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221話 13. アイテム泥棒が義賊ホン・ギルドンになる

「この狂った野郎が……!」


「警戒せよ、番人!傲慢不遜で無責任な星々と、この世界の敷居を勝手に往来する怪物ども。あの忌まわしい侵入者たちを!」


魔女の太い声が、あたりに響き渡った。舞台の上の役者が台詞を吟じるように、観客を号令するように。


不意の奇襲に気勢で押されたキョン・ジオが、顔をぐしゃりと歪めた。


……殺さなければ。殺してしまわなければ。


そう決心した瞬間、パッと力が抜ける手首。




「これが、お前を敵対する『番人』たちの心理。また、彼らが義務だと信じて主張する論理」


触れ合っていた体が離れる。クロウリーが苦笑した。


「たかがこの程度で動揺してどうする?ジオ」


「バベルだけができるんじゃない。ご覧のとおり、聖位とお前の連結を断ち切ることくらい、すべての番人たちにできることだ」


東の普賢は中道。


北の私は確かな味方。


「だが、南と西は常に、お前を警戒中だという事実、忘れるな」


保守的な番人たちは常に、一線を越える者たちを警戒する。世界の根幹を脅かす者たち。


魔術師王は今、危険ラインだ。星との連結は5分後くらいに復旧するだろうと、クロウリーが付け加えた。


ジオは立ち上がった。


「なぜ塔を上らなければならないか、分かっただろう。お前はもっと成長する必要が……。」


— バチン!


一時的に魔力が遮断された体は、刺激にひどく弱かった。クロウリーの頬を叩いた手全体が、火傷したようにヒリヒリと熱くなる。


だが、構わない。


ジオは抑揚なく言った。


「もう一度。顔を上げろ」


バチーン!


「ハ、ハ……」


立て続けに二度殴られたクロウリーが、作り笑いを浮かべた。


キョン・ジオの手が、その胸ぐらを掴んで引き寄せる。見下ろす眼差しは、無情で乾いていた。


「馴れ馴れしくするなと、最初から警告したはずだ」


「まあ、どれほど親しかったのかは知らないが。お前一人で覚えているその親睦、知ったことじゃない」


私は今日、お前を初めて見て、お前が見る私も今日が初めてなのだから。


「だから、一線を越えるな、この礼儀知らずのクソ野郎。この部屋を出るや否や、お前が大事に作っておいたあの吸血鬼人形を、粉々に砕いて壊してしまう前に」





「私にお情けがあるように見えるお前と違って、私はそんなものに情けをかけるつもりは一切ない」


「分かったか?」


目には目を。歯には歯を。


私から最も大切なものを、一瞬でも奪い去ったのだから、相応のことで同じように仕返しするのは、あまりにも当然のことだ。


キョン・ジオの脅迫には、本気が込められていた。分からないはずのないクロウリーの顎に、グッと力が入った。


「……肝に銘じておく」


タッ!


腹いせ99%の警告も終わり。


戻ってくるという確約も得たので、気分も晴れやか。自分のペースを取り戻したキング・ジオが、ニヤリと笑った。


クロウリーの頬を軽くポンポンと叩いて、再び席にドサッと座る。


「とにかく。ひどく出しゃばるだけだが、意図がそれほど悪くは見えないので、許してやる」


「……言っただろう。味方だと」


「では、『運命の糸車』も見せてくれるのか?」





突然?一息つこうとしたクロウリーが、再びハッとした。


ジオがじっと顎を突く。






「気分の悪いものだけど、世の中の流れを読むのに、それより良いものはそう多くはない」


虎から聞いた話だった。




神物シンムル」は誰にでも見せるわけではないが、お前なら無理はないだろうと。


「それは『見せる』ものだと言ったな。お前の言葉は、さっきの件で信用度が地に落ちた。だが、直接的な証拠があるのなら話は別だ」


私の目で直接確認するなら、何が問題だろうか、そうだろう?


ジオが自分の目元をトントンと指さした。


クロウリーの溜息が深くなった。


「はあ……。『運命の糸車』も答えを見せてくれるわけじゃない。それは本当に、世の中の流れが込められているだけのものだから」


「案内文はよく聞きました。さあ、約束した物を見せてください」


「一体いつ約束したんだ……このごろつきめ……」


クロウリーは明らかに、もっと多くのことを知っている。


曰くありげな奴らの特徴:私はすべて知っているが、お前のために話すことはできない、という物憂げでスッキリしない眼差しを常に装着。


言葉どおり、その糸車が見せてくれるものが、望む答えではないとしても、まあ、どうだろうか?


このまま初対面の奴の言葉だけを聞いて立ち去る、スッキリしない気持ちより百倍千倍ずっと


マシだ。


「二度と会うこともないのに、得をしなければ損だ。当然だ。コスパ重視の韓国人だ」


苦労して来た外国の地で、元を取って帰るという韓国人の決意。一歩も引けないという意志が固かった。


これは、勝てない……。


悩んでいたクロウリーが、仕方なく空間を割った。サララン、澄んだ音とともに登場する長い杖。


「……ひょっとして私を恨むなよ。要求したのはお前だから」


「絶対しない」





チャキン!


