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模擬戦闘その一

「それじゃあー五奇(いつき)ちゃんと麗奈(れいな)ちゃん、空飛(あきひ)ちゃんと美珠(みしゅ)ちゃん、鬼神(おにがみ)ちゃんと雅姫(まさき)ちゃんでワタシと等依(とうい)ちゃんってゆー感じでどーよ? ワタシちゃん的にはさいっこ~の組み合わせきたー! って感じなんだけどにゃ~?」


 演習場に着くなり、そう提案する琴依(ことえ)に誰も反論しなかった。いつもなら真っ先に反論しそうな鬼神は静かで、麗奈も納得したらしく深く頷いていた。


(この感じだと、Cチームもとい緋雲(あけくも)のリーダーは琴依さんなのかな?)


 五奇がそう思っていると、等依と目が合った。彼は気まずそうに視線をずらすので五奇は思わず目を瞬かせる。


(こんな等依先輩、はじめて見たな……。お姉さんの前だから? それとも……)


「さぁーて、それぞれでやっりますかにゃー?」


 琴依の声で、それぞれがペアになる。結局、彼女達におし切られてともに訓練を行うことになったのだ。教官達にはすでに緋雲達が話をつけていたらしく、齋藤からも許可がすぐにでて、今に至るのだった。


 ****


(等依先輩、心配だなぁ)


 五奇が遠くにいる彼らを見ていると、麗奈が頬を膨らませながら、五奇に向かって大声を張り上げた。


「ちょっと!? わたくしを無視しないでくださる!? レディを前にして……無礼でしてよ!?」


「あっ……ご、ごめんなさい! 無視とかじゃないんだけど……」


 五奇が謝れば麗奈は鼻をふんと鳴らしながら、少し距離を取り武器を構える。


「さて。五奇さんでしたわね? 貴方、(きん)術式(じゅつしき)を扱うとお聞きしましたが、その本質は存じていて?」


 鉄扇を口元にあてながら尋ねる彼女に、五奇は困惑する。


「……本質?」


 五奇の態度で何かを察したらしい。彼女は盛大にため息を吐くと、額に手を当てた。


「はぁ……これだから蒼主院(そうじゅいん)は! しっかりと説明をなさい! いいですこと!? わたくし達が使う金とは、ズバリ鉱物を表しているのです! それがどういうことかおわかりでして!?」


「えっ……いや? 使う武器に依存するから、金属加工された武器を使った方がいいとは聞いて……ましたが……」


 五奇が答えると、麗奈が更に呆れた声を出す。そしてはっきりと告げた。


「いいですこと? 武器に依存するということは……その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 ****


 その頃。

 空飛と美珠は、互いに視線を合わせながら武器を各々構えていた。


「では、模擬戦闘と参りましょうでございます! 何卒よろしくお願いたします! はい!」


「わっちこそよろしくでありんす。では、いざ!」


 空飛は翅剋(しかつ)羽刻(はこく)を、美珠は数珠を構え、動き出した。

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