151話
《封印解除!帝国軍メイン攻撃手「ドラゴンストライカー」が目覚めます!》
《解放された敵のランキングはステージ総合順位、1位です。》
「……マジか。」
「ちょ、マジで1位だって?」
1位という事実は知らなかったわけではない。
ただ、伝え聞くのと直接経験するのには大きな差があった。
彼らはマヌケではなかったが、力を抑えつけた足枷は十分に視野を暗くした。
瀕死寸前だった敵が目の前で体を起こしていた。浮かび上がった文句が誰を指しているのか、もう知らないふりはできない。
総合順位1位。
この単純な6文字が指す意味は、文字数ほど簡単ではなかった。
インターステラトーナメント、現ラウンドに参加した全員の中で最も強い人。シードチームの第一人者。それはつまり……。
「これが、星系で指折りの優勝候補……!」
現実を自覚した者たちが本能的に後ずさった。ストライカーの顔から笑みが消えた。しかし。
「遅いよ。」
あまりにも白く清らかで、一見恐ろしいほど美しい顔。
全身の傷が洗い流されたかのように消えた。超速再生。魔力が元の状態に戻ったという証拠だ。
「十分に楽しんだ?生涯最後の遊興だったはずなのに。」
特典のお知らせを読みながら、キョン・ジロクは口角を歪めた。
[> 特殊英雄Iドラゴンストライカー:クラス専用特典により、「龍」に関連する制限が特殊解除されます。]
[•現在召喚可能な眷属リスト:1個体]
そのまま、抑揚のない言霊が降りかかった。
「眷属臨時具現化。敵意の虐殺者........ラグナロクの悪龍「ニーズヘッグ(Nidhdggr)」。
* * *
----!!
帝国の最も高い場所、バルナハ渓谷烽火台。
「タワー」がある場所であるだけに、ここでも激戦は例外なく繰り広げられた。
劇的な支援軍がいなかったら、結果は良くなかったはずだ。
キョン・ジロクは最後に残った敵の体から槍を抜きながら、くるりと顔を向けた。
蒼空と大地を濡らす長い咆哮。聞く者を原始的な恐怖に突き落とすこれは 明らかに….
「ドラゴンフィアー……!」
彼の予想は正しかった。
チョン・ヒドに付着していた魔力は、本当に彼の姉のものだったのだ。ニヤリと、滑らかな口元から糸のような笑みが漏れた。
「いよいよ始まったな。「反撃」が。」
床に倒れていたチョン・ヒドもまた、同じものを聞いた。
ぼんやりとした鼓膜など問題ではない。彼は疲れた体を無理やり引きずり、よろめきながら立ち上がった。
魔法使いだけに、より敏感に感じることができた。世界の魔力が揺れていた。
「ま、まさか……!」
高く突き出した烽火台の先からは、平原の壮観な景色がそっくりそのまま見えた。いや、実際そこまで行く必要もなかった。
浮遊島、天空の世界。
その空の上で、敵を猛烈に横切る金黒色の強烈な槍があった。
重厚な骨でできたドラゴンを踏みつけ、蜂のように群がった赤いワイバーンを飲み込み、引き裂くただ一匹の黒龍。
文字通り、屠殺。
食物連鎖が完全に覆される光景だった。
チョン・ヒドはぼうぜんと見つめた。
戦慄?驚嘆?驚愕?
どんな言葉でも、とても言い表せない、今の彼の心情を。
「見ているだけではいられません。私たちも早く動いた方がいいでしょう。チョン・ヒドさん、聞いていますか?」
「魔術師王……」
ひどく震える声だったが、それさえ自覚する暇がなかった。
「私が見ているのは本当に、本当にあの「ジョー」……で間違いないですか?」
「ハ。初めて見ますか?何をそんなに……おい、お前泣いてるのか、今?」
「あの人がそうなら、そうなら……!わ、私が……私が一体何をしたんだ!」
気が狂った狂人の目だ。
本能的に一歩後ずさるキョン・ジロクを掴んだチョン・ヒドが泣き叫んだ。
私が一体何をしたんだ!悲痛な叫びが渓谷の間に長く響き渡った。
* * *
キエエエエエク!!
