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神々の歌
[前回の話]
神の考察
[今回の話]
空振り
正直私は音楽というものには疎い。
というか、芸術そのものに疎いというべきか。
だが、だからといって何も感じないというわけでもなく、されどそれを表現する術を知らない。
私はただ独り空へと向かってタクトを振るう。
風の流れに身を委せ
水のせせらぎに耳を澄ませ
大地の躍動を感じとる。
天はどのように応えるだろう。
晴れやかな日差しか
嘆きの雨か
大地を揺るがす稲妻か。
それも好し
それこそが大いなる神々の歌だ。
──と、気取ってみたものの、向いてないなぁ……。
やっぱり適正のないことはするものではないってことか。




