#16 TS美少女は異世界にネットを繋げる。
作者の入試があるため年始以降の更新ペースがかなり落ちると思います。
太陽が地平線に沈み、森を闇が支配した頃。
結論から言えば、私はネットに接続することが出来た。
「長かった……ふきゅうっ……。」
私はソファーにもたれかかる。
今日一日は色んなことをしたから疲れたのだ。
最初は「ネットに接続する魔法」を創ろうとしたのだけど、それは困難を極めた。もちろん私はそんな魔法を知らないので、創造魔法で創ろうとしても創れない。
そこで、今ある魔法を組み合わせることで出来ないか試したのだ。
光魔法の応用で通信が出来た所までは良かったのだが、
「文字通り世界を越えてインターネットに接続させる」のがとてつもなく難しかった。
インターネットを作って来た世界中の人達をマジで尊敬する。すごい。
万能の創造魔法を持ってしても、これは無理だと判断した。そのうち暇があったらまたやってみるかもしれない。
そこで私は方向を変えて、最初に目指してた「こっちの世界にもインターネットを創って相互通信する」みたいなことから、もっと物理的な方法にすることにした。
完成した私の家のネット環境は、次のようにして元の世界と接続する。
まず、私のスマホは家のWiFiに接続している。
ちなみにWiFiの機械は創造魔法で創った。
そして、前世の私の家のルータから回線を分岐させてもらって、ケーブル1本を常に転移させることで繋げている。
簡単に言えば、ケーブル1本分は常にこっちの世界と元の世界が繋がってるという訳だ。まあLANケーブルが1本増えただけなら多分両親には気づかれないだろう。
まぁあくまでこれは応急的な処置だ。そのうちちゃんとしたものを創りたい。
なにはともあれ、ついに私は向こうの世界のインターネットを手に入れたのであった!
◇
久しぶりにネットに接続し、ブラウザで意気揚々と新着情報を漁ってた私は、ある記事に注目する。
それは私が大好きな、とあるネット発のライトノベルで、書籍版は2年前に全てのシリーズが完結したものの、丁度今日、完全書き下ろしの新章が発売されたというものだった。
これ欲しい。めちゃくちゃ欲しい。
何度でも言うが、私はこのシリーズが大好きで、前世では何度も何度も読み返したものだ。ちなみにこの作品はアニメ化もされていて、去年公開された映画もめちゃめちゃ面白かった。
私は実は電子書籍があまり好きではない。あくまで私の意見だけど、「折角買うなら形に残る紙の本がいいな」と思うのである。なろうはまた別。
そして、紙の本を買うもうひとつの理由が、特典欲しいからである。ライトノベルはとら○あな等の書店で購入すると、限定特典が付く場合が多い。
私はその特典がすごく好きなのだ。
……しょうがない。あっちの世界に買いに行くか。
実はあれから私は向こうには行っていない。
魔法の実験が楽しかったことや、マーシャちゃんの件があったからってのもあるけど、また警察官に声をかけられたら面倒だと思ったのだ。
しかし新刊と特典のためだ。背に腹はかえられないだろう。
私は家に帰っていつも魔法の実験をする時に着ている魔女っ子から日本風の格好になる。
軽く身支度を済ませた私は、戸締りを確認して、転移を唱える。……まあ私なら無詠唱でも発動できるけど、何となく気分で声に出して言う。
「転移!」
シュパッ
◇
私が転移したのはまた前回の公園である。
本当は書店に直接転移したかったけど、ここなら転移する所を人に見つかる心配もないだろうと思ってここに転移した。
書店に向けて歩こうとしたとき、私はある重大な事実に気づいた。
「……そういえば私、お金もってない……。」
当たり前と言えば当たり前である。
「どどどど……どうしよ……」
その後色々と考えた結果、スマホケースの中に交通系のICカードが入っていたことを思い出す。
電車やバスに乗る機会はあまり多くなかったから存在を忘れていたが、カバーには確かにICカードが入っていた。
確か「ちょこまかと入れるのは面倒だから」と一万円チャージしてくれていた筈である。
両親に申し訳ないけど、とりあえず今回はこれを使わせてもらうとしよう。なにか稼ぐ手段を考えないとだなぁ……
