表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
相棒との会話  作者: 反逆者
11/13

バランス

男の素性動向の資料を再び読む。


ここ何週間か実際に尾行したり、観察したりしていた。




まただ!聖人なのコイツ!?


もう「この人」って言おう。


今日はお婆ちゃんの荷物を持つのを手伝ってる。


しかもこの人の職場とは逆方向に出る地下鉄出口まで。


遅刻しちゃうぞ~と思いながら、その場を立ち去った。




「あら?! どうしたの? こんな早い時間に珍しいわね。」




女は来た所なのか、上着を掛けてるところだった。




いやちょっと確認なんだけど、ホントにこの男で間違いない??


俺は資料の写真を見せた。




「そうよ。今月中って依頼よ。何!? 簡単でしょ、行動パターンも解ってるし。


普通の害のない相手だし。」




まあ何て言うか、害なさすぎるっていうか。


良い奴なんだよ。明らかに良い人なの。




「それで?? 仕事にそんな事関係ないでしょ!? 受けた依頼をこなす。


ただそれだけじゃないの? そんな事言うなんてヒヨったんじゃない!?


それとも罪悪感でも湧いたの?」




何かムカつくけどいいや、確認だよただの。


間違いじゃなかったらそれでいいんだ。


じゃあやってくるよ。




「何よ変ね、早く終わらせられるんだったらそーして頂戴。


今回の依頼人は胡散臭い感じするし。」




何でだ?!




「報酬払いが悪いのよ。前金だけ払って後はちゃんと終わってからだって言うのよ。


私たちのルールを事前に伝えてたんだけどね。ゴネたのよ。」




何だそりゃ!? 何でそんな仕事受けたんだよ??


断ればよかったじゃねぇか。人を殺してください、お金は分割でってロクでも無い奴だろ。




「紹介された相手がね、断り辛い相手だったのよ。安心して。もうこの相手とはこれっきりだから。」




いやいっその事断って欲しかったなぁ~と思いながら、


行ってくると事務所を出た。




やはり良い奴だ。この人、いや「この方」に格上げだ。


今日は迷子のガキを交番まで連れて行ってた。


それで終わればいいのに、付き添ってガキを慰めてスマホで何か見せて笑顔にしてる。




こんな方を始末したいなんて、絶対ロクでもない依頼人だ。


世の中間違ってるよな。善が狙われて悪が生き残る。


俺は自分が悪だと自覚してるが、必要悪と思っている。


こないだはレイプされた相手が依頼人だった。復讐だったんだろうな。


毎回そんな仕事なら良いんだが、これも仕事には変わりない。


俺は溜息をついて機会を待った。




女が一人で悪態をついていた。


「終わったの?! お疲れ様。コーヒーでも入れるわ。」




女は立ち上がり、お湯を用意する。


何??珍しい!! 逆に怖いんだけど。




「依頼人がね、殺されたの。誰かに恨みでも買ってたのね。


胡散臭いとは思ってたけど。世の中の為には殺されて良かったんでしょうけど、


残りの報酬は無理ね。死ぬのは勝手だけどこっちは半損よ。


やっぱりルールは厳守しないと駄目ね。今回は私の落ち度よ、ごめんなさい。」




と入れたコーヒーを持って来てくれた。


それは、、、、仕方ないな。


死んじゃったんだから。仕方ない、うん。




「やけにあっさりしてるわね?! 損したのに。」






今日のコーヒーは苦くない。


俺はニヤて飲んだ。


やはり世の中こーでなくちゃな。



短文です。

不定期更新ですが、二人のやり取りをお楽しみ下さい。

面白い・ふ~ん・なるほど、など思って下さったら

感想やレビュー、評価などお願いします~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