表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

妖異譚 あれが過ぎると申します

あれが過ぎると申します 傀

シリーズ『妖異譚 あれが過ぎると申します』 その廿七




初出:カクヨム https://kakuyomu.jp/my/works/16816452219772069292/episodes/16817330657638445953

  袋徑ふくろみちなる傀儡嬪(くゞつひめ)



  ちくとおぢやれや 傀儡嬪(くゞつひめ)

    泣いておぢやるか さてはまた――



からす豌豆ゑんどう散果ちりはてゝ

いげどろうばら咲くみち

やぶくろ深く閉ざゝれし杣人そまも通はぬ袋徑ふくろみち


やぶまたやぶの奧も奧 姉といもとの癲狂が

二人ながらに住まひするやしきありとぞ野衾もまの鳴く


かこみ繁れる槇垣まきがきのその蟲喰むしくひうれ

(すゞ)鈴生(すゞな)人形ひとかたいもとわざか姉なるか


吊られ朽ちゆく傀儡嬪(くゞつひめ)

かへらぬ女中ひとむくろにや

泣きの淚の溜息に千載せんざいきぬさゝめごと


りてけさめし白絹しろぎぬの曇るかんばせ苔じみて

榮華(えいぐわ)綾錦あやにしき 今は襤褸らんるとわゝけたり


垣內見れば破屋あばらやは人の氣配もなぎの木の

ほとりに立てるほこらには

怪しやとぼ燈明みあかしと新しげなる供物そなへもの


菝葜さるかけの葉を皿としてかぐろに熟るゝ狗枇杷いぬびは

あるかなきかにあえかなるそのはつかふたつみつ








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