表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/113

業と二人

 その頃。自室で本を読んでいた等依(とうい)は、ため息を吐いた。()()()をルッツから聞いてから、どうにもいつもの自分になりきれない。


「……蒼主院(そうじゅいん)の業……か」


 ルッツから……いや、一番目の兄、輝理(かがり)から大まかな話を聞いた。鬼神(おにがみ)家に先祖がしたことそして……。

 だからだろう。嫌でも自分を卑下し……辛くなる。


「……退魔術式を使えない体質である()にできることは……あるのだろうか?」


 普段の口調ではない素の自分に、面白みのない自分に……等依は苦笑しながら本を読む手を止め、ベッドへ入った。

 

 ****


 一方。フリーホラーゲームを自室でプレイしていた空飛(あきひ)のスマホに着信があった。


「ん? なんでございましょうか……?」


 プレイする手を止め、スマホを手に取り見てみると齋藤からだった。


(教官から直接メッセージなんて……なんだろう?)


 不思議に思いながら、メッセージを開くとそこには一言こう書かれていた。


日暮(ひぐれ)サーシャが面会を希望しているとのことだ』


 その字面を見た空飛は、すぐに返信をする。答えはすでに決まっていた。


『いつ面会に行かせていただけますでしょうか?』


 そうメッセージを返すと、空飛は再びゲームに没頭する。


 ****


 翌日。他のメンバーに事情を話した空飛は、単身サーシャの元へ向かうことにした。思ったよりも早くの面会に、空飛は驚いたが、急を要するということで特別に許可が下りたのだ。

 収監所はトクタイ本部の地下にある。

 長いエレベーターに乗り込み、案内役とともにサーシャが収監されている牢まで向かう。無機質な壁に、妙な静けさが辺りを包んでいた。


(ホラーゲームというより、サイコゲームのようでございますね?)


 不謹慎ながら、そんなことを考えてしまう。いや、無理矢理にでもそんなくだらないことを考えないと、この空気に飲まれそうだったのだ。


(……ここは、気持ち悪い妖力を多く感じる……不快でございますね)


 自身の半身がそんなところに身を置いていると思うと、余計に複雑な心境になる。そう思っているうちに、目的地にたどり着いた。


 看守監視の中で、いよいよ自身の半身、サーシャと……対面した。彼女は白い服を着用し、両手に拘束具を着けられた状態で、椅子に座っていた。


「やぁ……()? 会えてうれしいよ……」


 相変わらず空飛をそう呼ぶ彼女を気にすることもなく、空飛はアクリル板ごしに会話を始めた。特殊な術が組まれたこの板が、彼女との距離を示しているようで、空飛の心はざわついた。


「……サーシャ。一応、今の僕には空飛という名前がございましてですね……?」


「知ってる。でも、僕も()も黒曜なんだからいいだろう?」


 嫌味も含んでいるのだろうか。そんなやり取りから、二人の会話は始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