#06 TS美少女はお風呂を創る。
黒歴史を回収してから数日
「あー……暇だぁー……」
私は暇を持て余していた。
ここ数日、家のある森で雨が降り続いているせいで、外出ができないのである。
……しようと思えば出来なくもないけど、この雨の中でわざわざする用事もないのでやらない。
だからここ数日は家に引きこもっているんだけど、正直言ってめちゃくちゃ暇なのだ。
ちなみに今はベッドでただごろごろしている。
昨日まではこないだ部屋から持ってきたラノベを読んでいたんだけど、それも全部読んでしまった……。
……そもそも何周目か分からないぐらいには読んでいたから、先の展開がわかっている分、速読をしてしまったのだ。
私は窓から外の様子を眺める。
しかしまだ外は相変わらずの雨。
「うぅー……ひーまーー!!」
私は足をバタバタさせるけど、ベッドはふわさらの感触を足に伝えるだけで ビクともしない。
私は頭の中でやることを探すけど、本当に全てやり切ってしまった。
思えば、ここまで暇になったのは久しぶりだ。前世でも何かしらやることはあった上、転生してからはとても忙しかった。
本当に何をしよう……
◇
しばらく迷った末、そういえばお風呂がまだ未完成だったことに気がついた。
「クリーン」で済ませればいいじゃんと思うかもだけど、私だって日本人の端くれだった。たまにはお風呂に入りたいのだ。
そうと決まれば、私は洗面兼脱衣場に行って風呂場を覗く。
お風呂は、家を創った時に風呂用のスペースは作ったけど、しっかり作ってなかったところにつくる。
キッチンやトイレのようにユニットバスを作ろうかと思ったけど、折角なのだから大きいお風呂に入りたい。
そう思って私は1から作ることにした。
……創造魔法だから0からかな……?
「1から――いいえ、0から!」
……
……
ツッコミ不在。
◇
浴槽はあらかた作り終わった。私一人が入るには大きすぎるぐらいの浴槽ができてしまった。
まあ私は大きいお風呂好きだし、掃除もクリーンかければ1発だから、別に小さくする理由もないのである。
露天風呂も作ろうかと思ったけど、外が相変わらずの雨なのと、落ち葉溜まりそうだからやめた。
あとはお湯を引くだけである。
「どうせなら温泉にしたいな〜♪」
私はそんなことを考える。普通はそんな運良く温泉は湧かないと思うが、ここは異世界だ。もしかしたらあるかもしれない。そう思って、私は新しい魔法をつくる。
「サーチ!」
そう唱えると、私の頭の中に情報が流れ込んでくる。
源泉に絞って意識を向けて探すと、この家の800mぐらい地下に温水が豊富にあることがわかった。
これを活用しない手はない。
「必殺直下掘り!」
カッコつけて必殺とか言ってみたはいいものの、ただ単に土魔法で地中を掘削しているだけ。
ただ掘ると崩れたりして不純物が混ざるかもしれないから、別の土魔法で補っている。魔法って便利だね。
10分ぐらいすると掘っていた土魔法の重さが消えて、穴から大量のお湯が出てきた。
「いゃったぁー!!温泉だぁっー!!」
お湯の温度を測って見ると42℃でちょっと熱めのちょうどいいお湯であった。最高。
早く入りたい!
これだけ頑張って作ったのだから!
そう思った私は、残っている作業をさっさと終わらせようと、排水溝や照明などの制作に取り掛かったのだった。
◇
「ふぇぇ……ごくらくごくらくぅ……」
私は温泉でとけていた。
やっぱり温泉はいいものである。
私は前世からお風呂の時間が大好きであった。旅行とかで温泉地に行けば、いの一番に大浴場に行ってそのまま1時間ぐらい入っていたものである。
それにしても、いいお湯だ……
ここまで気持ちいいのは、丁度いい温度なのもあるけど、自分で頑張って作ったからというのもあると思う。
はぁ……
そのまま1時間ぐらい浸かった。




