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11話

* * *


ブガッティ、マクラーレン、ランボルギーニ、フェラーリ、等々。


普段は見ることすら難しいスーパーカーがずらりと並ぶ風景を見て、現実感が押し寄せてきた。


「私がついにこのビッグリーグに仲間入りするんだな。」




お母さん、娘がやったよ!


第40次チュートリアル参加者、ナ・ジョヨンは、空を見上げながら鼻をすすった。


もちろん母親は元気に家にいるのだが、一度こうしてあげるタイミングだと思ったので。


「ジョヨン、王侯将相いずくんぞ種あらんやという言葉を聞いたことがあるか?」


「はい、お母さん。王侯将相の種がどうして別にあるでしょうか!私もこの古い格言を胸に刻み、諦めずにハンターの夢を......」


「違う。お前の名前がなぜジョヨン(助演)なのか?」


「はい?」


「もっともらしい戯言に騙されてはいけない。王侯将相の種はとても別にあるのよ。」


「あ......はい。」


「でもこれも知っておくべきだ。幸せとは結局、助演の分け前だということを。」


「世の中が主人公にするのは必ず一番かビリよ。あいつらの人生を見ていると、いつも騒がしくて血なまぐさいの。でもピラミッドの中間?誰も気にしないところで平和で安楽でしょ。」


「だから助演こそが勝利者だ。」


「いつもこの点を肝に銘じておきなさい、娘よ!」






ひどい現実主義者だった母親が、自身の信念に従ってつけてくれた名前。


しかし彼女も自分の娘が助演でもなく、ただのその他大勢のエキストラ1として生きることになるとは思わなかっただろう。




「でもお母さん!今日のこの娘は、ようやく名前の通りに一歩近づきます!主人公の隣!助演の道を力強く堂々と歩んでいく私を見守ってください!」


熱い眼差しでナ・ジョヨンはバベルの塔の外壁を見上げた。


終わりが見えない巨大なバベルの塔。


そのよく加工された宝石のように滑らかな黒い壁には、1番チャンネルのランカーたち、つまり国内最上位圏ランカーたちの順位が魔力文字で浮かんでいた。


リアルタイムでアップデートされるそのランキングは、塔の内部でも見ることができると聞いた。


特に、天上界10位圏までは別途さらに大きく表示される。








[Rankings] ローカル ─ 大韓民国


《 1 》 ウン・ソゴン ▲1


《 2 》 ジョー • 非公開 ▼1


《 3 》 アルファ • ジョン・ギルガオン -


| 4 | 白鳥 • ハ・ヤンセ -


| 5 | バンビ • キョン・ジロク -


| 6 | 夜食王 • ファン・ホン -


| 7 | 虎 -


| 8 | ダビデ • チェ・ダビデ -


| 9 | ギュニギュニ • キム・シギュン -


| 10 | ホン・ゴヤ -







「ううっ、陛下......」


ナ・ジョヨンは残念さに胸を締め付けられた。心がバラバラに引き裂かれるように痛かった。


毎回5、6位を争うバンビと夜食王の二人を除けば、天上界で矢印が立つのは極めて稀なこと。


そのため、今朝立った矢印にコミュニティ全体が文字通りひっくり返った。


ナ・ジョヨンが加入している「ジョー」の非公開会員制ファンクラブも例外ではなかった。


すでに〈引退祈願祈祷会〉の申請を受け付けており、チュートリアルに来る前に申請書も提出してきたところだ。




「必ず助演にならなきゃ。必ず助演になって、陛下を苦しめるやつらをみんなやっつけてやる。」


固く決意する隣で人の気配がした。


「だからニックネームは慎重にしないと。一度決めたら変更不可だなんて誰が思っただろう?バベルもひどすぎるわ。」


涼しげな笑顔を浮かべた女性がナ・ジョヨンを振り返った。


「ランカーにでもなったら毎日みんなが見る場所に表示されるのに。『夜食王』、『明日免許更新』とか書いてあるなんて、あらまあ。そう思いません?そちらは名前決めました?」