◇
書店はうちの近くにはないので、本を買いたければ電車で都会まで移動ことになる。
最寄り駅の改札にICカードをタッチして、足早に電車に乗り込んだ。
私が乗った駅で人が降りたからか、車内は意外と空いていて、空いていた席に座る。
私は窓の外を流れる車窓を見つめていた。
私がここ最近ずっといた森は見渡す限りに木と草の緑が見えたものだが、ここではパッと見て1番に飛び込んでくる色は灰色が多い。
その全てが人が作った構造物であるという驚きと同時に、森の家が少し恋しくなる。やっぱり、今の私には向こうの方があっていると思うのだ。
そんなことを考えて思いを馳せていた私は、気が散っていたのかもしれない。
電車は停車のために強めのブレーキをかける。そうすると慣性が働いて
「きゃぁっ!?」
気が散漫になっていた私は踏ん張れず横の人にもたれてしまう。
隣に座ってたのは大学生っぽい女の人だった。
「あっ……ごめんなさい……」
私が顔を背けながら謝罪すると、お姉さんは一瞬驚いたような顔をしたあと笑って許してくれた。優しい。でも恥ずかしい。……隣に座ってたのがお姉さんでよかった……。
私はもう一度隣のお姉さんの方を向き直す。今度はちゃんと目を見て言わないとね。私はそう思ってお姉さんの方に向き直す。
ん?……お姉さんなにその表情?目やばくない?……ん?……あ、ついたーで「電車乗ってたらブレーキで隣座ってためっちゃかわいい女の子がもたれかかってきて最高でした!!」って呟いてるんだけど!?
あれぇ!?いやかわいいっていうのは嬉しいんだけどねっ!?
そうこうしている間にも電車は駅に到着する。この駅はかなり都会だし、確か駅前に書店もあったはずなのでここで降りる。
少し身の危険を感じたので、ドアが開くと私は足早に降りて行くのであった。
お姉さんは電車に引き続き乗るのか、後ろから「あぁ……」って悲痛な声を漏らしてた。
知らんがな……
◆
その日私は、いつも通り大学に向かって電車に乗っていました。授業は三限からなので、少し遅めの電車に乗りました。
途中の駅で、私の隣にめちゃめちゃ可愛い女の子が座ってきました。
中学生ぐらいでしょうか?さらさらと伸びた銀色の髪は、窓から差し込んできた太陽の光に照らされて、キラキラと光っているように見えました。
正直言うとめっちゃタイプです。
私はかわいい女の子が好きなんです。
私の真横の女の子は、まるでお人形さんのようで儚くも可憐な雰囲気に包まれていました。
ヤバいこの子抱きしめたい……!
……いかんいかん……落ち着け私。
私からアクションを起こすのはマナー違反です。イエスロリータノータッチ。そんな古のネットスラングを思い出していた時でした。
電車が駅に近づいたので、強めのブレーキをかけました。すると、何やら私の左肩に感触を感じます。
見ると、さっきの女の子が私にもたれかかっているではありませんか!!
大方さっきのブレーキに耐えられなかったのでしょう。女の子はこっちを一瞥すると、「あっ……ごめんなさい……」と小さな声で言ってきました。全然大丈夫だし、むしろこっちがありがとうございます(?)
私は笑顔で対応します。すると、女の子がこちらにもう一度振り向きました。ヤバすぎです。私もそれなりに顔には自信を持っていて、美少女と言われたこともあるけれど、そんなことが塵と化すぐらいに、目の前の女の子は美少女でした。
こんな美少女がこの世に存在していいのでしょうかと言うぐらいにその女の子は美少女でした。興奮した私は思わずついたーを開いて呟きます。
すると、さっきの女の子がそれを見てたのか、私を困惑したような目で見てきました。かわいい女の子のジト目もいいですよね!
電車は都会の駅に到着しました。私はまだ乗りますが、女の子は都会の駅で降りるようで、席を立ち上がります。
私は折角出会った本物の美少女が去ってしまうのが悔しくて、思わず悲痛な声を漏らしてしまいました。
大学に着いても、その日私は授業に集中出来ませんでした。
百合お姉さんはまたどっかで出します。
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