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152話

[現在、敵チームの生存人数 3/9名]


[敵軍の人員過半数の戦力喪失が確認されました。]


[魔竜軍、チャンネル「国家■■■■」の敗北条件(1)を満たしました。]


[帝国軍の圧倒的な大勝です!]


[インターステラトーナメント第3区域本選32強B組 一 WINNER: ‘国家大韓民国’]


お知らせが表示されたが、まともに目に入ってこなかった。 実はあまりにも早く表示されたようだった。


死は早く虚しいのに、怒りは余韻が長かった。


ジオは近くの床に落ちていた剣を適当に拾い上げた。 あの野郎の首くらいは切って広場に飾っておこうというつもりで。


タッ


「やめろ。」


しかし、それを遮る腕。 どこの人Bだ…… 振り返ったジオはそのまま剣の柄を投げ捨てた。 トゥク。


「目からも力を抜け。」


「力を抜けって、キョン・ジオ。」


「……いつ来たの?」


天敵に会って大人しくなったキングジオが目を丸くした。 純真無垢な偽りの眼差しだった。


普段通りの顔に戻ったのを見て、キョン・ジロクが短くため息をつく。 ぎゅっと握っていた手の代わりにジオの両頬を掴んでぐいぐい押した。


「さっき。ホン・ヘヤが2番目のオーナメントを開けて俺を解放してくれたのも聞こえなかったのか?」


「ああ••••••」


「ちゃんと気をつけろって、お前。 ここが家か?」


「だ、だって正当防衛無罪ジオ。 あいつが先に私の背中をめちゃくちゃ踏んで、私の髪の毛をこうやって掴んで、フィモリ長短にサンモ回しみたいに回して、めちゃくちゃだったんだぞ。 ああ、痛い。 ああ痛い。」


「……何?」


「いや、絶対そんなことはなかったと思うんだけど……!」


慎重に近づいてきたチェ・ダビデが


三浪生の誇張法を聞いて驚愕したが、ペク・ドヒョンが横で静かに首を横に振った。


「放っておいてください。 今触るとダメです。」


「なぜ?」


「シスコン始動しました。」


「こ のクソ、スポーツマンシップはどこへ行ったんだ、この雑種野郎ども……」


「……ちょ、ちょっと待って! リーダー! リーダー、落ち着いて、それは違うでしょ。 もう終わったのにロンギヌスをなぜ取り出す!」


「やめてください、ヒョン兄さん。 これは違うじゃないですか。 あの小さい子を殴る場所がどこにあるっていうんですか、クソ。 あのクソ野郎どもが。」


「ダ、ダビデさん! 何してるんですか! 早く勝利の鐘を鳴らしてください!」


「うわ! あ、はい!」


一体何が始まったんだ……。


目が完全にイカれた狂った鹿と、知らないふりを決め込んでいる涙ぼくろのヤクザ。


まだこの騒ぎに適応できていないチェ・ダビデが、慌てて鐘の前に駆け寄った。


途中でクリスマスの街のソロのように、自分の存在感を必死に消している魔法使いチョン某氏を目撃したが、とりあえず無視して。


「う、鐘は久しぶりだな……」


白鳥なしでは塔の登山を極度に控えているため、ほぼ数年ぶりと言っても過言ではなかった。


チェ・ダビデは妙な気分を抑えながら、きらびやかなクリスタルの鐘を力強く押した。



デエーン- デーン- デエーン。


《勝利の鐘が鳴り響きます!》


《勝者に星々の加護を!》


《バベルの塔49階攻略に成功しました。》


(49thフロア。メインシナリオ -〈星間トーナメントIゼロベース〉終了。》



近づいてきた帝国人たちが立ち止まり、その場でその音を聞いた。


一部の者が主張する仮説が事実なら、彼らは今鳴り響くこの鐘の音によって目撃したすべてのことを忘れることになるだろう。


何気なく彼らの方を振り返ったジオがハッとした。


じっと自分だけを見つめている老将がいた。 悲しげに泣いているその口の形は……。


「主君…?」


瞬間、奇異な気分に囚われる。 ある疑念が確信に変わる瞬間だった。


そうだ。 キョン・ジオはここを知っている。


独特な構造の浮遊島、見慣れた黒色の制服、そして見覚えのある外見を持つここの人々。


「西王母の酒宴…… あそこで見たあの場所だ。」


「ちょっと待って。 なぜ広場に移動するというお知らせが表示されないんだ? ちょっと待って。」


眉間にしわを寄せたキョン・ジロクが鐘がある場所へ歩いて行った。 考えに耽っていたジオも、何気なく歩き出した瞬間。



グワアク!


