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216話

白い光が暗雲を突き破り、巨大な布が風になびく音が皆に聞こえた。


出陣式の旗のように虚空に垂れ下がる伝説の旗たち。


栄光の紋章、犠牲の紋章、献身の紋章……そして守護の紋章。


十字架の下で揺れる金髪、青い空を抱いた瞳が聖力で輝く。


ティモシーの眼差しが断固たるものになった。


旗と共にいつの間にか生成され


垂れ下がっている敵の頭上の巨大な盾。また、彼の両手に握られた白光の強固な鎖。四方に満ちた聖なる加護の中で、かつて羊飼いだったメシアが叫んだ。



「 [Expedition Sacra!] 」


[聖騎士9階級究極守護 - ‘聖戦再現’]



チャガ・ガン!チャガ・ガ・ガ・ガ‘—!


上には盾。正面には騎士。


両側から繋がった、光でできた鎖が魔獣を強固に縛り付けた。



キャアアアアアク!


ヘッジホッグがもがく。


それに対抗し、一人の人間が作り出した、荘厳とさえ言える戦闘。


遠く、また別の上空でナ・ジョヨンは、無我夢中で見入っていたが、気づかぬうちに呟いた。


「あれが、世界一の盾……!」


最も広く知られている神話の中の盾の名前。「イージス」は彼のギルドの名前だったが、同時にギルド長のティモシー・リリーホワイトそのものを指すこともあった。


しかし、すごいとただ見物しているわけにはいかない。


性質の悪いハリネズミが発悪するたびに飛び出す火の玉と火炎の棘が地面をひどくめちゃくちゃにしていた。


「盾」は決して敵を殺せない。それが万古不変の真理だった。


だから。


トボク。戦場の「槍」、魔法使いが歩いて行った。


ヘリの中、ドアに向かう緊張感のない足取り。


「おお……」


「落ちる……!」


足取りが止まらないので、周囲の人々が驚いて身をすくめた。


しかし、そのまま平然と虚空に踏み出す足。


墜落を恐れるのは飛べない者たちだけ。揺るぎなく上空に立つ王が敵を見下ろした。


盤を一気に終わらせる最も強力な槍。依頼人たちの注文はなかなか難しいが。


「難しくはない。」


いつもそばで見てきたから。


「[領域宣布。] 」




チャララララク。


そしてまさにその時。


[獣王種「炎王ヘッジホッグ」が致命的な脅威を感知し、眷属を召喚します!]


[「う、危ない!お気をつけください!」]




クァン、クァン、クァクァン!


ヘッジホッグの真っ赤に燃え上がった丸い棘の隙間、そこから不意に飛び出した黒赤色の火の玉たち。


爆裂する岩石の破片のように猛烈に突進する。


回転しながら飛び上がるその数は数え切れないほど多かった。




ちくしょう、見たことのないパターンだ!


ジョナサンが驚愕して叫んだ。



[「あのろくでなし、気が狂ったか!今まで手を一つ隠しておいたようだ。こうなると援護が必要……


「いるよ。」


ジオは平然と笑った。


「援護して、スナイパー・ギュニギュニ。」


「……その名前で呼ばないでって言ってるだろ。」


「くそったれの酒、今年は本当にやめるか。」


10年以上も実現されていない決意を再びしながら、キム・シギュンが銃身を肩に担いだ。




チャアク!


変わった外見は近代式ライフル。


現代社会では歴史の中の廃物に過ぎないが、これが彼の銃が持つオリジナル原型だった。


だから最も威力的な。


解かれた封印式がヘリの床を転がる。銃身に刻まれた魔力文字列が黒青色に燃え上がった。


キム・シギュンが淡々と詠唱した。



「[塵から出たのだから塵に帰れ。] 」


[積業スキル、8階級最上位結合技術 一 ‘鎮魂の時間(Time for Requiem)’]




覚醒者のタイトルと装備、二つのシンクロ率が完璧に調和した場合に生成される特殊スキル。


時間が遅くなり、速度は加速され、最後に弾丸は…。


増殖する!




タン、タン!タン!


様々な方向に曲がった真っ青な弾丸が敵の手下たちを抹殺した。


名射手の銃が捉えられなかった敵は、魔法使いの強力な結界を突破できずにぶつかって溶けていく。


ジオの口角が上がった。


脆弱な雑魚たちが時間を稼いでくれることに少し自尊心が傷つくけど…….


