第八夜
こんな夢を見た。
森に囲まれた湖の畔を、僕は歩いている。
行く手には白い真四角の建物がある。
それは如何わしいサービスを提供する店だった。
僕はそこで遊ぶためにここを歩いているのだ。
洒落たドアベルの音を鳴らしながら中に入る。
カウンターで料金を支払おうとするが、財布の中で引っ掛かってなかなかお札が出てこない。
どうにか取り出せたと思ったら、出したかったものと違う紙幣だった。
それでもどうにか指定された額をボーイに渡し、受付を済ませた。
待合室に通される。
調度品はどれも年季が入っており、ここだけ大正時代から存在しているようだった。
一目で大金がかかっているのが分かる。
だが壁一面にアニメのポスターが貼られていた。
どれも最近のアニメだ。
その場違いさに居心地の悪さを感じているうちに呼び出しが来た。
階段の前で待っていたのは、ややむっちりし、胸が大きい丸顔の女性だった。
一般的な美人とは若干ずれるが、自分好みだ。
彼女と連れ立って上の階の部屋へと入る。
通されたのは畳の敷かれた広い個室だった。
ベッドも相応に大きい。
そこで何があったのかはここに書くつもりはない。
ただ、充実した時間を過ごすことができたとだけ言っておく。
店の外に出ると、これかららしい男とすれ違った。
話を聞けば、僕と同じ女性と遊ぶのだという。
僕は彼にただ「いい人だよ」とだけ伝えた。
湖の畔の道を引き返していく。
その途中、魚が陸に打ち上げられて飛び跳ねていた。
湖に帰してやろうと両手で持ち上げ、湖に通じる水路に下ろしてやるが、何度やっても戻ってきてしまう。
仕方なく湖に直接帰してやると、何事もなかったように暗い水中へと潜っていった。
それを見届けて再び歩き出す。
まもなく丸太のアスレチックがある場所に差し掛かった。
今日は良い日だった。
僕は上機嫌になって、鼻歌を歌いながら家路を行くのだった。