「あ、私は助演、あ、違う。ジョヨンです。」


「可愛い。私はロミよ。」


某大学の学生会長だというロミは、典型的なインサ(インサイダー、人気者)だった。


すでにナ・ジョヨンの他にも、来る途中で何人もの人と話したという。


二人は簡単な会話を交わしながら入口を通り、バベルの塔のグラウンドフロア、チュートリアル広場に到着した。


「みんな一癖ありそう。遊びを知ってるやつらなのか?」




ナ・ジョヨンは緊張して周囲をキョロキョロ見回した。


人だかりで身動きが取れないほど人が多いのに、狭苦しいとか息苦しいという感じはなかった。


しかしすぐにナ・ジョヨンは緊張を解いた。


どうせみんな助演候補たち。


主役たちはこの場にはいない。おそらく噂の「モニタールーム」からこちらを見ているのだろう。


自分たちをサポートしてくれる助演を探すために。


「できる!」


急に意欲がメラメラと燃え上がった。


助演になる運命を持って生まれたナ・ジョヨンではないか!


主人公争いでもなく、助演同士の潰し合いなのに勝てない理由なんて一つもない!


その時だった。


「お姉さん!助演お姉さん!挨拶してください。こちらはさっき来る途中に地下鉄で会った方なんですけど、すごく素敵な方なんですよ。再入場だそうなので、もしかしたらまたわかりませんよ。チュートリアル1位になるかも!私たち仲良くなっておかないと!」


「あ、ロミさん。そんなことを。」


「あら、照れてる。さあ、さあ、挨拶してください。」


背中を押された青年は困惑しながらも、自信に満ちた笑顔で手を差し出した。


「ペク・ドヒョンと申します。」


助演には助演の勘がある。



ナ・ジョヨンは本能的に危機感を感じた。何なの、このビジュアル?何なの、この存在感?


「こいつ、助演じゃないかもしれない。」


そうでないことに、助演志望生26年の人生も賭けることができた。









* * *



上半期に一度。


下半期に一度。


毎年たった二回開かれるチュートリアルワークは、平均3、4日程度かかる。


もちろんこれは統計上の平均であり、その年の難易度や期生のレベルによってその差はかなり大きかった。


最短記録は一日、最長記録は一週間なので。


とにかく短くても長くても、それなりに時間がかかるということだけは確かだ。


それでは、その間、純情派が大多数であるハイランカーたちは、指をくわえて待つしかない状況に陥る。


他の者たちは塔の階が閉じられると、久しぶりにダンジョンに行ったりもするが、最上位圏ランカーたちには不可能な話だったからだ。


例えるなら、近所の朝サッカークラブにメッシが来てボールを奪うようなもの。


暇だからと正体を隠して行ったのがバレたら、「この野郎、ランカーになったからって、敢えて力を隠して遊んでるのか」と総スカンを食らうのがオチだ。






したがって、彼らが向かったのは自然に塔の「モニタールーム」。


バベルの先頭集団。


ランキング100位圏まで入場可能な「モニタールーム」は、暇になった純情派の古参たちの老人ホームだと思ってもよかった。




「いや、天上界クラスがあるのに、なぜ老人ホームに来るんだ?」


「変な言葉を使うな、ダビデ。」


「ああ、スカウターたちを置いて、忙しい俺たちがなぜここに来なきゃいけないんだ!」


「......?忙しかった?初耳だが。」




国内ランキング4位。武道名門〈ヘタ〉の宗主ハ・ヤンセ(白鳥)が、特有の無表情で首を傾げた。


腹の立つその反応にチェ・ダビデが胸をドンドン叩く。


広々としたモニタールーム。


あちこちに散らばったソファに座ったランカーたちが、何の騒ぎかと振り返るが、また見なかったことにする。


怖いから避けるのではなく、汚いから避けると言うが。




〈ヘタ〉ギルドの有名な二人。


そのうちランキング8位の混血ヤンキー、チェ・ダビデは、汚いどころか恐ろしいほどのS級がいる。視線も与えないのが一番だ。



「おい、この白鳥頭!バベルからオフィシャルでくれる休暇期間なのに、当然どうだ?思いっきり楽しく遊ばなきゃ!やることがいくらでもあるのに!」


「騒ぐな。他の者が迷惑がるのではないか。」


「ああ、この朝鮮女どうしよう?マジでソンビ(学者)気取り......」


「ダビデ、お前が無責任に遊び回っているから知らないだけだ。こちらは毎年やってきたことだ。今回の期生は特別だからお前まで連れてきただけだ。」


特別?


スペシャル、ユニーク......


