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244話

場所は仁川松島国際都市。


(旧)ソンジンストーンテクノロジーセンターだった場所。


募集要件は年齢不問、等級不問、ランキング不問。


心身ともに健康な大韓民国籍の覚醒者なら誰でも大歓迎。ただし、予定人員を超える場合は、詳細な面接の可能性があります。


全国的に殺到する問い合わせに〈バビロン〉と〈D.I.〉が出した答えだった。


それと同時に、両ギルドの公式ウェブサイトを通じて公開されたアカデミー(名前未定)の写真。


公式スポンサーの席に一番大きく刻まれているソンジン・グループのロゴがかなり印象的だった。今回は認めるに値する功績だ。






10ホールでやり遂げたリモデルの結果にしては、外見がとてもそれらしかったから。生産系の覚醒者を手当たり次第に手配したとか……。


[「10秒かかったチラシ広告の効果にしては悔しいくらいなのに?サーバーダウンがもう何度目なのか。まさに暴走だよ。」]


「サーバーがそもそもなぜそんな状態なんだ?最初から丈夫にしておくべきじゃないのか?仕事ぶりが全く期待外れだな、ジョン理事。」


[「……。」]


斜めに聞くのも才能だ。


通話の向こうでジョン・ギルガオンが深くため息をついた。


[「言いがかりをつけるのが趣味の上司とは……。上司の選び方を間違えるとこんな気分になるんだな。職員にもっと優しくしてあげないと。」]


「ふん。」


[「それで、残りの講師陣のスカウトは?昨日公開されたラインナップのせいで大騒ぎなんだ。まだ公開されていない人たちはどれほどすごいのかと。」]


「えー、くそ。」


[「どこを見てみようか。すでに受付された人員で面接の進行はほぼ確定。今日募集締め切ったら明後日くらいに面接してオープンまで…本当にあと少しだね。頑張ってください、総長。」]


「分かったって。だから来たんじゃないか。切るぞ。」


ジオは終了ボタンを押しながら正面、山の情景を眺めた。


10月31日。未来の予示で確認した大戦争の日付だった。


わずか2ヶ月後に迫った戦争に備えた味方戦力の強化。包装はアカデミーだが、実情は火星よりも何倍も過酷な訓練所であり、戦闘基地になるはず。


キョン・ジオがいくら優れていても、それだけのスケールの仕事をAからZまで一人で進めるのは無理だった。時間も足りないし。


だから、速く、効率的な仕事の進行のためには、既存にすでに存在していた体制。


つまり、「ギルド」が必要だ。


つまり要約すると、各ギルドが持つ利害関係をすべて無視して、全体的な協力と協調を要求されているということですね。


運営と教育は各ギルドで合意して専任せよというジオのオーダー。それを聞いてサ・セジョンが下した結論だった。


もちろん、ジオは彼に「大戦争」についてまだ話していなかった。だから、釈然としない反応も当然だった。


「お好きに考えて。」


サ・セジョンは会議室を見回した。


〈銀獅子〉の虎、〈D.I.〉のジョン・ギルガオン。どちらもこれといった反応がなかった。知っていたかのように。


その視線を受けたジョン・ギルガオンが微笑んで顎を突く。


「うちの〈バビロン〉の奥様は、状況が気に入らないみたいだな。」


「……いいえ。どうせ決定は私の役割ではないから。しかし。」


サ・セジョンは少し気まずそうな顔で書類をいじった。再びジオの方を 見つめる。


「今おっしゃっていることが、大規模なギルドの「連合」を意味するということを認識していますか?J


それもあなたの旗の下に。


裏の言葉を飲み込みながらサ・セジョンが尋ねた。


ジオは、フッと笑った。


「うん 」


「それならもう言うことは、ありません。バビロンも合流します。帰ってきたボスに怒られるのは嫌ですから。」


サ・セジョンがしかし簡単ではないだろうとつぶやいた。


もちろんキョン・ジオも知っている。韓国は誰が見ても自分の影響下にあるが、今までが間接的だったとすれば、これはより直接的な宣言。


王が腹を決めて既存の諸侯を食い尽くそうと立ち上がったので、反発も必然的だ。


これはアメリカで平和的に考えていた周辺の知人の保護のための名前刻みなどではないから。戦争に備えた勢力整理なので、多少暴力的に感じざるを得ない。


しかし。


「難しいところは一つだけだ。」


〈銀獅子〉はもともと私のものだし。


〈バビロン〉は兄弟であり。


〈D.I.〉とは取引をしたし。


〈黎明〉は手足のように扱う。


その他などは力で押さえつければいい。


説得する必要もない。大韓民国で生まれ生きていく限り、キョン・ジオに借りがない者など存在しないから。


だから残りの一つは結局……。


気難しい暴君が力で押さえつけずに配慮してあげたいから難しくなるその場所。


「どいて。」


「……手続きですので、お名前と訪問目的をおっしゃっていただけますか。」


ジオは片方の口角を上げた。


「目的は包摂。宗主にキョン・ジオが来たと伝えろ。」


千年のギルド、〈ヘタ〉だけだった。





トボトボ、トボトボ。


[あなたの聖約星、「運命を読む者」様がすでに答えは分かりきっているのに無駄に力を抜く必要はないかと尋ねています。]