いつも蒼空を悠々と君臨していた飛竜たちが、怯えて必死に逃げていく。
しかし、乾いた空から降り注いだ雷が逃さず、そのまま彼らの翼を食いちぎった。
ゴロゴロ!真っ青な雷電が散発する戦場は、平坦な大地を海のように見せる。名も知れぬ兵士がつぶやいた。
人間の戦いじゃない……。
デル将軍は内心肯定した。そうだ。
これはより神話に近い。
それも彼らが記録で、また目で慣れ親しんできた、黒龍と赤龍の戦争。
「人魔大戦……」
副官の魂の抜けたつぶやきに、将軍はぐっと拳を握りしめた。
副官だけではない。ある程度年配の者なら誰でも忘れずにいた場面だ。
50年が経った。
それでも覚えている者は無数にいた。
ついにこみ上げてきた激情を抑えきれない者たちが、血走った目でわめき散らした。彼らの皇帝が、主人がこの地に最後に残した遺言を。
すすり泣く声が幾重にも重なり、厚みを増していく。
積み重なった念願の上で、将軍も一緒に叫んだ。
「[長い闇の中で、私は死なない希望になるだろう!]」
「強い……。一体どうして!」
勝敗が圧倒的に分かれた戦場。
命運が決まった敗者たちは、無力なだけだった。
キナンは「あれ」を見るや否や、イ・テヨプと自分の仲間がいる聖殿へと向かった。思った通り、敗北が確実になった以上、鐘が鳴るまで命拾いでもしていようと。
尖塔の上、気絶したナ・ジョヨンを寝かせて立ち上がったクォン・ゲナがつぶやいた。やや混乱した様子だった。
ホン・ヘヤがテーブルで劇的に叫んだあの呼称を聞かなかった人はいなかったからだ。
「キョン・ジオ」なら、彼女も知っている人だった。あのキョン・ジロクの家族……。
「誰なのかが重要か。めちゃくちゃ強い味方だってことが重要なんだ。」
横の欄干に腰掛けながら、ファン・ホンが笑う。軽いが、本気のこもった声だった。
担当パートではないが、公務員と暴力団の間。互いに顔を合わせる機会は十分にある方だった。
そしてクォン・ゲナが経験したファン・ホンという男は、誰かを簡単に認める性格ではない。もともと負けず嫌いで嫉妬心が強い人だからだ。
「……どうしたんですか?素直に認めてばかりで。」
「もともと相手にもならない相手には、負けん気も湧かないもんだ。知らなかったら覚えとけ。」
「ああ……」
「もちろん、それだけではないし。」
ファン・ホンはいたずらっ子のような笑顔を見せた。
「幼い頃の私たちのヒーローじゃないか。」
「……ヒーロー?」
「ああ。「ジョー」がデビューしてからもう10年以上になる。私たちの頃はみんなあの人を見て憧れてハンターになろうと飛び込んだもんだ。」
だるそうに伸びをしながら、ファン・ホンが冗談めかして付け加えた。幼い頃憧れていたヒーローに、どうして不穏な考えを抱けるだろうか、生意気にも。
「公務員さんはそうじゃないのか?俺と同い年だと思うけど。」
「言われてみれば……」
クォン・ゲナが再び正面を見つめた。幼い頃から見て育ったあの風景と似ていた。
黒龍と偉大な魔法使い。
恐ろしく凶悪な怪物たちが現れても、子供たちが絶対に怖がらないようにしてくれた彼らのヒーロー、絶対的な救世主。
「それが誰なのかが本当に重要だったのか、一度でも?」
「……そうですね。私のヒーローです。あの時も、今も。」
混乱を収めてクォン・ゲナがそっと笑った。幼い頃のように、少し照れくさそうな笑顔で。