このような言葉に弱いチェ・ダビデが、とりあえずその場にドスンと腰掛けた。


「何が特別なんだ?」


「19階、29階。そして39階が開かれた。第三の黄金世代になる確率が高い。」


「29階はバンビのやつと夜食マニアのやつを言ってるんだろう。19階?なんだ、その期に誰がいたんだ?」


「お前だ。」


「......」


「何度も忘れているようだが、お前も貴重なS級だ、ダビデ。」




コホン、コホン。面と向かって褒められても弱いチェ・ダビデが咳払いをした。照れくさいのか話をそらす。


「じゃあなんだ、うちのチャンネルのやつらはみんな来るのか?久しぶりに高い面構えを見物させてもらうか。」


「全部ではないだろう。ルーキーが必要なのは結局ギルドだから。関連する人物が来るだろう。他のギルドからも首長級の人物が来るとは聞いたが。ウン・ソゴン様は確実に来られるそうだ。」


「......噂をすれば影。」


チェ・ダビデが口元を歪める。


指摘しようとしたハ・ヤンセが、つられて顔を向けた。





重々しい存在感。待っていたかのようにバベルが知らせてきた。


[モニタールーム│1位 ウン・ソゴン様 入場]


[モニタールーム│16位 アン・チサン様 入場]


「なんだ、虎じゃないのか?」




歩いてチュートリアル広場が一番よく見える前の列に行って座る。


しかしチェ・ダビデが好奇心を解消する暇はなかった。


差し迫ったオープニングを知らせるように、相次いで最上位圏ランカーたち、残りの5大ギルドの首長たちが登場する。




「うちの若いボス、ヨチヨチ。まだ拗ねてるの?」


「拗ねてないから構わないでくれ!くそ、この穀潰しは、なぜまだ連絡が取れない。

マジで喧嘩売ってるのか?」



[モニタールーム│5位 キョン・ジロク様 入場]


少数精鋭ギルド〈バビロン〉のリーダー「バンビ」キョン・ジロク。





「ですから整理を......結構です。後でまた話しましょう。皆さん!お元気でしたか?」


[モニタールーム│3位 ジョン・ギルガオン様 入場]


大企業系列ギルド〈D.I.〉の代表取締役「アルファ」ジョン・ギルガオン。





「もういいよ、母さん、やめて!俺の健康は自分で管理するから。何の薬だ、そんな恐ろしいことを言うな。小麦粉を一日でも食べられなければ死んでしまう。末っ子が死ぬ姿を見たいなら、送れ!」


「兄貴、ドアが開きました。」


「......ああ、そうですか。キム社長。私は今ちょっと忙しいので、私たちの冷酷なビジネスの話はまた今度。」



[モニタールーム│6位 ファン・ホン様 入場]


ギャングスターギルド〈黎明〉のヘッド「夜食王」ファン・ホン。







そして......


重要人物はみんな来たと思った時。


珍しい有名人を見物するのに忙しく、みんながもう入場のお知らせに気を配らなくなった頃。


[モニタールーム│7位 虎様 入場]


[モニタールーム│匿名様 入場]




100位圏がほぼ集まった席だ。


匿名で入ってきたランカーがいなかったわけではない。


また、ランカー1人当たり1人ずつ同行が可能なので、スカウターや知人など、順位圏外の同行人が珍しくない光景でもあった。


しかし、この場にはそれで簡単に騙されない者たちがいた。


大多数が〈銀獅子〉のナンバー2、虎の方だけを見つめる時。


その隣の小さな人影、黒いフードを鼻の下まで深くかぶった者によって顔を向けたごく少数の人々が。



「クソ。何だ?」


「何だ......あの怪物?」


獣よりも敏感な気感を持って生まれたS級たち、チェ・ダビデとファン・ホンが自分の目を疑う時。


経験で気感と勘以上のものを持っているジョン・ギルガオンのような手腕家は確信した。



こぼれ出る笑みをジョン・ギルガオンは隠すことができなかった。いつか必ず言ってみたいセリフだった。




「サタンが集まったモニタールームにルシファーの登場とは......」




初めて王冠を奪われた王。


非常に貴重な一位の御成りだった。











* * *


魔力で固定したフードを再点検しながら、キョン・ジオは考えた。


この照明、温度、湿度......眼差し。


確信した。


「このクソ野郎ども......」


勘が良すぎる。


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