「まあ、そうだけど。」


韓屋の縁側を歩きながらジオはぶっきらぼうに肯定した。


1番チャンネルにサ・セジョンが関連内容を告知すると、魔塔および魔協所属魔法使いたちを筆頭にほとんど即座に協力の意向を示した。


例外は独りよがりを追求するウィ・ハジュンみたいな奴ら(社会性のないぼっちだからどうせパス)、そして……ヘタ。


[星位、「運命を読む者」様が助けてあげた恩を忘れ、生意気だと舌打ちします。]


「何を分かってらっしゃるんだか。」


【つまらないことに心を痛める必要はないと知っているでしょう。】


頬を撫でて消える風


の緊密な囁き。


ジオは首を少し横に振った。


「傷ついてないよ。」


片方は純粋で、片方は実直で。チェ・ダビデとハ・ヤンセは誰かを傷つけるような偉人たちにはなれない。


ほんの少し、ほんの少しがっかりしたのは事実だが、それなりの理由があるだろう。それが気になって来ただけだ。


「中で待っておられます。」


ガラガラ。静かに開く障子戸。


ヘタの制服を着た案内人が私たちは下がりますと言って後ずさりした。


ジオはスッと空間を見回した。


汗が深く染み込んだ原木の床、そして一列に並んでいる数々の刀剣たち。


木の格子越しに葉っぱの影が揺らめく。その長い修練の歳月が垣間見える鍛錬室の真ん中。凍土の蘭のように一人立っている黒髪の女。ハ・ヤンセが閉じていた目を開けた。


「来たか、そなた。」


「長話はしない。」


「私にはお前が必要だ。私の下に入れ。サツマイモ作りはやめて。」


[星位、「運命を読む者」様がいや、お前はただ理由を聞きに来ただけじゃないのかと慌てています。]


「ちょっと黙っててください。」


計画はもともと変わるためにあるもの。ジオは斜めに立って首を傾げた。理解できないから。


「グミを教えろと呼んだ時はよく来たじゃないか?似合わないのにどうして突っ張ってるんだ。」


「キョルが違うからだ。」


「キョルか。」


「私個人はいつでも友の要請に喜んで動くが、そなたが今回呼んでいるのはハ・ヤンセではないだろう。」


「ヘタだ。」


その二つは重さが同じであるはずがない。


ハ・ヤンセが淡々と語った。


「そなたの望みが単に覚醒者たちの訓練のための合流ならば応じよう。しかしそれだけでなく、そなたの名前の下に入ることを望むなら、それだけは受け入れがたい。」


キョン・ジオは冷たく問い返した。


「今と何が違うんだ?同じ垣根を範囲だけ狭めているだけだとは思わないのか。」


「そなたに世話になったことを否定はしない。ただし。」


「ただし?」


「ヘタの忠義が向かう、場所はひたすら祖国だけだ。」


どんなものも、どんな偉大な名前もその上に立つことはできない。


過去千年そうしてきた。


どんな王にも忠誠を誓わず、どんな不正とも妥協せず。ひたすら祖国と民族のために一箇所でひたすらに白頭大幹霊脈の心房を守ってきた。


「今になって誰かの名前の下に入るならば、それはヘタに対する、裏切りであり、今まで命を捧げてきた、先祖たちに汚辱となるだろう。」


「ヘタの名前を継承した今回の大宗主として下せない決定だ。」


ハ・ヤンセの言葉が終わった。


ジオは葛藤した。


「いっそ思い切って戦争の話をしてしまおうか?」


その祖国を守る大義のためだと、それよりもハ・ヤンセを揺さぶる名分はまたとないだろう。


しかし。


「ハ・ヤンセを統制するのは難しい。」


変数の統制可能性に対する問題だった。


契約を結んだ星位もいないハ・ヤンセは聖約星を通して間接的に圧迫することもできない。性質通りに押さえつけるのもちょっと……。


ふむ。ジオは一度そっと探ってみた。


「力で折れば、折れてくれるか?」


「いっそ死ぬ。」


「マジ怖いな、クソ。」


とにかく澄んだ目の秩序線たちが一番問題なんだよな……。


「とりあえず保留にしよう。」


もう少し悩んでみよう。まだ戦争についてはバンビとも相談していない問題だし。


「ったく。分かったよ。お前は偉い。元気で暮らせ。」


[星位、「運命を読む者」様がうちの赤ちゃんが友達に振られてしょんぼりしているのを見て、あの白いサツマイモを絶対に許さないと息巻いています。]


「……いや、違うってば?」


「ジオ、そなた。ひょっとして拗ねて……」


「拗ねてないってば!行くぞ!ついてくるな!」






ガラガラ、バン!


ジオは強くドアを閉めて出てきた。イライラして頭を振りながらそのまま立ち去ろうとするが。


「••••••何?」


ドアの横の壁にもたれかかっている薄紫色のヤンキー一匹。チェ・ダビデがぎこちなく片手を上げて見せた。


「あ、ああ!友達……!話は全部終わった?」


「あまりにも静かにしているから案内人だと思ったじゃないか。」


「えっ、私がそうだった?ハハッ……」


あのひどく似合わない気まずさは何だ?ジオの目が細くなった。


「こいつ、どうしたんだ?」


動物の尻尾や耳がついていたらだらんと垂れ下がっているだろう。それくらい気が滅入っているのがありありと分かった。


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