いた。


冷たい殺気に周囲の医師たちの顔色が変わる。金緑色の眼光を放つ目でキョン・ジロクが立ち上がった。


「バンビ座ってろ。行ったら怒るぞ」


「……心配するな。殺さない。腕一本だけ同じように引きちぎって帰ってくるだけだ」


「ロク」



落ち着いた声、血のついた手がキョン・ジロクの服の裾を掴む。ハッとする彼を見て虎が静かに席を空けた。


ドアが閉まる。ずっと固まっていた顔も嘘のように崩れた。


ジオもキョン・ジロクに勝てないが、それはこっちも同じだ。お互いが一番大切だからいつもお互いに勝てなかった。


「不満そうな顔ですね?何か言いたいことがあれば遠慮なく言ってください。我慢しないで」


つんつん吐き捨てるバンビ印のクソ生意気な口調。クソ生意気な態度。


お前私のこと知らないのか、プライドの高い2人の天才の対決の末に勝者はイッツミー。チェ・ダビデはもっと怪我をした、生死の境を彷徨っていることから始まり…。


大人たちのビジネスの世界があまりにも忙しいからお前に事前に説明できなかった、絶対にお前を仲間外れにしたりそんなんじゃない。サルート連合の副総長はお前様だ、などなど。


死ぬほどなだめすかしたが、現在も拗ねているキョン・ジロク20歳。


ジオはプルプル笑った。


「不満だなんて!イケメン弟様が忙しいスケジュールを割いて看病してくれるのに、私ごときがどうして……」


「あれあれ、体だけ大きくなっただけで、5歳の時と全く同じ。自分を仲間外れにすると1週間は拗ねて口もきかなかったのに」


「分かったら寝たふりやめろ。見るたびにイライラするから」


「うう……(クソ野郎)」


意地悪なアヒルのように唇を尖らせるジオ。


キョン・ジロクがフッと笑った。それでも元気そうで安心だ。


あちこちから送られてきたプレゼントと花の香りでいっぱいのVIP病室。


大げさにするなって長女の強情に負けてお母さんは休みにいき、末っ子は学校に行った。


キョン・ジロクは指先でジオのギプスをした腕をそっと撫でながら静かに言った。


「ちょっと座ってろ、正気に戻ったなら。俺たちもそろそろ話をしないとな」


「何の話し?」


「俺、今回の塔に行って……」


彼が口を開こうとした瞬間。




トントン。


「ハンター様、少しよろしいでしょうか?訪問客がいらっしゃいましたが」


「……タイミングが悪いな」


「え、ギュニギュニ以外に今日来る人いたの?」


「俺が知るか?お前に会いたいって無計画に訪ねてくるやつらが一人や二人じゃないだろ。待ってろ」


しかし、ドアを開けると立っているのは意外な人物。


キョン・ジロクがハッとする。その時初めて感じる慣れ親しんだ気配にジオも首を傾げた。あいつ、どうしたんだ?


「塔に引きこもって出てこない廃人様がどういう風の吹き回しで人間世界までお越しに?」


「……最近の人間世界のトレンドはせっかくお見舞いに来た人をけなすことみたいですね?」


オレンジジュースの箱を持ったホン・ヘヤが斜めに首を傾げた。


「今回の件は判断ミスでした」


「……何、そのすっかりしょげた姿は。昔のヘタレホン・ヘヤがまた出てくるのか?」


「お願いだから真剣に聞いてください」


散々雰囲気を作って吐いた言葉がそれだからでしょ。ジオは片手で顎を突いた。





ランカーチャンネル遮断現象。


やはり予想通り、ディレクター間の見えない戦争があったようだった。そしてその勝負の敗者は残念ながら味方のホン・ヘヤ。


「1番チャンネルだけでも開けておくのがあの時私ができる最善でした。ディレクトリを守るだけでも手一杯で……。それが突破されたら城壁が突破されるのと同じですから」


城壁が突破されたら侵攻の危険も大きくなる。それがどれほど危険なことなのかジオも知っていた。板橋で直接見たし、経験もしたから。


「あいつがそんなに強いの?」


「正直に言うと、はい。私が判断ミスだと言ったのもそれです。この「アース」サーバーにそこまでレベルの高いディレクターがいるとは思っていませんでした…。傲慢でしたね」


黙って聞いていたキョン・ジロクが眉をひそめた。


「理解できないな。あいつはどうしてそんなことができるんだ?無塔が俺たちより先に見ても何をどれだけ先取りできるんだ」


「それを今から説明しようと思って。今日ここに訪ねてきた理由だし」


窓の外では日が暮れかけていた。彼らが経験した激しさがいつのことだったかのように平和だ。


ホン・ヘヤはしばらく窓の向こうのバベルの塔を見つめてから口を開いた。




「チャンネルごとに「アルターレコード(Altar Record)」というものが存在します」


「アルターレコード?」


「つまり……チャンネルに所属する覚醒者たちが業績を上げるたびに一緒に成長する星壇だと思えばいいんですが」


覚醒者誕生、タイトル生成、亀裂およびダンジョン討伐、塔攻略などなど。


バベルに選ばれた覚醒者たちの業績が一つ一つ集まって所属チャンネルの「アルターレコード」を満たす。


「ディレクターたちはこの「アルター」のレベルに応じてバベルネットワークに干渉可能な管理権限を付与されます」


「……じゃあこっちのレベルが当然もっと高くないといけないんじゃないか?地球でキョン・ジオより業績をたくさん上げたやつがどこにいるんだ」


「私もそう思っていました。そう見えましたし」


ホン・ヘヤはジオを見つめた。


サーバー初の創作者、初の神殺し、初の挑戦者……。あの人が立てた業績は華麗そのものだ。


キョン・ジオが刺繍したアルターレコードの空はあまりにも驚異的で。彼は時々塔の中でぼうっと見ているばかりだった。ところが。


「どうやらあちらでも「初」をいくつか持っていったみたいです」


バベルが「初」の称号に与える特典はいつも特別だ。


「まず、サーバー初のディレクター。これは確かです。そしてまた……」


ホン・ヘヤが少し躊躇した。


これは推測だけど。


「おそらく高い確率で、無塔のディレクターが世界で最初に覚醒したS級でしょう」


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