#08 TS美少女は魔法の実験をする。
お風呂を作ってから1週間が経った。
ここ1週間は毎日お風呂に入っている。
お風呂気持ちいいからね仕方ないね!
ちなみに、うちの温泉に入ったあと目に見えて疲労が回復してたり、元々よい肌ツヤがさらに良くなっていたから、多分そんな効能があるのだろう。
だけどお風呂に入るとしても、長くてせいぜい1時間ぐらい。
私は元々寝つきがいい上に、この身体は若い(幼い)からか、いくらでも寝れる。最近は大体10時間程度寝ているので、ご飯を食べてお風呂に入ったとしても、時間が約半日分あまる計算になる。
結局のところ、まだ相変わらず暇なのであった。
◇
翌日。
最近降り続いていた雨が止み、空模様は快晴だ。
私は家のドアを開け、久しぶりに外に出てみる。
朝方まで降っていたから、森の木々たちには雨の雫が残っている。
家の前の土地は水はけがいいのか、多少の水溜まりはあるにせよあらかた乾いていた。
異世界に転生してから半分ヒキニートと化している私がわざわざ家から出てきたのには理由がある。
魔法の実験をしてみようと思うのだ。
確かに私の創造魔法は万能だ。
じゃあ実際どこまでできるのか。
これを試してみないといけない。
「魔法〜♪魔法〜♪」
即興で考えた謎の歌を歌いながら、私は準備をする。
実は魔法の実験は前々からやりたくて、それっぽい服や杖なども用意済みである。
今の私の格好はよくある魔女っ子である。前世でやったら痛いヤツ扱いだけど、今の私は美少女だから良く似合う。やったね!
家のドアから少し距離を取ったところで、私は杖を構える。
「ファイヤーボール!」
ボッ
……なんとなく言ってみたらほんとに出た。
おぉ……ん?……やばっ!?
「ウォーターボール!!」
放たれたファイヤーボールが飛んで行ったのが木が密集してる方向で、危うく森林火災を引き起こすところだった。危ないあぶない。
水をかけて消化したけど、やっぱり森の中で火魔法は危ない気がする。
……それにしても、適当にやっただけなのになんで魔法が使えたんだろう……?
……実験だ!
◇
あれから数日経った。
私はこの数日間、寝る間も惜しんで色々な魔法を使ってみた。
……まあ魔法の実験が思ってたよりも楽しかったからなんだけどね!
お陰で今ちょっと寝不足だ。
しかし、この数日間でわかったこともある。
どうやら、最初に打ったファイヤーボール(ついでにウォーターボール)は創造魔法で創られていたようなのだ。
色々と試して見たけど、創造魔法で魔法を放つにはどんな魔法かを想像してればその魔法を打つことが出来るようだ。
「転移」「アイテムボックス」「サーチ」
「ハイド」などは魔法創造で作ったものなので別。
チートすぎる創造魔法だが、一応弱点?もあるみたい。
どうやら魔法が発動する時に、自分の頭の中にそれの明確なイメージがないと魔法が使えないようなのだ。
創造魔法で打つ魔法は臨機応変に対応できる分、いちいち考えないといけないのが面倒くさい。
例えば、ファイヤーボールを打ちたいのにウォーターボールのイメージをしていたら上手く発動できない。
反対に、魔法創造で一度出力した魔法は名前を叫べば発動できる。
簡単に言うと、創造魔法で作った魔法は1回限りの使い捨てで、応用が効く分難しい。
反対に、魔法創造で書き出した魔法は、創造魔法を使うよりも簡単に発動できる。
だからお気に入りのものや、よく使う魔法、複雑な魔法は魔法創造で出力して、単発的だったり簡単なものは逐一創造魔法で作った方が早いようだ。
ちなみに、例えば「ファイヤーボール」を「炎弾」と言ったり、「メラ」と言ったりしても同じ魔法が発動したことから、あくまでイメージが大切で、名前はあまり気にしないっぽかった。
これがあるおかげで魔法を発動する時に名前を間違えたり、全然違う名前を叫んで恥ずかしい思いをすることはない。チート様々である。
「魔法って……楽しい……!!」
これはいい暇つぶしになりそう。いくら遊んでも遊び足りない。
◆
森の中を冒険者と思わしき数人の男女が歩いていた。
「……ほんとにこんな人里離れた魔力の濃い森の中に人なんか住んでるのかい?」
「東の森の魔女の話は私たちの街でも有名でしょ?それにさっき通った村の人だってみんな知ってたじゃない。」
「だけどさぁ……相手は未知の魔法を使う魔女だよ!?もし敵だったらどうすんのさ!?」
「それを調べるのが、オレたちの役目だろうが!」
一行は森の中のけもの道のような所を進んで、少し開けたところに出る。
「あれ……?なにか音が聞こえない?」
「え……?ほんとだ……。これはなにかの曲?」
「魔法のうねりを感じる……!これほどまでの高密度な魔力は初めて見た……!!」
「なんだあれは!?」
「みんな伏せろ!伏せるんだ!!」
その瞬間、あたりを光と爆音が支配する。
カッ……ドゴオオオオオオオオオオンッッ!!!!!
突然の爆風によって冒険者たちは後ろへ吹き飛ばされてしまう。
「うわあああああっっ!?」
「なによこれぇ!?」
「爆発か!?一体何が起きたんだ!?」
しかしさすが冒険者と言うべきか、全員綺麗な受け身を取っていたり、防風障壁を貼ったりして防いでいた。
しばらくは衝撃の余波で揺れていた木々も落ち着き、森は静寂を取り戻す。
「なのだったの……いまの。」
「……これは魔法なのか……?こんな魔法聞いたこともないが……」
「この威力の魔法……私には絶対打てないよぉ……」
「これが……東の森の魔女の力……」
各々が先程の爆発についての議論をする中、先頭を歩いていた男が何かを見つけ叫ぶ。
「おーーーい!!こっち来てくれ!!家があるぞ!ここじゃねぇのか!?」
これは、少しあとの話。
いつも感想ありがとうございます!




