#15 TS美少女は魔法の力で電気をつくる。
1時間程遅刻してすみませんでした。
私が魔法の実験をはじめてから数ヶ月が経った。
マーシャちゃん達と別れてから、私はまた1人で森の家に引きこもりながらぐうたら生活をしていた。
その間、私は様々な魔法を開発したりやってみたりして遊ぶ……もとい実験をしていたのだけど、流石に最近ネタが尽きてきたのだ。
「うーん……どうしようかなぁ……?」
お気づきだろうが、私の使う魔法はなろう系異世界物や魔法世界系の作品で出てくる魔法をそのまま使ったり、アレンジして使ったりしている。
だけど最近はラノベを読めていないから知識が更新されない。これは非常に由々しき問題だよね!
「ラノベ読みたいなぁ……」
私は1人つぶやく。……あ!スマホ持ってるじゃん私。
私はアイテムボックスを参照すると、スマホを取り出して、電源ボタンを押してみる。
「ん……?……あれ……?つかない……?」
私が電源ボタンを何度押しても電源はつかない。
実は数ヶ月前にマーシャちゃんの寝顔を撮影してから、ときどきスマホの主にカメラ機能を使っていた。それはともかく、今は充電をしなくてはいけない。充電器を探して……
あっ
「……そういえば充電器ないんだった」
私がスマホを回収した時には充電器は持ってこなかったのだ。
私としたことがうっかり。でもね?私には創造魔法がある。なければ作れば良いのだ。
「ふははははぁっ!!私最強っ!!」
◇
「ふぇぇっ……」
数分後、私は軽く涙目になっていた。
創造魔法で充電器を創ったのはいいものの、肝心の電気がなかったのである。
電気がなければ、充電などできるはずがない。
創造魔法を科学に使うのは案外難しいみたいである。
……それなら、いっそ魔法で電気を作れないかな……?魔法で電気を創ろうと、私は魔法創造で新たなスキルを作る。
「うーん……上手くいかないな……」
「あれぇ!?なんでそうなるのぉ!?」
「やったできt…\ドォォォォォン/…けふっけふっ……」
しかしなかなか思ったようなものが創れず、何度も何度も失敗する。
しかし、ついにその時は訪れた!
「できた……!やったぁ!!!!」
試行すること8回目、ついに思った通りの魔法が完成する。雷魔法を魔改造したものが、上手く電気として働いてくれた。
……まあ冷静に考えてみれば、雷も電気なんだから威力をいじればそりゃ使えるんだけどね。
これで魔法から電気が作れる!
これはかなり革命なのでは無いだろうか。
数多ある現代チート系の作品でも、いまだかつて魔法から電気を作った作品があるだろうか!
ちなみに魔法が電気の代わりになること自体は早くから気付いていて、現に私の家は私の魔力を使ってガスの代わりに火魔法、電気の代わりに光魔法、水は水魔法で賄っている。
でも今まで電化製品を使う機会ってなかったから魔法で電気を創れることを知らなかったのだ。
トイレあるじゃん!と思うかもだけどはタンク式で水道じゃなくて水魔法で補充してるし、下水は浄化魔法かけた上で、近くの川に流している。
私は暖かい便座やおしりのところに水が出てくる機能はあまり使わないので電気を使わなくても困らなかったのだ。
ちなみにこの魔法は「エレクトリック」と名付けた。
……私ネーミングセンス無いなぁ……。
◇
しばらくこの魔法を使ってみて気づいたことがある。
それは私が魔法使っている時にだけしか電気が発生しないということだ。
スマホの充電をするということは、一定の電気を1-2時間流し続けなければならない。
つまり、このままだとスマホの充電をしている間、私はずっとエレクトリックを使っていなければいけないのだ。
私ならできなくもないと思うけど、寝てる間に充電したい時とかにすごい不便だし何より面倒くさい。
私はある事を思いついて、おもむろに家の裏に回る。
「創造魔法!ーーーーーー」
「ーーーー!」
「ーーー」
◇
「ふははははっ!!私、天才っ!!」
数分後、元々何もなかったそこには、大体1メートル四方ぐらいの箱が出来ていた。
その箱からはなにやら線が家の中まで伸びている。
つまり発電機を創ってしまったという訳だ。
この発電機は空間魔力を電気に変えて家の中に送電する仕組みになっている。だから、家の中より外の方が都合が良かったのだ。
……そもそも家が小さくて中にあまりスペースがないのもあるのだけど。
発電する電気は交流だけど、送電する距離はせいぜい10メートルあるかないかぐらいだから100Vそのまま。
この短距離で高圧電流を流したところで危険すぎる。今後電気を使える場所を増やすんだったら昇圧も考えるけど今のところその予定はない。
私は一旦家の中に戻り、魔法でぱぱっと配線してコンセントを各所に設置する。ちなみに普通の日本式だ。
……電気工事士の資格……?ナニソレオイシイノ……?
