迷い
台風被害は大丈夫でしたか?
少し涼しくなりましたね。
短い会話劇ですが、隙間に読んで頂けたら嬉しいです。
得物で迷う事はある。
刃物か鈍器か。銃か。
銃は余り使わない、いや使うんだけどね。
銃は日本じゃ特別なモノだし、ある意味目立つし。
もちろん足はつかないが、持ってる事自体が不足の事態を起こす事もあるし。
その時々で臨機応変でやるしかないのだが。
俺はこー見えてこだわり派なのよん。
「指定が無ければ何でもいいんじゃないの?」
女は興味なさそうにティーパックをゆすらせる。
いやそこはプロ意識だろ!
苦しませないとか、目立たない様にとか、色々あるんだよ。
「それで結局何を基準で決めてるのよ!?」
う~ん気分??アミダとか?
何で決めてるんだろうな。
「何よそれ? 何でもいいってことじゃないのよ。」
違うんだって!何かこうその仕事のゲン担ぎというというか、占いというか。
その時しっくりこないと上手く事が運ばないんじゃないかって気がするんだよ。
何でもいい様で良くはないんだ。
そこが繊細な所なんだ。
「繊細ねぇ・・じゃ私が指定してあげるわよ。その方が楽でしょ?!」
駄目だろ、それじゃ。
自分で得物を選んで、最善の結果を出す。これがプロフェッショナルってなもんだ。
「それで? 今回の依頼では決めたの!? そのプロフェッショナルさんが使う得物は?」
女はどうでもいいけどと、言いたげにまだティーパックを弄んでいた。
うーん。その場のシチュエーションにもよるからな。
最後はお得意のヤツで行くかもしれないけど。
「ほどんどの物事がそれよね。最後は自分が解ってる事をする。
人の迷いや悩みって結局答えが解ってる事なのよ。
いいから早く行ってらっしゃい。はいこれ追加の資料よ。」
くそ言い返せない。
見てろ!そのティーパックの色が出切る前に終わらせて戻ってきてやるからな!!
はいはいと女は俺を送り出した。
そんなことあるか、答えは俺が決めるんだよ。
それがプロってもんだ。
俺は標的を待ち伏せ、その時を待った。
そして無事依頼をこなした。
ただ使った得物は落ちていた石ころだったが。。。
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