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227話

「どうして、一体どうしてそんなことを! 私のせいで叔父さんまで……!」


「気まずいな、この雰囲気。誰かのために犠牲になったとか、そういうわけじゃなく、ただのミスだったんだよ。」


少し前にあった会長の古希のお祝い。


可愛くない姪が、さらに可愛くない格好をしているのが気に食わなくて、原因に見えるものをバッグからこっそり盗んだだけだった。


「事がこんな風に流れるとは思わなかったけど。」


本意ではなく善良な怪盗アルファになってしまったジョン・ギルガオンが肩をすくめた。


「問題は、この状況になっても、これが一体何なのかさっぱり分からないってことだ。私が触ってはいけないものに触れたのは確実に見えるんだけど。」


「マジで勘弁して……」


「そんな死んだような顔をするな。ここに解決士がいらっしゃったんだから、何が問題だ。私は本当にさっき入ってくるのを見て、サンクトゥスが聞こえるかと思ったよ。ハハハ。」


「え。私も解き方知らないんだけど。」


「……え?」


「私がそんなことどうして分かるの。このおじさん、初対面なのに望みすぎ。」


「ご近所さん、どうしたんですか。か弱い庶民が不安になるじゃないですか。」


「私を知ってるんですか? ああ。それが全部広まったら、あんたは黄泉の国行きだってことは分かった。前もってお悔やみを申し上げます。」




やめてください。虎と白鳥を知ってる? 私、彼らの友達だ。人脈から繰り出す大企業の理事様。


知るもんか、私は自分より年上の奴とは友達にならない。ひたすら知らないふりをする、最強の編入生。


プライドの高い二人の天才の熾烈な口論が続いた末に。





ターン!


テーブルの上に置かれた宝石箱と木彫りの箱。


原因からちょっと調べてみよう、二人の合意点がようやく一致した。


「さっき申し上げたように、始まりは小さな欲でした。」


そうしてついに、呪い事件のトラブルメーカー、オローズの回想が始まった。


「実績、実績か……。」


ようやく覚醒し、世界の魔塔に名を連ねたばかりの駆け出し、オローズ。


CCC級覚醒者と最終判定された彼女の魔法使いとしての職業階級は、魔塔の最小登録基準をぎりぎり超える4等級。


そのため、魔塔内のレベルも末端の、Lv.1:入門者に過ぎなかった。


「レベル3(弟子)までは望まない。レベル2(修行者)だけでも……」


その時から魔塔の正式な一員として扱われるため、アクセス可能な恩恵の領域が完全に変わる。


基本サポートされるスクロールと霊薬のレベルが変わるのはもちろん、各種スキルが込められたスペルブックまで。


魔協と連携するため、社会的特権も手に入れたも同然。


魔法使いとしてはまさに願ってもないロイヤルロードだった。


なぜ多くの魔法使いがいつも魔塔に閉じこもっているのか? 全部そのレベルアップのための功績のためだった。


「あの魔術師王が直接実績うんぬん言った品物だよ。これなら一体どれだけ功績値が……。」


欲が出る。すごく。


オローズは憑りつかれたように宝石箱を開けた。


「最初は本当に研究だけするつもりだったんです。どうせレポートに上げようと思ったら、アイテムの状態も確認しないといけないから。ところが……」


「何よ、これ一回限りなの?」


箱を開けると出てきたのは、砂岩さがんに埋め込まれている、無骨な木彫りの箱だった。


それまで開けてみると、中には、黒色の乾ききってねじれた木の枝。


伸びた枝は全部で三つだったが、


上級鑑定注文書を数十枚も使い果たした末に、ようやくアイテム情報が開かれた。






► ??? (?)


> 分類:シナリオアイテム


> 使用制限:3回使用可能(消耗性)、インベントリ保管不可


— 所有者の願いを3回に限り、何でも叶える。








「し、シナリオアイテム?」


消耗性の文字だけ先に見て失望したのもつかの間、オローズは慌てて口を塞いだ。


「まさか、こんな幸運が……」


「シナリオ」の文字が付いたアイテムはすべて、世の中に影響を与えるほどの威力的な力を誇った。


噂によると、〈バビロン〉のギルド長が所有する「ロンギヌスの槍」や魔塔主マーリンの「樫の木の杖」がこれに該当すると。


オローズ自身のレベルが低くてアイテム情報を全部読むことはできなかったが、これだけでも奇縁レベル。


木の枝を握るオローズの手が興奮で震えた。


とりあえず、とりあえずはテストとして一度使ってみよう。すぐに確認が可能でないといけないから、簡単なのがいいだろう。


「うーん……例えば明日休講とか?」






ジイイイン。


[覚醒基礎理論休講案内]


明日(8/14、金)教授の都合により休講です。補講日程は後日お知らせします。


効果は鳥肌が立つほど即効性。


パサッ、すぐに粉になって消える枝一つと休講の文字を交互に見ながら、オローズが呟いた。





「一体正体は何だろう……?」


三つの願いに関連する伝説は世の中にありふれている。


その中で魔法のランプは一目瞭然違うから除外、グリム兄弟ともあまり関係はなさそうだけど。


「……あっ! もしかして猿の手?」


ウィリアム・ジェイコブズの猿の手かもしれない。見ていると動物の手のようでもあるし。


「でも猿の手は所有者を不幸にするのに……」


今も不吉な気配が感じられないわけではなかった。


しかし、ハッと、アイテムはアイテムに過ぎないという考えがよぎった。




堕落、魔気……。このような文字が付いたアイテムを使用する覚醒者たちはとても多いのではないか?


