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1話 プロローグ S級登場

「測定不能が出たって?」


韓国覚醒者管理局本部。


通称センター。


首都総括チームのチーム長、チャン・イルヒョンは、喉まで込み上げてくる息を整えた。


退勤途中に連絡を受けて、死に物狂いで走ってきたせいで、いくつ信号を無視したか分からない。


「とりあえず待機室にお通ししました。」


「昨日ワシントンから持ってきた新しい測定器、駆動可能でしょう?すぐに準備して。」


「ですがチーム長、機械の誤作動の可能性も……」


「すぐに!」


鋭い叫びに職員たちが慌てて飛び出していく。チャン・イルヒョンは乾いた唾を飲み込み、待機室のドアの前に立った。


等級測定器が「測定不能」を表示する場合は、2つしかない。


1つは、言ってみれば単純な機械の誤作動だろうが、もし違う場合なら、この国にもついに……!


「え、子供?」


「キョン・ジオさんでいらっしゃいますか?」


小さくて、幼い。


びっくりしたが、酸いも甘いも噛み分けた大韓民国公務員の瞬発力はさすがだった。


チャン・イルヒョンは冷静に、そして非常に丁寧に目線を低くした。


「そうですけど。」


「……失礼ですが、もしかして保護者の方はご一緒ではないのでしょうか?」


「一人で来ました。」


「重ねて失礼ですが、もしかしてご年齢、いやお歳は?」


「明後日で4年生になります。ところで、おじさん、覚醒者登録するときって、もともとこんなこと根掘り葉掘り聞くんですか?プライバシーの侵害じゃないですか。」


「……失礼いたしました。」


最近の子供たちを侮ると大変なことになる。


野生の小学生(セッピョル小学校3年生)の鋭い眼差しに、チャン・イルヒョン(32歳/エリート)はおとなしく縮こまった。


その間、新しい測定器が準備に入る。


昨夜アメリカのワシントンから届いたばかりの、出来立てほやほやのニューバージョン。


「塔」と「ゲート」、そして超越者たちの出現で、世界のジャンルが変わってから、もう数年になる。


覚醒者の情報を読み取る「バベルの石」に関する研究データも、それだけ蓄積されたという意味だ。


今回のバージョンは、覚醒者の成長限界から魔力数値まで完璧に指摘する新商品だった。


「ほう。旧バージョンの最大値はAAA級でしたよね?もしかしたらチーム長の予想が当たるかもしれませんね。」


「ああ、副チーム長。退勤したんじゃなかったんですか?」


「チーム長と同じですよ。連絡を受けて駆けつけたところです。でも、これ当たっても問題じゃないですか?あんなに幼いのに……報告書見ました?たったの小学校3年生ですよ。それも早生まれ。」