ハッ! ジオは急いで息を吸い込んだ。


確かに死んだと思ったストライカーの手が、自分の足首を力強く引っ張っていた。



何だこれは! 驚愕して振り返ったが。


「[どこへ行くんだ、このアマ、一人で行こうとして!] 」



それは、絶対に人間ではなかった。


耳をつんざくような鬼哭の声。


深くえぐられた目からは、鬼気と魔気が溢れ出ている。 それにジオは本能的に悟る。


「マ、魔竜王……!」


「 [今回もお前だけ行こうとするのか。そんなことはさせない。許さない。お前を呪う。憎む。ここがそもそも捨てられた世界だと知っていたら。偽善者め、お前は知っていたんだ。知っていたんだ!] 」


「姉さん!」


「ジオさん!」


赤黒い魔気が瞬く間に彼女を覆う。 何もできる隙もなかった。


このまま吸い込まれるのか、無意識のうちにそう思った瞬間。


【言っておくが、試験は終わった。】


【だからこれは反則なんかじゃない。】



シャアアア!


息が楽になる。


これまで以上に濃い風が体を包んだ。 たった一人の自分の化身を抱きしめた彼が、鋭い敵意を込めて笑った。


【不快に思っていらっしゃるじゃないか。 傲慢だな。】


「 [犬野郎! 噛み殺してやる! いつまでお前の思い通りになると思っているんだ、絶対に許さない……!〕」


【ふむ。 話が長い。】



[シナリオが終了しました。]


[49階通過。 最終確認された候補計10名。]


[50階解禁完了。 特殊区間です。 該当候補たちを50階へ即時移動準備中……]


[最後の試練のための超越空間、50階「インテリム(Interim)」へ移動します。]


[5秒…… 4秒……。]


意識が維持されたのはそこまでだった。


キョン・ジオは目を閉じた。




* * *


[50thフロア。 塔の隙間、「インテリム」に入場しました。]


『インテリム』では武器および能力の使用が厳しく制限されます。]


アバターモードやゼロベース初期化と似ているように見えても、全く違っていた。


丸腰に素手。 例えるなら、世俗のすべてのものが剥ぎ取られ、魂だけが連れてこられた気分に近かった。


この恐ろしい場所で、このお知らせを聞いてからもう1時間が経った。


キョン・ジロクは神経質そうに草をむしり取った。


目が覚めてみたら、一緒に入ってきた一行は跡形もなく、ぽつんと一人。


みんなどこへ連れ去ったんだ、死にたいのかと散々騒いだ末に得られた答えは、元々これは個人戦だという虚しい言葉だけだった。


「……点数もひどいし、ディレクターは光の速さで脱落だから夢にも見るなと言われた。 判定はもう全部出てるのに、一体いつまでここに閉じ込めておくんだ?」


[星位、「森と月の若い主人」が、いい加減にグダグダ言うなと額を押さえています。]


「な…… 何、グダグダ? 今俺にグダグダ言ってるって言ったのか? 子供扱いするなって言っただろ!」


[星位、「森と月の若い主人」が、子供を子供扱いするだけで何が問題なのかと、それでは毛むくじゃらのオヤジ扱いでも望んでいるのかと顔をしかめています。]


「いいから。 ここから俺を出せ。 すぐに。」


[星位が、幼い鹿よ、いつ私が君に害になるようなことをしたことがあるかと尋ねています。]


「それは!」


ない……。


しょんぼりしたバンビが、罪のない床の草をさらにむしり取った。


誰かさんの三浪生ほどではないが、彼らもかなり仲の良い星位と化身の関係だった。


「森と月の若い主人」は、寵愛する鹿をなだめるように、周辺の木の生気を高めた。 新緑の森が彼を優しく包み込む。


[お前一人を連れ出すために、こちらも相当な損害を甘受したのだから、感謝して休んでいろと聖約星が

ため息をついています。]


