表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/501

23話 2.束ねば面倒で散らばると楽


[ベスト] リアルタイム バベル ワールドランキング TOP 50 / ローカルランキング TOP 100


イxx │ 20xx. xx. xx.


* * *


コメント (+12899) おすすめ 3777 反対 24


- 怖い夢を見たのか?


- いいえ


- 悲しい夢を見たのか?


- いいえ。甘い夢を見ました。


- それならなぜそんなに悲しそうに泣くのか。


- その夢は叶わないからです......


- by. コン・ソゴン


- ああ、いい十二時間だった...!!


- 20xx.03.07~20xx.03.07 R.I.P ウン・ソゴンの1位、ここに眠る


- ベストコメントの状態、マジかよ。サタン今日も1敗累積


- 本当に悪い奴ら。こんな時だけ団結力ヤバい。


- ジョー: ソゴン、1位になりたいか?


- ??: 天は何故、ジョーを産んだのか!


- ウンサジャ兄貴、家でマッコリ飲んでるってよ。みんなやめてあげて


- 老人攻撃はやめろ、悪い奴ら。 うちの将軍様にできない言葉がないね


- ヌグジョは時代遅れになったジョー、お〇っこしてた奴らみんなどこ行った?? うん~、うちのジョーはマジレジェンド撮ってる最中~、現役リズ、ジョジョボリジョー


- ジョー兄貴、姉貴。私はあなたを信じていました,,, ゴッドジョー、光ジョー、キングジョー、陛下、あなたがkoreaだ。


- マジで快感ヤバい。これこそ真の愛国心の味か。グーグルメイン、ワールドランキング1位にZIOと太極旗が出てるのに、あれ? なぜか涙が


- ワイエムアックライング。



- (リンク)〈魔術師王ジョーの移民禁止、出国禁止を法律で制定せよ〉 青瓦台国民請願です。ぜひ署名して拡散してください


- 近所のコンビニのビールが全部売り切れて、スーパーに行こうと車のキーを準備中。愛国心フルアクセル踏むぞ、止めないでくれ


- ああ、マジウケる。 S社、嬉しくて今、去年に作ったジョーのドキュメンタリー再放送してる。 他のチャンネルは全部ニュースなのに、ノーブレーキ、ヤバい。


↳ - その主人公のインタビュー1秒もなしに編集スキルだけで韓日戦視聴率を取ったという伝説のドキュメンタリーのことですか?


- 国民アンケート99.9% “ジョーが大統領でないのは国家的な損失だ”


- (ティモシー来韓当時「ここがジョーの国ですか」)


- 東京に住む在日だけど、こっちの奴ら今、ジョーはジョー善意国策だ、秘密裏に実験成功した生体兵器だ、また慌ててパネル持ってきてリアルタイム脳内お花畑してる。マジ面白い。


- 理解はできる。私もこの狭い半島、一体どこからワールドクラスのランカーがこんなに出てくるのか疑問だけど、もうワールドランキング看板保有国...... 愛国心致死量


- 上のコメントを受けて、ちょっとマジレスすると、これマジで波及力デカいと思う。今まではワールドランキング1位のマッドドッグが無国籍な上に匿名だから、2位のティモシー・リリーホワイトがもてはやされてたけど。今は厳然と1位がどーんと存在してるじゃん。国家の威信からして変わると思う? ただでさえ韓国は人口数に対してランカーの質が一番良いから(ちなみにSPI都市安全性部門毎年1位 先進国の中で亀裂死亡率が一番低い)、ソウルの外国人居住割合がどんどん高くなってるけど、どれだけ増えるか想像もできない。


↳ - 不動産爆上がりしますか


↳ - ここからさらに上がると?


- ジョーがワールドランキング1位になったの初めてじゃないよね? 私も当然嬉しいけど、みんな騒ぎすぎじゃないかと思う


↳ - 降りてきて7年くらい経つ...... そしてその時は1世代の頃だから、3世代が主軸の今とは比較できないでしょ。マッドドッグが出てきてティモシーが人気になって、ワールドランキングはずっと3位に張り付いてたから..... ジョーがいくらインパクト「ヤバくても、結局あいつらより弱いって言われて、煽りも結構多かったけど、論争終結させたってこと。


- ジョーオタ大解放の日。ティモシー、今まで呪っててごめんって、急に自分たち同士で仲直りして騒ぎになってるし


- (過去記事リンク) ティモシー・リリーホワイト「北東アジアのファンが針を刺した藁人形をプレゼントしてくる、気持ちはありがたいが自制をお願いしたい」


↳ - ティモシーに罪はない....お姉さんが悪かった....