いつの間にか戦場の上に星が一つ二つと浮かんでいた。ファン・ホンはしばらくそれを見つめてから顔を背けた。
必死に平然を装っているが、実は彼も特に人の心配をしている場合ではなかった。
さっきから心臓が抑えきれないほど高鳴っていたからだ。
「ハァ。やっちまった……」
「え?」
「いや、何でもない……」
水 * *
「[ひ、ひっこめ……。来るな!]」
たった一人の出現だけで戦況が逆転するなんて、ありえない詐欺劇だ。ストライカーは否定したかった。
しかし……彼は血の気の引いた顔で周囲を見回した。
粉々に砕け散った四龍の骨の破片、形もわからないほどに打ち砕かれたワイバーンの死骸。
一万に近い大軍も、巨人の足に踏みつぶされるように崩れ去った。
戦場は静かだった。静寂がこれほど恐ろしく迫ってくるということを、彼は生まれて初めて悟った。
「[こ、こんなことしないでくれ。わ、私もチャンネル代表だぞ……。惑星代表もやったことがあるんだ……]」
グウウウウ-!翼を畳んで座った黒龍が、嘲笑うように共鳴した。
ドシンドシン。血だまりの中を歩いて近づいてくる。
よろめく敗残兵たちが意味もなく襲いかかったが、届くこともできずに魔力に引き裂かれていった。
ハスキーな声が静かに響き渡った。
「……「やったことがある」?この身は現職だ。クソガキが。」
あまり声と似合う台詞ではなかったが。
「一生修練に狂った檀君の孫の年寄りと、親のようにあれこれ指図してくる星をぶら下げている王子を打ち負かして手に入れた貴重な玉座だぞ。このクソガキが、そんなパク女史も捕まえられなかった私の髪を掴もうとするとは。」
「[な、何を言っているんだ……!]」
「何だっけな、芸術のように殺してやるとか?芸術って何だ、クソガキ。それがわからなくて三浪している私もまだ勉強中なのに、お前ごときが何を知っている。」
魔龍軍の雑魚は全部片付けた。
わざと命だけは助けておいたのは、相手チームの参加者たちだけ。
全部で5人。ジオは手を伸ばした。
面倒な手印や詠唱など、もう必要ない。
[敵業スキル、9階級殺傷系超絶呪文 - 「コンケンの銛(Gde Bolg)」]
ヒイイイイイ- クワガガク!
立て続けに4回、4本の槍。
濃い深海の匂いが立ち込め、押し寄せてきた黒雲が……。
そのまま落下した牙のような黒い巨大な槍が、慌てて避けようとする参加者たちの胴体を正確に貫いた。悲鳴さえ上げずに絶命する。
死体でできた山の中、瞬く間にできた4つの巨大な墓。
ゴホッ!
驚愕した被食者の首を踏みつける捕食者。見下ろす顔、黒い髪の間の両目が消えない怒りで燃え上がっていた。
帰ってきた王が囁いた。
「どうだ、私の芸術は。」
私が学んだ芸術はこんな感じだが。
「お前。擔賊擔王って聞いたことあるか?」
「[い、いや……。]」
「去年の修能国語領域の既出問題9番の例題4番だったのに、知らなかったらどうするんだ、このバカ野郎。」
敵を討つ時は、頭から殺せ。
「私が1位だと知った瞬間、私から終わらせるべきだったんだ。現板のこんな基本法則も知らないからボコボコにされるんだよ、うちのバカな宇宙人の友達。」
キョン・ジオは足を離して下がった。
それでは、これにて。もうお別れの時間だ。
「二度と会わないように。」
クワガガク!
残しておいた最後の神話の中の銛が、叩きつけられた。
灰と埃だけが舞い上がる戦場、その真ん中にクリスタルでできた「鐘」が現れたのは同時だった。