「……連れ出したって?」


[星位、「森と月の若い主人」が、それではこんな平和な場所が本当にインテリムだと思うのかと呆れています。]


[『インテリム』は厳然たる試練空間。 星約を結んでいないか、星位を間違って選んだ奴らの冥福でも祈ってやれと鼻で笑っています。]


その言葉を聞いてキョン・ジロクが気になったのは一つだけだった。


「キョン・ジオ! じゃあ俺の姉さんは?」


静寂が続く。 「森と月の若い主人」は、しばらくの沈黙の末に応答した。


それを質問とするのかという様子で、星がびっしりと散りばめられた天井を指して教えてくれた。


もっと上に。


もっと上に行ったと。







肉体の感覚が奇異だった。


重いわけではないのに、どこかをぷかぷか漂っている気分。 まるで夢の中に入ってきたような……。


「こんなこと経験したことがある。」


ジオはパッと目を開けた。


正解だというように、白色空間が急速に変化した。


幼い頃、初めて星痕を開門した日。 十数年前のまさにその空間だ。


違う点は、あの時が小さな研究室のような空間だったとしたら、ここは……。


「図書館?」


「ライブラリー化」スキルの効率のために、ジオはこれまで数多くの図書館のイメージトレーニングをしてきた。


イメージを具体的に思い浮かべるほど運用が容易になるからだ。


そして今、足を踏み入れたここは、これまで構想してきたイメージ、そのすべてを混合して実現したような巨大図書館だった。


アイルランドのトリニティ・カレッジ、エジプトのアレクサンドリア、アメリカ・ワシントンの議会図書館などなど……。


ザバク。


冷たい気운にハッとしてジオは足元を見下ろした。 透明なガラスの床の下には、「宇宙」が映っていた。


「そういえば天井も……」


天体。 数億個の星々の公転。 天の川が降り注いでいる。


「ふむ。」


こうなると、ここに呼んだ犯人はほぼ間違いない。 わかった。 ジオは軽く鼻で笑った。


「お星さま、出てきて。」


全部バレてるんだから出てきてくださいよ。


試練だとか言ってるけど、何のインテリムがこんなに豪華なのよ。 笑わせるわ。


しかし、返ってくる答えはなかった。


上に向かって叫んでみたり、下に向かって囁いてみても、風は吹いてこない。


「何よ••••••」


ジオはやむを得ず巨大な図書館の中を歩き始めた。


そうしてゆっくりと始まった歩みだった


が…… 不安になるにつれてどんどん速度が上がる。


いつの間にかジオは走っていた。


「……どこにいるの? 出てこいって! おい!」


何の能力も使えない場所だ。 体力はすぐに底をついた。


しばらく走ったせいで荒くなった息を整えながら、ジオは近くの本棚に寄りかかった……。


「ん? あんなものがいつ……」


開けた空間があった。 本棚と本棚の間の隙間に。


そしてまた誰か…… いる。


そこに。 あそこに。


憑かれたようにそちらへ歩いて行った。


シーア"ア" • ••••フ


一陣の風が吹いてきた。


男の髪が揺れる。


アーチ型に組まれた柱の下の低い階段。 斜めに寄りかかって眠っているような若い美男子。


絵のような光景だった。


ドキッ、ドキッ。


心臓がドキドキし、息ができず、まぶた一つまともに瞬きできない瞬間だった。


そのすべてを自覚すらできないまま、ジオはただ歩いて行った。 中央を通り過ぎ、日陰になっている彼の空間へ。


近づくと足元に薄い布が踏みつけられてきた。 ギリシャ・ローマの神々、あるいは古い帝国のスルタンのような身なりだった。


肩のあたりで揺れる銀灰色の髪は、亡国の灰色のようでもあり、衰えた星々の遺痕のようでもある。


ジオは手を伸ばした。


衝動的だった。 あの固そうに見える顎をなぜか触ってみたかったから。 そして。


タッ!


位置が変わる。


そのまま視界がひっくり返った。


抱きしめられた正面、ジオはいたずらっぽく輝く深淵の瞳を見る。


この上なく見慣れていて、また見慣れない……。


顎を近づける。 続いて息が絡み合い、彼がけだるい低音で囁いた。


【ごきげんよう、愛しい人。】


君を私はとても長い間待っていたよ。


ジオの星、「運命を読む者」が笑った。


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