無駄
あれ?!お前電子タバコに替えたの?!
何?!面倒くさくないか?
充電器持って、カートリッジ持ってってさ。
「面倒臭いからは何も生まれない。ただの気分よ」
ただの気分ねぇ〜、
いやだってお前何より、いざとなったら火が必要な時ライターあるって重要だぞ?!
湯もわかせねぇし肉焼けねぇぞ?!
女は冷めた目でこっちを見ながら、吸い終わったカートリッジをゴミ箱に投げ入れる。
「何よそのサバイバル状況?
それより現場に吸い殻なんて残してないわよね?!」
こらこら当り前だろ!そんな自爆するかよ。でもあれだよな。何で普通にポイ捨てするのかな?!こーやってコレに入れるだけなのに。俺はケツのポケットから携帯灰皿を見せた。
モラル?!いやいやモラルなんて関係ないだろ、こんな仕事してんだし。
わざわざ道を汚す必要無いって事。
返り血浴びる様な殺し方するか?!
しないだろ?わざわざ。
「そーね、面倒臭いからは何も生まれない」
女はそー言って俺の煙草から1本取り出し、俺に顎をしゃくる。
王かお前は!!
その威圧に負け火を付けてやると、ゆっくりと煙を吐き出し俺の携帯灰皿を見やる。
「クマさんの携帯灰皿なんてどこで売ってるのよ?」
女は少し楽しそうにクマさんを手に取って
「これを持ち歩くの面倒くさくない?!」
吸った俺の煙草を俺のクマさんに飲み込ませた。
「さ、依頼の話よ」
....なるほど。
はいはい、お仕事ね。