↳ -ごめん


- え、あれ何? 初めて見たんだけどヤバくない? 共感性羞恥ヤバい。 ジョーオタマジで過激でヤバくてすごい。


- ティモシーファンだけど、これこんな風にユーモアのネタにされることじゃないよね。ジョーファンまだ謝ってないじゃん。見てて不快だわ。


↳ - バカだろ。


↳ - うん、不快なら売国奴チングはそのままコケて死んで早く楽になってね。 神に不敬を働いて生きてるお前の存在自体が間違い。


↳ - (申告によりブラインドされたコメントです。)


↳ - (申告によりブラインドされたコメントです。)


- ああ、ヤンキーたちが押し寄せてきた。ジョーヤンキーたち。


- ジョー負けるのジョー...... ジョーパンダのジョーパン...... そのハンターにそのファン。


- 誰かがまた座標 撮ったりしたのか、やめて。あいつらマジ狂人だからリアルに怖い


- ティモシーファンだけど、これこんな風にユーモアのネタにされることじゃないよね。ジョーファンまだ謝ってないじゃん。見てて不快だわ。じゃあジョーが旧世代だって仮説は事実上終わったってこと? 天祖国 (アメリカ) の1位がリミッター付きの旧世代に負ける絵は到底想像できないんだけど


- ウン・ソゴンさんのケースもあるけど、ジョーファンではジョー様はほぼ20代後半からマックス30代半ばくらいだと推測してます。



- Q. 死ぬ前に魔術師王の実物拝める可能性は?


↳ - A. お前は絶対無理


- Q. 超イケメンだジョー vs 超ブサイクだジョー


↳ - ?? 性別も知らないのに何。


- クールタイムが溜まるたびに、ほぼ執着レベルで気になる。 本当は何してる人なんだろう......






* * *


浪人生だ。


戦績6戦6敗。


不合格の支配者。


完敗の美大受験生。


キョン・ジオ (現ワールドランキング1位) はぼんやりと目の前の建物を見上げた。


ランカー保有数がすなわち国格であり国力である今の時代。


「眠っているうちの家の1位が、世界1位を持ってきてしまった!」式の展開で全国民が愛国心に酔いしれて国がひっくり返っているこの時点。




各種〈王座奪還爆弾セール〉、〈王の帰還割引イベント〉の垂れ幕で塗り固められた繁華街の真ん中。


ジオは〈全員合格! 合格率100%の神話!〉の立て看板の前にぼうぜんと立っていた。




「......入試のスペシャリスト...... 死んだ学生も生き返らせる入試界の華佗......」


いや、誰かを生き返らせるほどなら、そのままハンターをすればいいのに、なぜ......?


「キョン・ジオ、そこで何してるの! 早く来なさい。」


「......イエエエ。」


「返事短くしないで?」


「はい。」


エレベーターの前。 パク・スンヨは緊張した様子がありありと見えた。


今日の服装も穏やかなヤクルトレディの格好ではなく、完璧な戦闘モード。


某有名ブランドで最上位ランカーたちだけに限定版として配ったという魔石が埋め込まれたバッグまで持っている。


「あんた、服はそんなのしかないの?」


来た。


ナーバスになった母親の攻撃1番。 服装の指摘。


「最新の流行りのスウェッグなんだけど。」


「スウェッグって何よ、ソウル駅のホームレスも乞食だと思ってオエッとするわよ、この子が。 あんた、私がインターネットで服を買わないで、行って着てみてから買いなさいって言ったでしょ、言ってない? 髪型はまた何よ? すぐにこれ外さない?」


「 私のヘアバンド! 私のヒップホップスピリット!」


「こんなのばかりしてるから精神状態があのザマなのよ! あんた、今回も大学全部落ちたら戸籍から抜くからね!」


「そこに行くのが人生の全部じゃないのに! 大学もいつもお母さんの好み通りにショッピングするように選んでるくせに!」


ギャーギャー。


キョン・ジオが無意味な抵抗を試みました。


パク・スンヨの激怒が返ってきます。




「行かなかったら! え? 大学に行かなかったら! 何をして生きるのよ! あんたは寄生虫なの? 寄生虫はカンヌで賞でももらってくるわ、この疫病神!」



[あなたの聖約星、「運命を読む者」様があそこの母娘のエレベーターが来たと知らせます。]