「国の命運がかかっているのに、些細なことを気にしている場合じゃないでしょう。私はもう葬儀場のユッケジャンならうんざりです。」


「え、本気じゃないですか、この人。本気で期待してるじゃないですか。」


チャン・イルヒョンは少し離れたジオの方をちらちら見ながら呟いた。


「そうですよ。たった9歳の未登録覚醒者です。」


塔でチュートリアルも経ていない人が覚醒者になる方法はただ一つ。


星位契約。


バベルの塔と共に現れた、超越的で不可思議な存在たち。


「天門」に座って人類を見守っている偉大な星々に選ばれる道しかなかった。


「私はですね、全世界どこを探しても、これほど幼い覚醒者のケースは聞いたことがありません。」


「……」


「その気難しくて傲慢で有名だった星位たちの一人が、自分の力を分け与える『星約』を、まともに会話もできない子供と結んだんです。」


「……」


「あの小さな子が、私たちが待ち望んでいた英雄であろうと、怪物であろうと、前代未聞の星持ちスプーンの誕生ということだけは確かでしょう。」


どうしても期待せずにはいられない。チャン・イルヒョンは言葉を濁した。


そうして、チョコ牛乳を飲みながら座っている小学生を囲む空気が少しずつ変わる頃。


「チーム長!測定室のセッティングが終わったそうです。」


「行きましょう。ジオさん、こちらです。」


チーム長の案内に従って、ジオも立ち上がった。


すました顔つきと不機嫌そうな印象とは裏腹に、バックからはひよこの形のキーホルダーがぶら下がっていた。


「[覚醒者キョン・ジオ、等級測定を開始します。] 」


不透明なシャワーブースのような箱の中に、ジオが入っていく。


センターの人々は緊張した顔で子供を見つめた。


退勤時間をとうに過ぎた時刻。


息を殺した測定室は静まり返り。


チャン・イルヒョンが焦って爪を噛む間……


澄んだアラーム音と共に、ついに魔力ホログラムで結果が浮かび上がる。


皆が素早く文字を読み取った。


ジオも首を上げて見つめた。



キョン・ジオ 20xx. 01. 01│


• タイプ:戦闘系(魔力特化)


• 成長進捗度:1段階


• 潜在限界:アンノウン


• 保有魔力:アンリミテッド


• マナ感応レベル:極上


[最終等級:S]


「マジか……」


職員の一人が思わず悪態をついた。


「じ、本物のS級です!」


そして同時に、バベルネットワーク、ワールドチャンネルが鳴り響く。


バベルネットワーク


[おめでとうございます、韓国!]


[国家大韓民国に、初のS級覚醒者が誕生します。]


[ローカルサーバー─「大韓民国」チャンネル拡張]


[下位ローカルサーバー─首都ソウルの広域チャンネルオープン]


*強力なフロントランナーの誕生により、ローカル大韓民国が「一般管理国家」から「最優先管理国家」に上方修正されます。


*チャンネルに「フォーマルダンジョン」生成および「亀裂座標アラーム」機能が追加されます。


*韓国バベルの塔、「天門」に高等星位たちが座します。


神様、ありがとうございます。


私の祖国にもついに希望と光明があらんことを!


チャン・イルヒョンは涙ぐんだ目で起立拍手した。むせび泣きながらジオに向かって両手を広げた。


ついにS級!キョン・ジオ様!一体どんな星位せいいをお祀りしていらっしゃるのか!みんな何してるんだ、早く局長に連絡しろ!」


「クソ……」


何かを噛み潰したような表情で、ジオは汗臭いおじさんのショルダーアタックを避けた。


ワールドサーバーのアラートだけではない。


ジオにしか見えない個人アラートウィンドウも暴走していた。



バベルネットワーク


▷ すべてのランキングが変動します。


▷ ローカル ─ 大韓民国


▷ ランカー1番チャンネル、ランキング1位入場


/キョン・ジオ様、ニックネームを設定してください。/



| 14 |


ハムレット:……マジかよ?


| 27 |


ゴールドロジャー:ワロタwww S級ヤバすぎ


| 30 |


幼稚園:すべての?すべてのランキングが変わったって?全世界??


| 49 |


カンスヤン:S級が出ると主要地域にチャンネルが開設されるって言ってたけどマジだったんですね;今ソウルから広域市は全部開いたみたいです。確認してみてください


| 12 |


サンサン:移民に行こうか悩んでたのにタイミング見ろ


| 8 |


ダビデ:1位誰ですか、何か言ってください


| 3 |


アルファ:2位の座も押されるなんて…


「お星さま、ここまで強かったの?」


[あなたの聖約星、「運命を読む者」様が非常に悔しがっています。]


[言ったじゃないかと、馬耳東風だったのは生意気なガキのお前様だと指をさして非難します。]


いや、それでも小学生にS級ってひどすぎるじゃん。


この星は加減を知らないのか。


ジオは後ずさりした。大の大人が泣きながら近づいてきていた。


「ヤバい……」


ママ、どうしよう?


意図したわけじゃないけど、ママの娘、韓半島1位になっちゃったみたい。


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