その先端が床を叩きつけると、そこを基点に絵の具が広がっていくように、周囲の風景が変化した。


照明、テーブル、椅子。部屋を満たしていたホテルの家具がすべて消え去り、面と線もまた、赤色の中に飲み込まれていく。


やがてジオは、空間が完全に分離されたことに気づいた。


クロウリーが呟いた。


「少し混ざるだろうが……一部なら大丈夫だろう」


どういうことかと聞き返す間もなく、空間の中央。その下から浮遊するように、赤い水流を分けて現れた……


白色の巨大な糸車!


一面が赤色一色である空間で、一人だけ欠点のない白色は、視覚的に圧倒する部分があった。




サアーッ、サアーッ、サアーッ。


現れた時から忙しなく回転している


糸車に、ジオが我を忘れて視線を奪われている頃。





【境界の神物シンムル、『運命の糸車』と遭遇しました】


【神物の影響圏内です。意識強奪に注意してください。3、2……】




「な、に……」


「しばらく眠りにつくだろう。安心して。長くはない、三日ほど?それではまた後で会おう」


「それを今言うのか……


スルスルと、完全に目が閉じた。


そして遠ざかる精神の向こうに、ぼんやりと聞こえる声。


【一足遅かったか】


「落ち着け。味方だということはそちらも知っているだろう。私は『彼女』の……」





めまぐるしく短い映像の行列。


キョン・ジオはこれと似たような経験を、すでに経験したことがある。以前、蔚山で「終末の予知者」ホン・ダルヤと会った時。


だが、それとは少し違った。


はるかに古く、遥かな……。


「寒いな」


最初は、みぞれが降る日。


水分を含んで濃くなった灰色の髪をかき上げながら、男が身をかがめた。


「幼く見窄らしいが、今日死ぬにはあまりにも惨めだな。私と一緒に行くか?」


場面が切り替わる。


雪景色の中の通りを歩いていく男の後ろ姿。腕に抱かれた方は


見えなかった。


彼が抱いた腕を整えながら、冷たいが、優しい眼差しで囁いた。


「■■■■。お前の名前は■■■■にしよう。」


笑えるほどお前には大げさな名前だが、運命は名前に従うものだ。


「■また分からない。お前の運命でその名前を飲み込む日が来るかも」


再びヒュルリ、と変わる場面。


今度は走っていた。




ハアッ、ハアッ!


休まず走って荒くなった呼吸のせいか、それとも他の何かのせいか分からない。心臓が騒がしくドキドキと鳴った。


橋の向こう側、ずっと待っていた人が見えた。馬から降りた彼が、どうしようもないというように眉をひそめた。笑顔に似て。


「まさかここまで走ってきたのか?どうかそうじゃないと言ってくれ。参ったな」


「殿下!」


「ウィンターと呼んでくれと言っただろう」


小さく答えながら、公爵が自分の腕の中に飛び込んでくる恋人を、優しく抱きしめた。


「……会いたかった、私の■■」


保養地として有名な夏の聖都は、目を向ける場所すべてが、絵のように美しかった。


しかし、雪のように白い花びらが落ちてくる木の下、この都市よりもさらに輝かしい男。


閉じられていた彼の瞼が上がり、視線が合う。自分を見ると自然に緩むその目元を、彼女は指先でなぞってみた。


王朝さえ見下すこの人が、ただ自分にだけ見せてくれる顔であることを知っている。


「私をなぜ好きなの?」


「……可愛いから?」


「嘘をつかないで。死ぬ?なぜ好きなのかと聞いているの」


「私がいくらお前に夢中で正気じゃないとはいえ、こんな幼稚な問答までは付き合ってられないな」


「時々怖いんです。夢ではないかと。殿下が勘違いしているのではないかと?最初から私を知っていたかのように振る舞ったじゃないですか」


もしかしたら他の人と勘違いしているのなら……。


下唇をぎゅっと噛むと、彼が腕を伸ばしてきた。


「力を抜け。怪我をするぞ」


慎重に唇を撫でる指。低い囁き。


「勘違いするはずがないだろう。無知で残酷な言葉を平気で口にするな。お前をどれほど長い歳月、見守ってきたと思っているんだ……」


理解できない言葉だった。


顔をしかめると公爵が立ち上がり、彼女もまた立たせた。


「それでもまだ不安なら」


彼が優雅で丁重な身振りで、片膝をつく。


風に乗った白色の花びらが、わさわさと彼らを包み込み、かすめていった。


今、目の前の姿勢の意味を彼女は知らないはずがない。


込み上げてくるものを必死に堪えると、公爵がまだ始めてもいないのに、フッと笑った。


「私の肉体と魂が熱烈に崇拝するあなたに、恐れながら永遠を約束したいと願います」


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