「仕方ないか。信じてみるしかない。」


[世界傾斜]の後遺症、そして具現化を初めて試みる神話の実現には厳格な演算が要求される。


ひたすら今、司書の目にだけ見える巨大図書館と時計の針たち。


キョン・ジオは彼らが要求する術式計算を止めずに言った。


「ジョヨン、あいつ死ぬぞ。」


ヘッジホッグが呼び寄せた眷属の余波はこちらだけに及ばなかった。


むしろ最も近い場所なので被害はさらに大きかった。


鎖を力いっぱい握った腕。


炎王と力比べ中のティモシーの鎧の上に火の玉が絶え間なく落ちてくる。


ぎゅっと、歯を食いしばった顎に必死の力が込められた。しかし、体を焼く苦痛にもティモシーは一歩も退かなかった。


そうやって戦士の意志が崩れない限りは…….


ヒーラーはいつも彼の限界を広げてくれる準備ができている。




「どいてください。私の王が私を呼んでいらっしゃる。」


パタパタ、癒しと助けの象徴、白色ローブがひるがえった。


火の嵐の戦場の上に長い茶色の髪がなびく。


激戦地が見下ろせる空。


ギリギリのヘリの入り口の前でナ・ジョヨンはひざまずいた。


ほんの数日前、リヴァイアサン討伐の時に一度やったことがあるので、方法はすでに知っている。今この瞬間、自分に必要なのは。


「私の主に向かう、絶対的信頼!」


聖霊が宿った茶色の瞳が決然と輝いた。


ナ・ジョヨンは首にかけたロザリオを敬虔な身振りで取り出した。


「[以下、祈ります。]」


ファーストタイトル、


救主(救主)の灯。


開花の末にバベルが評価したこの司祭の階級は7階級。まだ成長中なので、すべてのスキルを使用することはできなかったが…….


彼女の偉大な魔法使いは不可能を奇跡に変える。


「 [あなたの右手が私を掴み、私の穏やかさがあなたを偉大にする。] 」


「あなたの右手が私を掴み、私の穏やかさがあなたを偉大にする。」


重なる二つの異なる声。


ナ・ジョヨンの祈りをキョン・ジオが後に続いて唱えた。まるで音を支えるかのように。



彼に続いて微弱な聖力の上に積み重なる爆発的な魔力。


ルーカス・マロンが驚愕して彼らを見つめた。




「増幅詠唱!魔力で聖力を補助すると?こんなありえないことを…」


それぞれ異なる上空で髪が同じ意志でひるがえった。


静かに始まったナ・ジョヨンの声がキョン・ジオの声から力を受け、ますます強固になった。


「[私の声を聞くあなた、方向を見つけるだろう。あなたの声を聞く私、倒れないだろう。] 」


「はあ……」


ティモシーは上を見上げた。


空が開いていた。


暗い炎の中でまるで雨のように降り注ぐ光の筋。そして戦場を埋め尽くす灯の賛歌。


「 [かくしてこの栄光ある賛歌を聞くすべての者、対抗者の前に再び立ち上がりそびえ立つだろう

!]」




[プリースト7階級高位神聖祝文 一 ‘戦場のアリア (War Aria)’]



あああああああ----




燃え上がっていた傷跡が跡形もなく消える。


疲れた者を立ち上がらせ、味方の士気を呼び起こす聖なる光の賛歌。


光が灰と炎を払い除けた。


崩れかけていた盾が再び立ち上がる。遅くなっていた銃口が速度を取り戻す。祈る者の眼差しにはもう一抹の恐れもない。


完全に勝機が移った流れ。


現場にいる者たちはふと悟る。〈イージス〉の魔法使い、トビー・オルセンが敬虔な思いで呟いた。




「盤を……作ったんだ。」


このすべての勝利を作り出した者。


「今だ。」


魔術師王はついに終止符を打つ時が来たことを直感した。


ナ・ジョヨンの聖力を補助することくらい演算には何の邪魔にもならなかった。つり上がったキョン・ジオの黄金色の瞳が光った。



チャララララク。


顎の下まで迫った死。


それを感じた魔獣が咆哮する。



キャアアアアク!


足元の大地が溶岩のように煮え立つ始めた。


しかし、そうしたところで最後の悪あがき。


見えない世界を埋め尽くしていた文字列が軌道に乗って 帰る。 完成だ。




[該当キーワードに対する司書の理解度が高いです。]


[成功率が100%上昇します!]


[キーワード「聖槍(聖槍)」の具現化を進行しますか?]




足元に押し寄せる火魔の炎が少し滑稽で笑えた。


キョン・ジオは、にっこり笑った。


バンビが塔に入っていてよかった。小言は後で聞くことになるだろうから。


「ちょっと借りよう。」



ライブラリー、


具現化(具現化).


「運命を裂く聖槍聖槍 – ロンギヌスの槍』





クァガガガガン-!


そうやって全米が切実に願い、目を離さずに見守っている瞬間。


魔王の聖槍がもう一度歴史を分けた。


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