むしろそのようなものは見方を変えれば、強いアイテムの象徴でもあった。


「そうだ。みんな使ってるのに、私だけ使えないってことはないだろう? こんな奇縁を逃したら、それこそバカだ。」





梅雨、窓の外では土砂降りの雨がザーザー降っていた。


雷が鳴る。


オローズは生唾を飲み込んだ。


お金なら有り余るほどあった。願いたい願いがあるなら、ただ一つだけだ。





「私を強くして。同期たちよりもっと……」


「ス、ストレスが大きかったんです。同期たちはみんなトリプルA級、B級とか……無視していた友達まで私より優れているから、とてもプライドが傷ついてつい……」




軽く考えていた休講の原因は、実は教授の父親の喪中であり、周りの友達は一人ずつ能力を失っていった。


何かがおかしい。


オローズはハッと気づいたが、すでに事態は手に負えないほど流れていた。


彼女は逃げるように京畿道の別荘に隠れ込んだ。怖くて、また怖くて。




「すみません。本当に……」


オローズが両手で顔を覆う。後悔混じりのすすり泣きが続いた。


しかし、その謝罪はこちらにするものではなかった。




「とりあえずローズさん、少し休んでください。とても疲れているようですから……」


ユン・ウィソが衰弱したオローズを妖精の粉で眠らせた。


静寂が訪れる。





トック、トック。




ジョン・ギルガオンの指が肘掛けを叩く音だけが鳴り響くことしばらく。


「……本当に猿の手なのかな?」


低いジョン・ギルガオンの問いに、キョン・ジオが即答した。


「的外れだ。」


人間の創作から生まれた伝説は古く、広く知られるほど力を持つ。


20世紀に発表されたイギリスの作家の怪談がこれだけの力を生み出したはずがない。それよりはずっと……。


「根本的で危険なものだろう。」


だから触りたくなかったけど、はあ。仕方ないか。


「お星さま。」


[星位、「運命を読む者」様が、ねえ、これ読んだら私たち仲直りするのよ? しっとりと囁きます。]







► 悪意に汚染された世界樹の影の枝(神話)


> 分類:シナリオアイテム


> 使用制限:3回使用可能(消耗性)、インベントリ保管不可


— 亀裂を通じて滅亡した霊界から流れ込んできた世界樹の最後の破片。堕落した怨霊と世界樹の恨みが込められている。


— 所有者の願いを3回に限り何でも叶えるが、その直後に運命を食い尽くす影の霊獣のターゲットになる。


主要効果:願い成就


> 使用ペナルティ:死亡






わあ、そうなんだあ。シボウ……。


「おい、あいつ起こせ。」


「はい?」


「クソ、一体何を寝かせておいて、のんきに寝てるんだ? すぐに起きないか? おい! オ・ジャンミ、お前ヤンキーか?」


「うわっ、ジオ様!」


ヒューズが切れて蹴りを入れるキング・ジオと、それを止めようとする常識人ユン・ウィソの一騒動が過ぎ去り。


ドサッ、ソファに再び座ったジオが腕を組んで上体をかがめた。


気を利かせて脈絡を読み取ってしまったジョン・ギルガオンは、自分が笑っているのが笑っているのではない状態。



「ギルよ。」


「はい、先生。」


「遺言状は準備しておいたよな……?」


「周りの整理をしっかりして……来世では私生児じゃなくて、必ず良い家の愛される子供として生まれよう。うん。頑張って……!」


花のような三十代の私の人生、本当にこのまま終わりなのか。


ジョン・ギルガオンのメンタルがコーヒー豆のように砕かれるその時。ジオも気が重いのは同じだった。


あの茶髪の奴……


ちゃらちゃらしてドラマオタクをやってばかりいるけど、キング・ジオのキング大韓民国で大きな場所を占めているビッグ3の一人なのに。


「大戦争が来るじゃないか。」


ジョン・ギルガオンは盤に必ず必要な駒だ。


老将は死に、君子はひたすら自分の場所を守る。


俳優もまた生きて、キョン・ジオの、この国の最も多面的で変化に富んだ切り札として機能しなければならなかった。


今まで彼がそうしてきたように。


「お前が早く死んだらちょっと困る。」


「……嬉しいな。意見が一致したね。私も同じだよ。広げておいた仕事が多くて、短命は困る。」


「ふむ。」


「すぐに対処条件は分からないってことだろ?」


「まあ。」


「ああ。」


「やっぱり結論はあれか。」


平然とやり取りしていたジオとジョン・ギルガオンの視線がぶつかる。二人は同時に呟いた。


「モロッコ。」


「モロッコ。」


方向はすっきりしている。見えない答えを探すためには、問題が発生した原点に戻ってみるしかない。


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