俺の番になった瞬間ギルド閉鎖!?
人気洋菓子店の行列に並んでいたはずが、いつの間にか異世界の冒険者登録ギルドの列に並んでしまっていた。
いわゆる異世界転生だ。
そして登録ができなかった。
・・・マジで?・・・この俺が?・・・嘘みたい(´・ω・`)
俺は行列に並んでいた。
目の前には裕福そうな50代くらいの夫婦と思わしき人が、ソワソワと順番を待っている。
よほどこの洋菓子店の商品を楽しみにしているのだろう。
俺はスマホに目を落とす。
画面にはショート動画が写っている。
実業家の男が、若者たちの起業したいというプランを応援するというコンセプトの番組のワンシーンだ。
男は若者たちの煮え切らない態度にイライラしている。
「だからさあ、人は皆、例外なく年を取っていくんだよ?チンタラやってたらもう間に合わなくなるよ?言い訳すんなって」
若者たちはへらへらするだけで、実業家の言葉が心に刺さっているようには見えなかった。
俺は金もノウハウもないんだから仕方ないよと心の中で思った。
「金とかノウハウとか言い訳してないで、あのさー時間って過ぎちゃうともう戻らないんだよ?」
もちろんこれは画面内の若者たちに向けた言葉であるが、俺の心とリンクして言われている気がして嫌な気がした。
画面内の若者たちも何か正論っぽいことを言い返していたが、進展があまり見えず、あまり面白そうな展開にもなりそうにない。
俺はため息をつき、ふと顔を上げると目の前には身の丈2メートルはあろうかという筋肉ダルマがいた。
いつの間にか割り込まれたのかと俺は文句を言おうとしたが、相手が相手だ。
俺はもう一度ため息をつき、何も言わず、いや何も言えずしぶしぶそのまま列に並んでいた。
「次の方―!」
大声で店員の呼ぶ声がし始めた。
よく見ると、獣耳の女性がメイド服を着ている。
「洋菓子店の店員にしては本格的なコスプレだな」
と思わず独り言を言ってしまい、恥ずかしさのあまり俯いて順番が来るのを待っていた。
行列がゆっくりと進んでいく。
いつの間にか俺は巨大な石造りの建物の中にいた。
堂々とした看板には、
『冒険者ギルド 星影の剣』
と書かれている。
「……ん? 俺、なんでこんなとこに並んでんの?」
並ぶ列を間違えたかとあたりを見渡すと見たこともない光景が広がっていた。
身の丈2メートルの筋肉ダルマ、フードで顔を隠した魔法使い風の男。まるでRPGの世界のような雰囲気。
50代くらいの夫婦はどこにいったんだ?
「……いや、待て待て待て。どういうことだ?」
「次の方ー!」
気づけば、俺の前の男が受付を終え、ついに俺の番が迫っていた。
あと二人、あと一人……俺の順番が回ってくる、その瞬間──
「本ギルドは、本日をもって閉鎖します!」
「……は?」
ギルドのカウンターから、中年の職員が疲れた顔で宣言する。
「な、なんだってぇぇ!?」
「ふざけるな! 俺の登録はどうなるんだ!」
「今日の報酬は!? 依頼はどうするんだ!?」
ギルド内にいた冒険者たちが一斉に叫び、場が一気に騒然となる。
俺も目の前のシャッターがガラガラと閉まっていくのを呆然と眺めるしかなかった。
「え……ちょ、ちょっと待って! 俺、登録できてないんだけど!?」
しかし、ギルド職員は容赦なく撤収を始めていた。
チャットGPTと相談しながら書いてます。
更新は断続的になると思いますが、お付き合いください。
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