背中を2回叩かれたジオが涙ぐみながら乗り込んだ。



ハーハー


息を荒げている。


「に、2回も叩いた! お、お父さんにも叩かれたことないのに......!」


「父親もいないくせに生意気な。 静かにしない?」


ノーブレーキの親に対する侮辱。


ジオが驚愕して口を閉ざした。


「あ、あんなサタンも見抜けなかったと挨拶するおばさんみたい。」


負けたけどよく戦ったという星位の無意味な慰めと共に、デスクに到着。


全7階の建物は、入試生たちの血と汗と涙をどれだけ搾取したのか、見えるところ全てがピカピカと派手だった。


そしてここが、意気揚々と帰宅したが現実は家出した浪人生だったキョン・ジオのラストチャンスになる場所。





昨夜。


すすり泣きながらひざまずいたワールドランキング1位に、パク・スンヨは最終通告した。


「あんた、今回が最後よ。 本当に苦労して紹介してもらったところだから、もしここでもダメなら、江原道 (カンウォンド) の普賢 (ポヒョン) 、お坊さん のところに行きなさい。 世俗から離れなさい。 わかった?」


「は、はい、従いますう......!」


「まず、うちのオプティマスは各クラスごとに定員を最大5人に制限する少数精鋭で運営されます。 1:1のオーダーメイドカリキュラムを提供し、担任制度で完璧に生徒たちを管理する体制です。 一般科の生徒はおらず、芸術およびハンター系列の生徒たちだけを集中的に指導しています。 ですから、こちらではかなり競争率が激しいのですが...... 聞くところによると、ソンヨンの母親の紹介でいらっしゃったと?」


「ソンヨン、絶対に許さない。」


「ソンヨンのような場合は、もともと模範生だったこともあり、そのような生徒の幼馴染ということで、うちも快く受け入れましたが......」


「ジン・ソンヨンは私の仇。」


「生徒の未来がかかっていることですので、率直に申し上げます。」


「はい、先生。 傾聴いたします。」


一糸乱れず髪をきつく結い上げたキム・ジョヨン先生がジオの成績表をドンと置いた。


まるで汚いものでも触ったかのように。


「この生徒は見込みがありません、お母様。」




".....!"


「目標大学をH大にされているとお聞きしましたが、ソウル市内はもちろんのこと、首都圏への進出自体が不可能です。 よほどの地方大学もこのような成績の願書を受け取れば恥辱に思うでしょう。」


「生徒の実技の実力がピカソ級でない限り、大学進学は諦めて今からでも早く技術を学ぶべきです。 これまで教育ではなく飼育をなさっていたのですね。」


「き、キム・ジョヨン先生!」


先生、ダメです。


うちのジオをH大に行かせないといけないんです。


「私の能力では無理です。 ですから申し訳ありませんが、相談はここまで......」




チャッ。

パク・スンヨが机の上に音を立ててバッグを置いた。


キム・ジョヨンの目が揺れる。


「ちょっと。 あれは、エルメスのランカースペシャルリミテッドエディション.... ?」


「こんな話まではしたくなかったのですが。」


ランカーママが力を隠す。 力隠しママ、パク・スンヨが言った。


「私の息子がキョン氏でジロク という名前です。」


"......!"


"......"


「息苦しい......」


二人の大物の駆け引きに挟まれたエビ、キョン・ジオが肩をすくめた。 世界よ、ワールドランキングを助けて。



そしてそうして、実力者同士が交わした無言の攻防後。


沈黙していたキム・ジョヨンが手を動かした。 あちらに片付けていた成績表をゆっくりと持ち上げる。


「......うちのオプティマスプライムは強度の高いスパルタ式で有名です。 耐えられますか?」


「はい。」


「どんなことがあっても耐え抜くという意味でお聞きしました、お母様。」


「先生だけを信じます。」


「わかりました。 では、ジオの成績は全面的に私にお任せいただき、お母様はただジオの健康だけを気にかけてください。」


ようやく和らいだ雰囲気。 丁寧に二人の女性が握手した。


「立派な息子さんをお持ちですね。」


「何を仰いますか。 三匹のうちの一匹をやっとのことで助けれています。」


「では、もしかして末っ子もこのような成績......?」


「あの子はユーチューバーです。」


「お悔やみ申し上げます。」


「くそ。」




ジオは何かを噛み潰したような表情でその場面を見つめていた。


そうこうしているうちに、全国がお祭り騒ぎのように浮かれている春の日。


窓の外には、ソウル市が今日の午前中に飛ばしたという「ワールドランキング1位 ジョー」の文字を刻んだ黒龍アドバルーンが浮かんでいた。


悠々自適。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