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意味がわかると怖い話

安全運転

作者: ゅぅ

最近車を購入した。

残念ながら中古車ではあるが、走行距離も少なく、もちろん事故歴もない。

免許を取ってから1年。両親の車は今時珍しく2台ともマニュアル車で、オートマ限定で免許を取得した私は、全く車を運転する機会もなく、ペーパードライバーのまま車を購入することとなった。

念のためということで、私は初心者マークを貼ることにした。


その日の仕事帰りは少し蒸し暑かった。車の窓を開け、いつもの帰り道を鼻歌まじりで走り出す。

交通量が多いうえに、運転の荒い人が多い私の地域では、初心者マークを付けていると煽られることが多々ある。


今日はまさにそのようだ。

道路標識から窺える制限速度を10㎞/時は超えて走行しているというのに、車間距離を狭め左右に蛇行して、いかにも見た目の怖そうなおじさんが外車で煽ってきた。


「急いでるなら、追い越してけばいいのに…」


その道は片側2車線になっており、その時間帯は割と空いていて、追い越すには絶好のチャンスのはずだ。


しかし、後ろの車はそれにも拘わらず、一向に煽ること止めようとしない。

私は次の交差点で左折をするつもりでウィンカーを付けると、後ろの車もそれに続いた。


「なんだ、一緒の方向かよ」


後ろばかりを気にしていた私は、前方から横断歩道を渡ってくる杖をついた老人に気付かず、危うく轢きそうになってしまったが、何とかその数m手前で止まることができた。


「あ、危なかった…」


一息ついたのもつかの間、後ろからクラクションを鳴らされ、振り返るとあの車の運転手が、『早く進め』と促すようにジェスチャーをする。

しかし、横断歩道にはまだ渡りきっていない老人がいるため通り過ぎるのを待っていると、痺れをきらしたのか後ろの車は、私の車を追い越しながら交差点に進入し、すれ違い際に


『そのまま突っ込んでくれた方が良かったのに』


と言い捨て、舌打ちしながら去って行った。
















【解説】

横断歩道を渡っていた杖をついた老人は煽ってきた後ろの男の身内です。老人の保険金目当てと、介護の負担を無くすため、時間を見計らってそのタイミングで通る車を煽って注意散漫にさせ、老人を轢かせようとしていました。

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