まぁ、私なら100Vぐらい感電しても平気なのでそのまま作業する。みんなは真似しちゃダメだよ?
◇
さっき言った空間魔力とは、その名の通り空間が持つ魔力のことである。
ちょっと前に、私のどんなに魔法を使っても私の魔力が減らないのを不思議に思って調べた結果、私の持つ「無尽蔵の魔力」の本質は体内の魔力だけではなく、空間リソースからも魔力を集められることにあると気がついた。
この世界の魔力には、人間や魔物などの生き物の自らの体の中にある、所謂一般的な「魔力」と、植物などから作られる空間が持つ「空間魔力」があるらしい。
「空間魔力」と呼んでいるけど、これは私が勝手につけたものだ。……相変わらずネーミングが酷いのはご愛嬌。
空間魔力を集めると言っても、ほんの軽微なもので、稼働させても空間魔力が減ったとは感じない。
これはマーシャちゃんの村に行った時に思ったんだけど、この森は他の場所よりも空間魔力がかなり濃い。
だから、私が空間魔力をちょっぴり拝借したところで、何ら問題ないのだ。
異世界みたいな魔物(?)いないな〜と思っていたけど、どうやら通常の魔物はこの森に入って来れず、強すぎる魔力に当てられた野生動物が魔物化したものしかいないようだ。
今更ながらに、私の初期リスがこの森だった理由を知れた。人が立ち入らず、魔物があまりいなくて、魔力が豊富なこの土地は好き勝手にスローライフして暮らしたい私にとっては、まさに理想の土地だったという訳だ。
◇
ソファーの側に作ったコンセントに、創ったばかりの充電器を差し、そこにスマホを繋げる。
すると「フォン♪」と音がなり、画面にはバッテリーのマークが表示される。
どうやらうまくいったみたい。
私は一息つくためにお茶とお菓子を用意してソファーに腰掛ける。
「あぁ!いい仕事した!!」
なんか達成感がすごい。
……それもそうか。なんせ今日一日はかなり大仕事をしたのだ。これから電気が使えるとなれば、他の家電も使え……あっ、あれ……?
……家電、魔法あるから要らなくない……?
掃除とか洗濯とか食器洗いとかはアイテムボックス(時間停止付き)とかクリーンとかドライとかでも出来るよね……?
……えっもしかしてあんまり意味なかった……?
……まあスマホの充電が出来るようになったのだからよしとしよう。
お茶とお菓子が全てなくなると、充電がある程度溜まっていたので電源を入れ、端末を起動させる。ちゃんと問題なく使えているようだ。
久しぶりにスマホを弄る私。
「やっぱりスマホはいいものだ……!」
何を隠そう前世の私は1日のうち寝てる時間や学校に行ってる時間、食事をしている時間を除けばずっとスマホと共に生活していた人種で、俗に言う「スマホ依存症」だった。
この身体になって異世界に転生してからは、魔法という面白いものに興味を持ったからスマホ依存では無くなったけれど、やっぱりスマホが長年親しんだ相棒のような存在であることに変わりはない。
「ん……なんか持ちづらい……?」
変わったことといえば、私の身体が小さくなったので、スマホが前よりも大きく感じることだ。
これはもう慣れの問題だと思うから仕方ないと思うけど、前世では片手操作できていたものが端の方に指が届かなくなったのはちょっとショックだ。
まあ別に両手で操作すればいいだけだから問題は無い。
それはともかく、スマホを見てなかったここ数ヶ月分の新情報を……あれ……?
「……ネットが……ない!?」
当たり前と言えば当たり前であった。異世界にネットが飛んでいる訳がないのである。
「ええぇぇぇぇぇぇえええ!?」
私の叫び声は森の中に虚しく響くのだった。
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